2002年の映画「ドラムライン」(原題 : Drumline)は、アメリカ南部の大学の伝統である華麗なマーチングバンドの活動を描いた音楽青春映画。黒人で音楽、舞台は学園とくれば、「ミュージック・オブ・ハート」や「天使にラブソングを2」でもおわかりのとおり、先の展開はまま予想がついてしまいます。それでもやはり良作だと感じられたのは、随所にもりこまれた熱狂的な演奏シーン。その場面だけ観ても飽きないですね。
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ハーレム街に育ったデヴォン・マイルズはドラマーとしての資質を買われ、奨学生としてアトランタのA&T大学に進学する。伝統的なマーチングバンドの名門バンド部を率いるリー監督のもと、デヴォンは多くの新人とともに厳しい特訓を受ける。
一年生ながら、楽譜も見ないで一度聞いた曲を即興演奏できるデヴォンの実力は、同級生どころかレギュラー陣をも上回った。
しかし、才気活発なデヴォンは上級生でリーダーのショーンとことごく衝突してしまう…。
自信家で目立ちたがり屋のデヴォンは、リー監督に一目置かれるも、勝ち気なあまりに先輩を出し抜いたり、ライバル校とひと悶着起こしてしまいます。それは、規律を重んじ調和を尊ぶチームの精神に反した行動でした。しかも、デヴォンに音楽奏者としての致命的な欠陥が見つかり、退部の危機に。恋人だったレイナとの関係もぎくしゃくしていまいます。大会に向けて、チームが空中分解しそうなところをどう巻き返すのか。
古典的な音楽性を追及したい堅気のリー監督率いるA&T大と、派手なパフォーマンスと人気取りの現代ミュージックにおもねったライバル校との頂上決戦。このシーンの前座のダンス、華麗な衣装と神業としか思えないスティック捌きには目が離せません。
少年漫画の王道的な展開ではありますが、ライバル同士が和解して友情を結ぶ爽やかさはいいですね。特訓メニューが軍隊のような厳しさなんですが、演奏って体力を使うものですので納得できます。
この主人公、誰かに似ているなと思ったら、『スラムダンク』の桜木花道。目上には刃向かって礼儀知らずで言いたい放題、けれど生まじめな弱者の青年には親身になっている姿は好感度がもてますよね。
主演はデヴォン役に、今作が映画初主演となるニック・キャノン。歌手マライア・キャリーの夫。
共演は「アバター」のヒロインで一躍人気者になった女優ゾーイ・サルダナ。
監督はチャールズ・ストーン3世。
(2010年7月3日)
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