地獄少女 二籠 『あにいもうと』

　『地獄少女　二籠』第九話を観させて頂きました。【真帆】と【幹夫】。血の繋がった存在。その一線を越えはいけない存在。妹であり、女性である。そんな存在だと兄は気づいてしまった。それは生まれる以前から好きだった。妹も、そんな兄の歪んだ愛情を分かっていた。兄と妹。血が繋がっていなかったら・・・その感情も歪まなかったはずなのに・・・兄は妹を傷つけてしまった。身体も、心も、もう後戻りはできなかった。地獄へ流される時の兄の表情はどこか安らかだった。
　
　深夜零時。【真帆】は【幹夫】への両極端な想いを抱きながら、無機質な画面を見ていた。愛しくて、憎き、兄への歪曲した感情。妹が兄を・・・。【あい】は感じる。人間の底知れぬ業の深さ。この兄妹に【一目連】も興味があるようです。
　失恋。【真帆】は分かっていた。また【幹夫】の仕業だという事を。目の前に【あい】と【一目連】が現れ、赤の支配する世界で契約の証である「黒藁人形」を受け取る。【真帆】が背負うものとは一体何なのだろうか？
　優しき兄。失恋した【真帆】に美味しいお味噌汁を作る【幹夫】。２人の手が触れたなぜか、お互いを意識してしまうのだった。【幹夫】は人気のあるモデル。【一目連】も良い男には嫉妬気味でしょうか？女性みたいな【幹夫】。洋服を買うが【真帆】へのプレゼントではないようだ。【真帆】はとても魅力のある女の子らしく、また新しいボーイフレンドができる。その【真帆】を見ている【幹夫】の表情が歪んでいた。「憎んでいるけど、愛している・・・お兄ちゃんを・・・」。好きと嫌いは同等なのだ。【幹夫】は【真帆】のボーイフレンドに対して、女装をし近づき誘惑する。「大好き・・・愛しているのだから・・・」。【真帆】はまたも失恋を経験する。もう慣れた光景。
　夕方。【真帆】は【幹夫】の部屋で紙袋の中に、かつらと洋服を見つける。その洋服を着て【幹夫】の前に歩み出る。凄く似合っていた【幹夫】よりも・・・お互いの感情をぶつけ合う。『お前の事が好きだからだ・・・ずっと、ずっと・・・』と突然の告白。生まれる前から好きだった妹。【幹夫】は【真帆】を押し倒す。必死の抵抗を見せる【真帆】。結局【真帆】を傷つける結果になった。【真帆】はあらがえない運命だと「赤い糸」を引く。
　【幹夫】も女装をし、街を彷徨っていた。女装をし、女として生きる事で、男として傷つけない為だったのかもしれない。地獄へ流される【幹夫】の表情は、着飾る事を捨て、本当に安らかだった。
　クローゼットには沢山の女性物の洋服があった。それを抱きしめ泣いていた。「すぐに、そばに行くからね・・・」と【真帆】は呟くのだった。

　『大好きなものだから、壊したくなる・・・』【閻魔　あい】