A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

THAD JONES & MEL LEWIS & ”THE JAZZ ORCHESTRA”

2006-05-17 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
このアルバムは、BIG BANDの、お気に入りのベスト10に入る。
ちょうどWESの「A DAY IN THE LIFE」が世に出る一年前、1966年に「SOLID STATE」という新しいレーベルが生まれて、その第一弾がこのアルバムだったと思う。
BIG BANDといえば、BASIEやELLINGTONが代表であるが、彼らの古きよき伝統を引き継ぎ、新しい斬新なサウンドを加え、フルバンドとコンボの良さを織り交ぜ、オリジナル曲とスタンダードを旨く組み合わせるなど、とにかく色々な面で斬新さを感じて、このバンドの大ファンになってしまった。今聞いても、全く古さを感じない。

このバンドの真骨頂はLIVE演奏で、この後発売された「LIVE AT VILLAGE VANGUARD」で、その片鱗を聴くことができる。68年だと記憶しているが、彼らが公演スケジュールも決まらないまま突然来日し、新宿の「PIT INN」(今の店ではなく、伊勢丹の裏の最初の小さい店)に出演した時、幸運にもそのLIVEを聞くことができたが、「これぞ本物のJAZZ」を理屈と抜きで体感できた。そこでの衝撃を今でも覚えている。これがきっかけで、JAZZにより深くのめり込んでいったし、自らもサックスのプレーを志したり(全くものにはならなかったが)、自分のJAZZ LIFEの中でも、忘れることのできない一枚である。

日頃、スタジオセッションが仕事の中心で思いきりJAZZを演奏できないプレーヤーが、月曜の夜クラブに集まりセッションを始めたのがこのバンドが生まれた経緯だが、単にジャムセッションを繰り広げるだけではなく、編曲を持ち寄ってフルバンド編成が実現できたのがすごい。今は、BIGBAND不遇の時代だが、どこかでこのような演奏を聴ける場所が再び生まれることを祈っている。

蛇足ながら、SOLID STATEというレーベルは、真空管からトランジスターへ録音機器が替わり出した時、トランジスターの音質の良さを売り物にした「はしり」である。今やすべてがデジタル化・IC化のなかで、トランジスターがすでに死語となっていることに、時代の変化の速さを感じる。

でも、すばらしい音楽は不滅である。

ONCE AROUND     
WILLOW WEEP FOR ME
BALANCED SCALES =JASTICE
THREE IN ONE
MEAN WHAT YOU SAY
DON'T EVER LEAVE ME
ABC BLUES

THAD JONES & MEL LEWIS ORCHESTRA

Thad Jones(flf)
Jimmy Nottingham(tp)
Danny Stiles(tp)
Richaed Williams(tp)
Bill Berry(tp)
Bob Brookmeyer(vtb)
Jack Rains (tb)
Tom McIntosh(tb)
Cliff Heather(tb)
Jerome Richardson(as)
Jerry Dodgion(as)
Joe Farrell(ts)
Eddie Daniels(ts)
Pepper Adams(bs)
Hank Jones(p)
Richard Davis(b)
Sam Herman (g)
Mel Lewis (ds)

New York City A&R Studio
May.4~11.1966.

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