かつて日本を代表する保守派の知識人たちが、バブル後の低迷する日本という時代に、「日はまだ昇る」、「製造業は必ず復権する」というような著書を数多く出版していた。
当方はそれらの本は基本的にすべて、というくらい読書してきた。
確かに歴史を振り返ると日本は、卑弥呼の時代、遣隋使の手紙、元寇、幕末の動乱、大東亜戦争の敗戦などを乗り越え、困難の後に安定をもたらす、あるいは飛躍した歴史がある。
また、かつての日本人は勤勉で、恥の感覚を持ち合わせ、陰に日向に努力を続けた国民性ということがあり、コツコツと建設的なことをやってきたのは事実である。
しかし著名人が言っていたはずの「日本はやがて再び世界の中で輝く」という論調は外れた。全滅としかいいようがない。
なぜならもはや日本はかつてのように世界が注目する国では無くなり、そして将来もそのようになることも無いとしか言いようがない悲惨な国になってしまっている。
なぜ、保守派を中心とした今でも名が残されている著名人、時代に輝いた人たちの予言は外れたのであろうか。
それは彼らの予想を大幅に超えて、日本人そのものが堕落したからである。
彼らはまさかここまで日本民族が墜ちるとは、想像もできなかったのであろう。
政治家はほぼいなくなった。己の欲得と党利党略しかない政治屋集団になり、公務に携わる人としてはおよそ恥でしかない行為を行っても平気で居座り、金をもらい続ける輩が増えた。
確かに制度として領収書有の実費精算のみという会計方法にしないことも悪い。つまり都合よく利用したい輩だらけで、自らを正すという政治家がおらず、いつまでも利用したいために制度改正はやらない政治屋。
数が異常に多すぎることも是正しない。一切機能しない参議院でも、「当選したら勉強します」のタレントを担ぎ出し、国を私利私欲で利用したい人と党だらけになった。
居眠りする、質疑無し、誰かが準備した原稿を読んで終わり、視察と称した旅行で騒ぐことしか考えない破廉恥な連中しかいない。これは国から地方まで全部である。
この人たち、ザ政治屋こそが日本没落の象徴なのである。
どんなに頭脳明晰な官僚たちであっても、この腐った政治屋が次々と大臣になる、いつまでも地方議員で居座れるとなれば、知識も何もない連中がトップになってもまともにやる気は起きないだろう。
それよりもその頭脳を使って立場を強くすることを考えるのもまた人間であろう。人間は自己防衛という本能があるが、それがやがて自己保身になり、それが通ってしまえば欲に溺れだすのである。弱い存在、それもまた人であろう。
かつての政治家、田中角栄なら人間の甘いも酸っぱいも十分に理解したうえで、官僚と接したであろうし、日本はもっと良い国になっていたことと思われる。本当に仕事をする人間が潰される、企業でも同じ原理で、舌先三寸の偽者、他人の成果を盗むような連中が上に行く。
日本というのは実に奇妙で、立場が上がるに比例して給料は上がるかも知れないが、責任と仕事がどんどんと無くなっていく。だから仕事をしないおっさん、おばさんがいつまでも組織に残れる。いざ問題があれば今度は集団に隠れ、個人の間違いを正さない傾向が異常に強い。
しかも老害の認識がないので、まだ役に立っていると自認する。
これは政治も官僚も全て同じである。
歴史を見ても失敗した人ほど昇進することがある。失脚させれば組織の責任も追及されるので、当人を昇格させて何も無かったことにするという癖さえ持っている。
その日本では、「日本はすごい」、「日本には技術がある」、というような論調で多くの番組が作られ、多くの人が日本は素晴らしいと思い込んだ。外国人から見て魅力がある国だと錯覚させられた。
とんでもない間違いである。外国人の中で日本の文化、歴史、技術、芸能に興味を持つ人がいるのは喜ばしいことだが、極めて少数派でしかない。レアな人々であり、そこに焦点を当ててもまったく参考にはならないのは当然のことである。
おそらくは今のアメリカ人であっても、日本の位置が分からない人が多数いるであろう。
かつてアメリカの大卒の女性と話をしたとき、日本に来るまで中国の一部だと思っていたくらいである。正直言えば、多くの外国人には具体的な日本のことなどどうでもよく、単なる集金場所くらいでしかない。
日本人は日独伊の三国同盟の歴史があることからドイツに親近感を持つ人もいるが、日本のことなどどうでも良いというのが多くのドイツ人だと思った方がいい。
アジアの親日国と言われた国々も認識は変わってきているのが現実である。一部日本人観光客が海外旅行して破廉恥な行為を連発し、すっかり信用を落としていることもある。
日本ではやらないことを海外だからと平気でやる愚か者があまりに多すぎるのだ。
