「西暦」はイエス・キリストの生誕に由来する「紀元」ですが、西欧でも一般に広まったのは16世紀だそうです。
西暦での「元日」は、生後8日目のイエス・キリストが割礼と命名を受けた日として伝えられていますが、生誕日が12月25日なので、誕生した日を「1日目」と数えると、合っているようです。
「2020年 元日 新年明けましておめでとうございます。」
キリスト教徒やその関係者には「当然の挨拶」になりますが、他の宗教や「神道」とは何の関係もありません。当然、科学的根拠も有りませんし、「新春」を一年の初めとして考えるのなら「立春(西暦の2月3~5日ころ)」が科学的に正しいと言えます。
日本(中央部)では植物が芽吹き始める季節が「立春」なので「新春」と言い、期間としての「立春」は「旧暦の12月後半~1月前半」です。
「皇紀」は「神武天皇即位紀元」で、即位の年を「元年」とし、西暦では「キリスト紀元前660年」です。これは、日本の正史である「日本書紀」が根拠になっているので問題は無いのですが、「科学的根拠がない。」と言って否定する人もいます。ところが、上述の「キリスト紀元の科学的根拠」は否定しません。
「皇紀」が制定されたのは、「年号(元号)」での暦の表記は不便なので、西洋の様に「紀元」を使用した方が良いとされたからです。神武天皇が即位したとされる「辛酉年春正月庚辰朔」は、西暦1582年に制定されたグレゴリオ暦では、紀元前660年2月11日と比定されました。また、明治5年12月2日(旧暦)(西暦1872年12月31日)の翌日を、明治6年1月1日(新暦)(西暦1873年1月1日)としました。
西暦には、閏年の日数の数え方に客観性と精密性は有りますが、「元日」には科学的根拠は無く、キリスト教徒以外には目出度くもありません。万人にとっての利益になるから正しいとするのは「功利主義」なので、「目出度さ」とは関係ありません。
日本人にとって目出度いのは、科学的に正しい「立春(西暦の2月3~5日)」か、歴史的に正しい「神武天皇即位日(西暦の2月11日)」です。
直近の旧暦(太陰太陽暦)の1月1日は、今年の西暦(グレゴリオ暦)の1月25日です。
ーーー めでたくもあり めでたくもなし ーーー
キリスト教の「嘘から出た実」が正義なら・・・良しとしましょうw