A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バップオリエンテッドなギターも他のメンバーの影響を受け・・・

2015-11-10 | CONCORD
Full Circle / The Bruce Forman Quartet with Bobby Hutcherson

ジャズが色々変化してきた中で、バップオリエンテッドなプレーを続けているプレーヤーは多い。原点回帰という言葉があるが、やはり、ジャズの根差すところはこの辺りにあるのだろう。それは、プレーヤーだけでなく、聴く方にとっても同じかもしれない。色々聴き疲れた時に、バップオリエンテッドな演奏に戻ってくるとホッとする。例え、それがどんなスタイルに影響されていても。

ブルースフォアマンもバップオリエンテッドなプレーをするギタリストとして知られている。大先輩であるバニーケッセルも彼の事を自分の後継者のように思っていたようだ。
このフォアマンはリッチーコールのグループで一躍有名になった。当時は「リッチーコールブーム」もあり、広く知られるようになったのはこのブームに便乗した形ではあったが。



コールのグループを辞めた後も、フォアマンは西海岸のサンフランシスコを拠点として活動した。サンフランシスコというとコンコルドレーベルの拠点、当然オーナーのカールジェファーソンーソンの目にとまり、このアルバムが誕生した。

メンバーは、同じサンフランシスコで活動していたボビーハッチャーソンやジョージケイブルス達が参加した。このアルバムはこの2人の参加が大きく影響しているように感じる。
曲によって、トリオ、カルテット、そして5人揃ってというようにメンバーの組み合わせを変えているが、一番バップオリエンテッドなプレーを聴かせてくれるのはトリオでのオンザサニーサイドオブザストリートだ。バニーケッセルの有名なアルバム「ポールウィナーズシリーズ」での演奏を思い浮かべる。ベースやドラムもレイブラウンやシェリーマン風のプレーに聴こえてくるから不思議だ。そして、ハッチャーソンが加わったピアノレスのスカイラークもストレートアヘッドな演奏で実に魅力的だ。とすると、ジョージケイブルスが加わると、魅力が無いような感じがするが・・・。

メンバー達のオリジナル曲中心に、モーダルな色合いが強い演奏になる。ライナーノーツを見ると、「ソフィスティケイテッド・バップオリエンテッド」の文字が。ハッチャーソンもこの頃はモーダルな演奏もしていた。
コルトレーンの曲ジャイアントステップもサンバ風のリズムで、スタンダードのサマータイムも5/4拍子でと、アレンジにもこだわり、単なるジャムセッション風の演奏ではない。管が無いハッチャーソンのヴァイブの加わったサウンド生かしながら、アルバム全体としてはグループサウンドの新鮮さを追い求めている感じがする。

このアルバムはジェファーソンが自らプロデュースしたアルバム。新しい試みのアルバムは他のプロデューサーに任せることが多かったが、ギターに関してはグラントガイスマンエミリーレムラーなどの新人達も自らプロデュースし、プレーヤーの自由に任せて演奏させていた。
このアルバムでも、フォアマンのギターのプレーは変らなくとも、周りのメンバーのスタイルでグループ全体のサウンドは微妙に変化する。結果としてそのバリエーションを楽しめるアルバムだ。

最近のフォアマンは聴いた事が無かったが、今でも現役で活躍しているようだ。最近の彼のグループはCow Bop。バップオリエンテッドな演奏は変らなくとも、内容はカントリー&ウェスタンとBopのコラボ。周りのメンバーが変ればグループサウンドは大きく変る。



1. Marshall Arts                    Eddie Marshall 6:08
2. Helen's Song                     George Cobles 4:34
3. On the Sunny Side of the Street    Dorothy Fields / Jimmy McHugh 5:18
4. Skylark              Hoagy Carmichael / Johnny Mercer 6:13
5. Circular                        Bruce Forman 6:13
6. Giant Steps                      John Coltrane 3:58
7. Desert Rain                      Bruce Forman 6:56
8. Summertime     George Gershwin / Ira Gershwin / DuBose Heyward 5:36

Bruce Forman (g)
George Cables (p)
Bobby Hutcherson (vib)
Jeff Carney (b)
Eddie Marshall (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, May 1984
Originally released on Concord CJ-251
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする