A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

普段着の演奏を極めたら・・・・それはブラジル音楽とクラッシックが融合したジャズだった

2008-03-03 | CONCORD
Laurindo Almeida / Chamber Jazz

Concordがギタリストのリーダーアルバムを立て続けに出したが、今度はアルメイダの登場だ。
ローリンドアルイメダといえばボサノバ。ConcordではLA4のメンバーとしても有名だ。ブラジル出身で40年代からアメリカで活躍していたアルメイダ。このアルバムを録音した78年までの間にすでに100枚近いアルバムに参加していた。
ところが、「このアルバムはそのどれとも趣が違う」とライナーノーツの冒頭に書かれている。

タイトルは”Chamber Jazz”。確かに単なるボサノバではなく趣が少し違う。
LA4でもクラシックの曲を採り上げたりしていたが、アルメイダの本質はこのあたりにあるのかもしれない。
室内樂ジャズといえば、MJQやジャックルーシェを思い浮かべてしまう。アルメイダは確かにMJQとの共演アルバムもあった。もともとアコースティックギターであり、雰囲気は想像がつくが。
このアルバムでは他のギタリストがあまり取り上げない曲が選ばれている。ブラジルの曲やバッハやショパンの曲などが。いわゆるアメリカンポップスは一曲だけ。やはり彼のDNAはブラジルなのかもしれない。

先日のケニーバレルのアルバムでは、肩肘張らない自宅でリラックスした雰囲気でプレーする素顔のバレルの演奏が聴けたが、このアルバムもその類だ。
ブラジルからアメリカへと長年様々なプレーヤーと色々なジャンルの音楽と接してきたアルメイダだが。あまりジャズやボサノバというジャンルに拘らず、「一度自分の思うまま、感じるままをプレーしてみよう」と思って制作したのがこのアルバムのような気がする。
結果的に、室内楽的でもありジャズ風でもある演奏になったということかも。

スペイン風のパティオでギターを奏でるアルメイダの姿を捉えたジャケット写真が妙に飾り気がない。余所行きに着替えて綺麗に飾りつけた場所というのではなく、自宅からぶらりと裏庭に出てきて、何気なく弾き始めたという情景だ。
演奏もそのような雰囲気のままだ。ギターのプレーが妙に生々しく、ギターを中心にしてバックのベースとドラムも控えめだ。ところが、曲が進むに連れてベースのマグヌソンが実に素晴らしいプレーを聴かせてくれる。ジャズ特有の弾けるようなベースではなく、粘りつくようなベースがギターの音色と実にうまく調和する。ライナーノーツには「トロンボーンのような」との表現があるが、言い得て妙かもしれない。マグヌソンはフレンチホルンを長く演奏した経験があるそうだが、その経歴も彼のベース奏法に影響しているのかもしれない。
LA4で一緒のジェフハミルトンもこのような演奏にぴったり。控えめであるがつぼを捕らえたドラミングは得意技だ。

ブラジル育ちの素質はどんな音楽にも合わせられるアルメイダであるが、他の要素に影響されずに彼のギターのプレーの本質を知るには最適なアルバムかもしれない。

1. Dingue le Bangue          Macdony, San 4:14
2. Unaccustomed Bach        Bach 7:17
3. Odeon                 Nazareth 2:02
4. Bourree and Double         Bach 3:56
5. Melissa                 Allton 3:23
6. You and I [Voc? e Eu]        DeMoraes, Gimbel, Lyra 5:12
7. Clair de Lune Samba         Debussy 4:59
8. Chopin a la Breve           Chopin 4:12
9. Turuna                 Nazareth 4:17

Laurindo Almeida (g)
Bob Magnusson (b)
Jeff Hamilton (ds)

Recorded at Spectrum Studios Venice , C.A. in September 1978
Originally released on Concord CJ-84

Chamber Jazz
Laurindo Almeida
Concord Jazz

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コメント (2)
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