洋上風力発電「海の生態系に影響のおそれ」
風力発電を海洋に設置する場合、水深が比較的浅い海域では海底部に基礎をつくる着床式となるようですが、その基礎部に藻や貝類が付着し、小魚が集まり、その小魚を狙って大きな魚が集まるということになるということです。そこで、新たな漁場ができるので、洋上風力発電も悪いことではないとの見方もあるようです。しかし、本当にそれがいいことなのかと、やや疑問に思っていましたが、やはり同じように疑問を持った人たちもいました。「新たな漁場というより、それまでと違った生態(それまでいた魚がいなくなって、新たに別の魚が棲むようになるのか?)になるのではないか。」という疑問です。そんな折、2022年4月に次のような報道を目にしました。
国が導入を進める洋上風力発電の「有望な区域」(促進区域)として指定された「千葉県いすみ市沖」について、千葉県の会合で、専門家からは「海の生態系に影響を与えるおそれがある」として、詳しい調査をするべきだとする意見が出された。
千葉県のいすみ市沖には60万kwを超える洋上風力発電計画があり(1基6000kwなら100基以上)、潮流などに影響があるのではないか、と思われる基数です。潮流に影響があるとすれば、回遊する魚類にも影響が及ぶのではないかと思いましたが、やはりそれを心配する動きがありました。
潮の流れが変わり、あご(とびうお)がいなくなるかも
~佐賀県唐津市沖の洋上風力発電導入計画に周辺海域の漁業者が反対~
佐賀県と唐津市は風力発電の誘致を目指しており、地元にも恩恵が及ぶと目論んでいる。しかし、周辺海域は特産品のトビウオ(あご)の回遊ルートに当たるといい、平戸漁協は「あごがいなくなるかもしれない。」と、平戸市とともに計画に反対している。さらに計画海域に近い唐津市の5漁協も漁に影響するとして反対している。また、「海の景観が壊される!」と、計画見直しを求める団体(「唐津・玄海の海の未来を考える会」)もある。
これまで海洋上の開発については、一定の漁業補償をすれば、漁業者との折り合いがうまくいっていたようですが、ここにきて、地元自治体が風力発電事業誘致で経済波及効果に躍起になるあまりに、漁業への配慮がおろそかになったということでしょうか。もしくは、洋上風力発電が海洋の生態系に与える影響を、漁業に携わる人たちが気付き始めたということでしょうか。
このようなもめ事にならないように、一日も早く、漁業と海洋生態系への影響を回避できるゾーニング(風車設置禁止区域など)を国が主導して行うべきです。もちろん、野鳥への影響回避もです。
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