そこにはアジアをまだ見下している心理も含まれていることだろう。既に周回遅れなのにわからない精神性の低さ。
また、日本人はあまりにも発想が貧困で、外国人が観光に来るから世界の中でも知られていると思っているようだが、それは全く違うのだ。
多くの外国人は日本の場所くらいはわかる人は増えていると思うが、まさか米軍基地があるとは思ってもいなかった、その程度でしかない。
日本人にしても、例えばラオスとカンボジアの位置が分からない人だらけだろう。
しかも米軍優先で日本に制空権が無いというと、目を丸くして驚かれる。
だから敗戦国日本は米国の占領下であり属国でしかないということが現実で、米軍基地の中で起きていることは日本は一切関与できないというと、皆が占領下であるという表現に納得する。
日本人でも知らない人が多い現状、当然多くの外国人は知らない、その程度が世界の認識である。外国人が知ってしまうと、なんと弱腰な国だという認識となる。
自衛隊は軍隊ではない異様さ。
尖閣諸島や沖縄に中国が攻めてきたとしたらアメリカさんが助けてくれると思っている人が多く、ましてや中国が攻めてくると思っている人はほとんどいないというと、「嘘でしょ?」と言われるのだ。
世界から見ればどれだけ甘い国かであるが、単に知られていないかである。
ロシアや中国が海と空で執拗に挑発している、北朝鮮がミサイルを撃っても「遺憾」しかないのが日本政府であり、北方領土と竹島を取られたままだと説明すると、独立国じゃないと言われる。
しかし喜んでロシア、特に韓国旅行する日本人のなんと多いことか。
自分の家の庭が取られたら怒るであろうが、それが国家になればどうでもよいし、そもそも知りもしない。それが多くの日本人であろう。
外国人からすれば富士山と寿司、ラーメンという程度で、日本のことなど知らないのが大多数であり己惚れない方がいい。
そして日本人の若者が日本の歴史、文化、伝統には一切目を向けず、技も磨かない状況で将来があるはずはない。
日本人であるのに大事な日本の製造、土木建築、重労働では無くても誰かがやることになる縫製や弱電の仕事、コンビニやファーストフードもやりたがらないから外国人に頼るしかない。技能実習生という隠れ蓑や学生という名目で実態は労働者の補充である。
極めて恥ずかしい二重行政、政治の表と裏という日本らしい嘘で成り立たせている。
日本の労働力で大事なことであるのに、多くの人が見下す職業を外国人労働者が変わりにやってくれている。給料が安いだ、見た目がどうだとやらない日本人の変わりに日本を支えてくれている。
しかしその多くで搾取や暴力が蔓延し、知性も理性も無い獣が外国人を利用しまくる状態という会社もあるわけだ。
日本人自らが日本人を貶める行為を続け、世界から信用を失っていっているのである。
日本で仕事をしてくれる数少ない人々から最終的には嫌がられ、その結果日本そのものの印象を悪化させているのに知らない振りを続けるこの国の政府は観光大国を目地しているという。
円安で外国人の皆さん、どうぞ遊びに来てと言いながら未だに国を全面開放せず、株を買ってくれというバカなトップ。
グローバル経済を押し付けられ、食料自給率は低いまま、資材や物品を輸入しなければ成り立たない中小企業の悲鳴もどうでもよい、聞く振りなんちゃって総理が国を破壊している。
このようなことを続けていながら製造業の復活も何もあったものではない。当然の話であろう。日本はどこを見ても衰退しか見つけられない。
マスコミが素晴らしい素晴らしいと言っていることに、正解は無い。褒める行為の裏には何かを隠す意図があるのだ。
なぜなら厳しい指摘こそ大事なことなのに、スポンサーや政治の顔色しか見ることが出来ないので本当のことを言わないのだから。
学校や家庭教育で、もしほめて伸ばすなるものこそ正しいと信じてやってきたのなら、一時の成功はあるかも知れないが、大事なことは継続である。
褒めると同時に違うこと、間違っていることもしっかりと伝えないと現実を直視しないということになる。しかし職業先生が蔓延し、公職である意識、子供を導くという聖職感や倫理観の無い破廉恥教師だらけにしか見えない。
少し前、知人が言っていた。先生に倫理観を求めるのが間違い。食うためにやっているだけだと。なるほどと感じたものだ。
だから子供はその嘘を見抜き、その程度の職業先生に教えられは、たまったものではない。。
だから子供目線でも真面目に考える子、鋭い子ならこの国からの脱出を考えるではないのだろうか。
そして大人になれば今度は私利私欲の政治屋しかいない。
日本素晴らしいという番組と同じ状態で、悪しきことは隠し、都合のよい部分だけを言っていては極端に偏っているだけである。
