【はるま】は、まどろみの中である夢を見ていた。妹が欲しいと、大切にすると願う夢を・・・。病室の謝る母の言葉を思い出す夢を・・・。久しぶりだった。存在の否定。それは【ちょこ】をどれだけ裏切り、どれだけ傷つけた事だろう。その場を取り繕う為の何気ない一言だけど【ちょこ】には言ってはいけない。【はるま】。君は、この嘘に後で、どれ程後悔するのだろうか・・・。『お兄ちゃんの妹』としての存在。ただ、それだけが【ちょこ】の全てなのだから・・・。【ちょこ】は泣いていた。力なく歩いていた。存在を否定された彼女は、この世界にいる意味がなくなってしまう・・・そして、消えてしまうのだった。
『あたし、お兄ちゃんの妹なのに・・・お兄ちゃん・・・妹なんていないんだ・・・だったら、あたしもいないんだよね・・・』
【はるま】はもう1度願うだろう・・・妹の笑顔を取り戻す為に・・・叶わぬ夢ならば忘れてしまったままではいけないのだから・・・。
『あたし、お兄ちゃんの妹なのに・・・お兄ちゃん・・・妹なんていないんだ・・・だったら、あたしもいないんだよね・・・』
【はるま】はもう1度願うだろう・・・妹の笑顔を取り戻す為に・・・叶わぬ夢ならば忘れてしまったままではいけないのだから・・・。