私が16歳の時からの男友達がいる。
歳は私より10歳年上だけど、
高校の時のバイト先で一緒に働いてたのがきっかけでそれ以来の付き合い。
出会ってしばらくして彼の奥さんとも仲良くなり、
彼の家族と私でちょこちょこ出掛けるようになったし、
よく家にも泊まりに行った。
数年して彼が奥さんと離婚したんだけど、
離婚しても奥さんとは仲良くしてて、
彼と元奥さんと私で近場に出掛けたり、
飲みに行ったりっていう、不思議な関係はずっと続いてた。
彼が地元の敦賀に帰ってから、
一度元奥さんと私で遊びに行ったのが最後で彼に会っていない。
フェイスブックではいつもたくさんの友達と楽しそうにしているのを見ていたし、
また会う時がくれば前のように会えるんだろうと思っていた。
そんな彼と共通の友人から連絡があったのが今月の頭
彼が癌を患いもう長くないことを聞いた。
すぐに会いに行った。
新幹線で向かう途中、先にお見舞いに行った友達から写真が送られてきた。
見る影もない友人をみて、会いに行くのをためらった。
重い足取りで駅に下りたときもやっぱり会うことに迷いがあった。
もうすぐそこにいるのに、会うのが怖いような。
病室の彼は元気だったころの面影はなく、
やせ細ってしまった。
でも私の事がわかって、
細い手で私の手を握り締め、
一生懸命話してくれるんだけど、
声も細く、こもっていて何を話しているのか分からない。
もどかしい気持ちがいっぱい。
これが最後になることもお互い分かってる、
だから一生懸命何かを話してくれているのに、
わかってあげられなくてごめん。と何度も謝った。
そんな彼が亡くなったと連絡がきた。
いつかまた前と同じようにバカを言い合いながら会えると思ってた。
難しい事じゃないと思ってたんだけどね、
何があるかわからないよね。
ただ会いに行くだけでよかったのに、
敦賀なんて遠くないのに、自分で距離を作って、
会ってなかったことをすごく後悔した。
会える時にあっておく。
ずっと言ってきたことなのに・・・
病気で苦しそうな顔じゃなくてね、
元気なころの友達の顔が浮かんでくる。
会える時にあっておく。
これからはもっとそうしておこう、
と思った一日でした。