<鹿児島県紫尾山(しびさん)系の尾根に50~60基設置計画>
絶滅危惧種の猛禽類クマタカをシンボルとする生態系への影響や
生息地の山林伐採、掘削の自然破壊を懸念
【その後の動き】2事業者が競合し、5年経っても先行見えず、戸惑う住民
2事業者(U社とD社)が互いに住民説明や環境アセスを進める競合状態が続いている。発電事業の前提となる国の固定価格買い取り制度(FIT)では、U社が認定を受けているが、未だ計画地の貸付契約を結べていない。同一計画地での事業は1事業者に限られるため、U社の手続きが期限切れとなれば、D社が計画地の事業者となる可能性がある。※2019年3月にU社は事業計画の認定を受けたが、その後、「3年ルール」の猶予期間を経て、提出期限(2022年3月)を過ぎたが、九州経済産業局はこのU社に対して、未だに猶予を与えているのか?
一方、そんな2事業者が競り合う状況に住民は、「同時に大量の風車が立つのか」「結局どちらが建てるのか」と戸惑いの声が上がっている。(住民無視の計画も甚だしい。)
こんな住民の声を気にしてか、U社は事業計画を一部変更した。風車25基を19基に減らし、クマタカの生息や景観に配慮、工事に伴う大量の残土を地域外に搬出するとしたが、一部地域からは景観や土砂災害などに懸念があるとして反対の声があり、同意を得られていない。
<ブログ作成者から一言>地球温暖化防止のための自然エネルギー推進を大義名分にした、単なる企業利益目的だけの典型的な例と言えるでしょう。そして、それに翻弄される住民のみなさんの気持ちをないがしろにした事例というほかありません。生態系の上位にある希少な野鳥のクマタカの生息に配慮する気持ちがあるのであれば、設置基数を減らすのではなく、計画を撤回することが最大の配慮です。2事業者の環境アセスには、「希少種クマタカをはじめとする鳥類への影響は、出来得る限りの対策により、限定的で小さいと考える」という、お決まりの評価でしょう。形骸化された環境アセスは信じるに足りません。自然環境と住民の生活環境を守るには、自然破壊やそれに伴う災害の懸念がある事業は白紙撤回を求めるしかないでしょう。住民の生活環境や野生生物の生息の場まで奪う事業であってはなりません。
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