そしていつの日か、人は失敗や挫折を経験する。その時に立ち直れないのが褒めて伸ばされた側の人たち。なぜなら物事は忍耐することや時に歯を食いしばって継続していくことを通してしか分からないこともある。
辛さを耐えたからこそわかる世界もある。
どこかで辛さを正面から受け止め、克服することをやってこなければ、褒められて調子に乗っているだけでは、いざ大きな壁に当たった時に乗り越えられないのだ。
分かりやすく言えば登山である。
あなたなら大丈夫、必ずできると幾ら繰り返されても、実際にやってみれば楽しいだけではない。天候不順になることもあるだろうし、足を滑らせて捻挫することもある。上から石が落ちてくることもある。
しかし都合の良い「あなたなら出来る」では、現実を直視していないから失敗する可能性が高い。
昨今、高齢者を中心とした登山での事故が増えているが、新型コロナの影響による日本政府の失策で自粛という名の隔離が続き過ぎたことがあり、その反動も手伝って人と遭遇しにくい山ならという人も多いであろう。
中には過去に山をやっていたという人もいるだろう。
しかし現実は衰えた自分がいる。気持ちはまだまだいける、あるいはこの程度の山ならという現実を直視しない甘さがケガや大事故に繋がっているのだ。
現実は厳しい、その当たり前のことが、褒めて伸ばす側、都合の良いところだけを切り取る思考法の人は問題に直面しても回避能力が低いか、無いのである。
だから本当の苦労、挫折に直面するとダメになるのだ。
世の中はどんなに左翼側が平等だと騒いでも明確な縦社会であり、階級が存在する。山奥にこもってバンダナをして酒を飲みながらVサインを出して歌って現実逃避している人がこの令和の時代にもいるが、しかし大自然だと山の中に入っているあなた方も環境破壊の一因だということを理解しているのだろうか。
手を繋いで歩きましょうと幾ら言っても、マシンガンを向けてくるのが世界であり、話し合いましょうと幾ら言っても目の前で親兄弟が撃たれるのが現実である。
残酷な社会、厳しい現実を直視しないから、失敗から学ぼうとせず都合よくすり替えるから日本は世界の中でも弱い国に堕したのである。
割と多くの人が「選挙で投票したい人や党が無い」という。そして、良いことはやっている振り、聞いている振りだけで実際は国民が苦しくなることしかしない自民党と、ばら撒きの公明党という図式でますます悪くなっているのに、投票したい人や党が無いから同じく自民党という人だらけになっている。
よく分からないから今までと同じという構造で左翼政党という人たちも同類である。
そもそもあなたが望むような完璧は存在するはずはない。政治はベストではなくベターでしか選べない。
その判断は、小異を残して大同である。多少の違いは目をつぶらなくてはいけない。そして少しは自分にあった考えが含まれているのなら、変えることを選ぶのが大原則である。しかし勉強不足も手伝って結局同じ党に戻るのだ。
つまり本気で変える気など無いのである。良く調べ、少しでも可能性があるなら賭けるしかないではないか。
自ら考えてどうにかする、それが無いから壁に直面した時、周囲をきょろきょろとみて何となく皆にあわせる、あるいは困ったら国が何とかしてくれるという極めて甘い発想しかない多くの日本人。大災害の映像で日本人は整列しているというのは、日本人の美徳として数えるのは違う。
考えることが出来ないから何となくそうしているだけだ。
しかし政府が日本を破壊し続け、潜在的な不満が高まってくればくるほど、整列は無くなりやがて暴動という日が来るだろう。
世界では暴動がよく起きるが、あまりの日常の不遇からきっかけがあれば爆発してそうなるのだ。日本もそういう日が来るのは近いのではないか。
あるいはいつまでも飼いならされたペットでいたいのかどうかだ。暴動を肯定するのではなく、自分で考えよ、自分で選べ、そういうことである。考えて行動せよということだ。
世界は、世の中勝ち負けの論理ということを明確に理解しており、弱いものは食われる原理で動いている。
そこにきて伸ばすために褒める、つまり臭いものには蓋、現実逃避し悪しき部分から目をそらすということを続けた国が勝てるはずも発展するはずはない。それが今の日本、発展できず、不遇の人を増加させているだけという現実がここにある。
自殺者は多く、統計の都合により状況から見て自殺であろうが、不審死として処理してまで数を調整している。
なぜ日本は戦争で負けたのか。考えてみるべきである。失敗から学ぶべきである。しかし国民の多くは目を反らすだけだ。
あるいは保守から右側のように軍神だ侍だと美学に酔いしれていても絶対に良くなることは無い。それだけ立派ならなぜ負けた?
