つつがなく済ませて帰宅したのが夕方の四時頃。
今夜は会食がある。それまで時間があるから、ナニをして
カニをして、それから、あれを持って出かけて……などと
シュミレーションしながらマンションへはいろうとすると……
あれ、鍵がない!
ハンドバッグをぶちまけんばかりにして捜した。
コートのポケット、財布、化粧ポーチの中までも捜した。
ない!!!
鍵はいつもバッグのポケットに入れてある。
ひょっとして家の中でそれを出し、どこかへ置き、なおかつ、
家を出る時、鍵を掛けないで出てしまったのでは?
これまでそういうことはなかったが、頭は日々衰えている。
可能性がないとは言えない。
うちのマンションは玄関がオートロックだ。
ちょうど人が鍵を開けて入ったので、私も続いて中へ。
自分の住んでいる階へ上がり、ドアノブを回す。
が、二つある鍵は二つともしっかり掛かっていた。
じつは近くに行きつけの美容院があり、そこにひとつ合い鍵を預けてある。
ああ、良かった、預かっといてもらって、と落ち着いて電話した。
うちから徒歩五分。取りに行けばいいだけだ。
ところが電話に出た美容師さんは、鍵は自宅に置いてあってここにはないと言う。
彼女の自宅は美容院からほんの数分だ。
とってきていただけないかと内心で願ったが、接客中で手が離せないという。
「私が行って、お客様に事情を話し、ちょっとだけお時間をいただけませんかと
お願いするから」という言葉が喉まで上がってきたが、もちろん飲み込んだ。
わかりましたと電話を切り、マンションの管理会社に電話をした。
女性が出て「鍵の形態は? どこでなくされたのですか?」と
いうようなことを訊く。そして、折り返し連絡を入れるから
電話を切って待つようにと言われた。
寒い廊下に立ち尽くし、待つこと20分。
電話は掛かってこない。しびれを切らしてこちらから電話を入れた。
「担当者が電話中なんです」
「どのくらい待てばいいんでしょうか」
「わかりません……あ、いま終わりました」
電話の向こうは男性になった。
「管理会社では居住者の鍵を預かってませんので、業者をご紹介します」
そんなことなら、ここまで待たせなくても最初の電話で言えるでしょうが!
しかもその業者は、すぐ来てくれたとしても開けるまでに一時間くらいかかるという。
お値段も凄まじく高い。
溜息ついて電話を切り、「お仕事中、何度もごめんなさい」と再び
美容師さんに電話を入れた。彼女の接客が終わるのを待つことにしたのだ。
週刊誌を買い、近くのファミレスへ入った。
しかし目と鼻の先に鍵があるのに、それが手に入らないというのは辛いものだ。
この時間でするつもりだったこと、しなければならないことが次々と頭に浮かび
週刊誌の文字がまったく頭に入らない。
待つこと一時間余り。ようやく美容師さんが接客を終え、家から鍵を
取ってきてくれた。
翌日、合い鍵を作らなきゃと近くの商店街にある店へ行った。
「ああ、これは、うちじゃできませんねえ」
ちょっと複雑な構造になってる鍵らしい。
「鍵の救急車」という店があったからそこへ行ってみた。
「このタイプの鍵は難しいんです。できるまでに二週間かかりますね」
しかも一個3000円近いお値段! た、高い!
ちなみに、ドアの鍵を開けて貰うには23000円かかる。
うちは二個あるので、計46000円。
暮れに来て、私にとっては目のくらむような金額を聞かされたのでショックを受け、
合い鍵もオーダーせずに帰った。
それにしても鍵をなくすとたいへんなことになることを、これで知った。
知人の男性は深夜に帰宅して鍵がないことに気づき、業者に来てもらったそうだ。
が、3時間くらい格闘した末、業者はついに開けられないまま帰ってしまった。
彼は深夜営業の店で朝まで過ごし、会社へ行ったという。(その後、どうやって
鍵が開いたのかは聞きそびれた)
新しい合い鍵は作らなかったものの、予備の鍵があとひとつだけある。
この次なにかあった時のために、これを有効に使わねばならない。
マンションに越すまでは戸建てに住んでいたので、庭の物置小屋に鍵を隠していた。
が、マンションの場合、どこへ隠しておけばいいのか。
前述の男性もマンション住まいだが、「僕は○○に置いてますよ」と言っていた。
私が鍵をなくしたことを知った管理人さんも、「玄関のオートロックは誰かが入った時に
後ろからついて入って突破するとして、たいていは○○の、外から見えないところに
合い鍵を隠しとくみたいですよ」とアドバイスしてくれた。
知人男性と管理人さんが言った○○は同じ場所だ。
考えてみれば、マンション住まいの場合、そこしかない。
けど、あまりにポピュラーでわかりやすい。泥棒だって忍び込もうと思えばそこを探るだろう。
ならば鍵を紐か鎖にでも通し、首からぶらさげておこうかと思った。
体から離したらどこかへ置き忘れるかもしれないから、24時間外さない
が、真剣に考えた末、もうひとつ隠し場所があることに気づいた。
マンション内に入ることができれば、とりあえずそこへ行ける。
それがどこなのかは内緒だが、なにかと気ぜわしい師走、あなたもどうか鍵にはご注意を。
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