槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

最新登山道情報(新穂高~槍平) 20170610

2017年06月10日 | 日記

※小屋営業開始は7月1日からとなります。

 

新穂高~槍平間の登山道ですが、新穂高からチビ谷まではほぼ夏道を歩けます。チビ谷は雪渓でまだ埋まっていますが、それほど斜度はきつくないため、キックステップがしっかり出来る方なら問題ありません。上の写真はチビ谷~滝谷間にある、通過距離15mほどの雪渓。ここは滑った場合、写真左手に流れが見えている右俣谷本流まで20m以上滑落の恐れがあります。今日は荷物量も多かったため、槍平までの道中でこの雪渓通過時のみアイゼン、ピッケルを使用しました。この季節、雪と岩場が交互に出てきてアイゼンの着脱が面倒に思う方もあるかもしれませんが、滑落は一瞬で起こりますので、面倒がらずに行って下さい。

 

滝谷左岸(避難小屋側)です。昨シーズンと違い、現在ここに流れはありません。

 

現在は滝谷右岸(藤木レリーフ側)に本流があります。今後、梅雨の大雨で流路が変わることも考えられます。滝谷架橋については梅雨開け前後、天候をみながら行う予定です。

架橋後はこのブログでお知らせいたします。

 

南沢(槍平小屋下部)から滝谷方面を見たところ。滝谷から上部は現在、基本的に雪上を歩くことになります。ピッケル、アイゼンを必ずお持ち下さい。


槍平小屋ニュース 20170610

2017年06月10日 | 日記

本日より小屋スタッフが現地に滞在しながら、本格的な小屋開け作業を進めていきます。あらためまして、今シーズンもどうぞよろしくお願いいたします!

こちらは本日6月10日現在の槍平小屋。

 

こちらは先月、5月8日の写真。1ヶ月の間にグッと雪解けが進みました。

 

一枚目の写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、小屋周囲に散らばるのは冬季の雪崩で吹き飛ばされた周辺の樹木です。槍平小屋も無傷、というわけにはいかず、二階廊下部分の窓が雪崩による爆風で破られていました(4月20日撮影)。

 

窓から吹き込んだ雪が廊下を埋め尽くしていました。

 

これだけ見るとかなり大変なことのようですが(大変には違いないのですが・・・)、7年前にやはり雪崩被害を受けた時に比べれば、これでも少しマシ、という感じです。ただ、小屋周辺の樹木の吹き飛ばされ具合というのは7年前を上回るものがあり、これでも不幸中の幸いだったのかもしれません。

 

小屋内の排雪は4月中に完了していましたので、現在はこの通り。昨日までは破られた窓にベニヤ板を打ち付けていたため小屋内が暗かったのですが、今日はプラ製波トタンで明かりが入るように窓を応急処置しました。まもなく飛騨の大工さん達に来て頂き、夏山シーズンに間に合うようにバッチリ修理してもらうことになっています。どうぞ安心して、今季も槍平小屋をご利用下さい!

 

今を盛りに登山道を彩るニリンソウ。いつもの小屋開けシーズンの景色。

 

サンカヨウの花びらは、午後から降り出した雨に打たれ、今頃は透明なレース生地のような艶やかさに輝いているはずです。

 厳しくも美しい北アルプスの大自然。今シーズンも皆様の笑顔が登山道にあふれる、事故のない、穏やかなシーズンとなるように願っています。営業開始までしばらく時間がありますが、小屋ニュースも更新して参りますので、よろしければどうぞお付き合い下さい。