逆に中国や韓国と歩調を合わせ、悪しき日本、残虐な日本軍と繰り返していても絶対に良くなることは無い。
素晴らしい素晴らしいを連呼しても、ダメダメを連呼しても、それこそダメなのだ。だからイデオロギー発想ではうまくいかないと過去に何度も書いているのである。
いずれにせよ、褒めて伸ばす的発想は、やがて壁に当たった時に乗り越えることが出来ない。世界の中でこんな甘ったるい国は日本だけだろう。繰り返すが世界は競争の原理でしか動いていない。
世界平和と言葉でいうのは簡単だが絶対に世界に平和は来ない。弱肉強食こそが世界の原理であり、平和とは勝手に想像するだけの逃避に近いものだと考えた方がよいであろう。
なぜ、かつての保守派の知識人たちの予言は外れたか。
それはほめて伸ばすとは真逆の時代を生きた日本人を前提に論調を組み立てたからである。
まさか恥も外聞もない連中が政治屋集団を作り、税金を食い逃げするために政治を目指すゴミ日本人がいるという前提ではなかったからである。
企業も商道徳、倫理観があるという前提だったのだ。まさか目先の利益のために技術を切り売りし、技術者を解雇し、開発をせず、大事なメンテナンスを軽視するとは思わなかったのだ。
メンテナンスが利益を生むという製造では大原則の理屈を忘れ去り、補修費を削る。そして自分たちの首を絞めることになった。そして最後は外国企業に身売りするとは、まさかそこまで日本人が墜ちるとは考えられなかったのである。
そこまで恥ずかしいことをするのは日本人だと考えなかったからこそ、日本の復活を信じていたのだ。
コンプライアンスという名のもとに、自縄自縛になり部下の指導も出来ない。当然、そういう期間が続くと指導経験が無いから今度は発想力も無い。そんな連中が管理職の会社が発展するはずが無い。
そして極めて異常なSDGsなるものに右も左も見事に騙された。こんなものは形を変えた搾取でしかないのに気がつけないほど、本来は頭の良いインテリ層が多いはずの左翼まで見事に引っかかっている。
環境だ、貧困対策だ、人権だといういかにも左翼が好むことに隠れて搾取するのがSDGsだと見抜けないのは、厳しい現実を直視せず、反対のための反対、あるいは単なる感情論で論理思考を捨てた結果であろう。
子供をほめて伸ばすのは、やがて前を塞ぐ壁を乗り越えられないひ弱さだけが残ってしまう。だから世界で勝てなくなるのは当然の話である。そして子供たちは大人になってもまともな就職先が無い。かつてのアジア諸国が日本に出稼ぎに来ていた現象が、日本人がアジアに出ていく時代になっていくだろう。
悪口は厳しくいうが現実逃避しているのが左翼である。単なる悪口評論家でしかない左翼政党の票を減らすのは国民の義務だ。政治は結果であり、長年政党でありながら日本を良くしない左翼なら、為さぬことの罪で落選という罰が必要である。
しかしだからといって見た目に美しく舗装した道で、結局日本を地獄に向かわせているのは今の与党であることも知らねばならない。
言葉で誤魔化し、嘘をつき、平気で論調を変え、本当に都合が悪くなれば、つまり本質を突かれると語気を荒げて相手を恫喝するような連中が元総理という異常な国が日本であるという現実を直視すれば、あの人たちの党はあり得ないのだ。自民党は絶対に保守ではない。
日本人は日本をどうしたいのか。
まさか全日本人が目先の欲得だけに生きているのではあるまい。本気で考えて、本気で行動しないと、歴史と伝統がある日本は崩壊することになる。
踏襲型で行動せず、理屈を並べて結局やらないのがあなたなら、あなたこそ日本破壊への加担者である。