おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

Re:敬意と思いやりに貫かれたコーランとアラブ人の医療-分断の時代に考える①-

2023-10-12 06:35:28 | 日記
コーランには
精神障がい者に対して

「衣食を与え、懇切にことばやさしく話しかけなさい」
と在る。

8世紀頃から15世紀頃にかけて、アラブ人たちは、
学問としての精神医学と、
独立した専門職としての精神科医を生み出し、
ヨーロッパでは、19世紀まで見られなかった水準にまで、診断と治療の理論を洗練させた。

なぜそのようなことが可能だったのか?

それは、コーランが、精神病に対して進んだ見方を持っており、
ユダヤ-キリスト教や、ギリシャ-ローマの伝統に在った悪魔学とはかけ離れていたし、
怒れる霊も、嫉妬深い神々も存在しなかったからだ。

確かにコーランには、重度の精神障がい者に、財産関連の決断をさせてはならないという、ごく実用的な忠告も在るが、
敬意と思いやりを持って精神障がい者を扱うように求めている。

これが宗教とはまったく関係のない、深い洞察を伴う臨床的アプローチをもたらした。

705年、精神障がい者を専門とする最初の病院がバグダッドに開かれ、
800年にはカイロがそれに続いた。
やがて他の大都市も多くそれらに続き、
イスラム教の病院は、しばしば、
ユダヤ教徒とキリスト教徒の医師を雇い、
大きな外来患者診療所と薬局を備えていた。

はじめは宗教的なものであれ、その後に構築されたものたちには、宗教を越えた構造が在った。

特に、精神医学の進歩には目を見張るものがあり、
約1000年後のヨーロッパの歩みをそっくりと先取りしていた。

アラブ世界の精神科医病院は、科学的発見の優れたゆりかごとなっていたのだ。

国際的に混沌としている今こそ、多様な地域における社会の歴史を、精神科医療の歴史の視点から、数回に分けて、描いてみたいと思う。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
数日ぶりに日記に復帰しました。
徐々に、本調子になってゆくと思いますので、どうぞ、また、よろしくお願いします。
では、また、次回。


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