陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「オペラ座の怪人」(1925)

2010-12-17 | 映画──社会派・青春・恋愛
「オペラ座の怪人」と聞けば、まずもって、あの天井から押しつぶしてくるような荘厳な響きの音楽をともなった、劇団四季のミュジーカルを想起します。
が、1925年のアメリカ映画「オペラ座の怪人」はサイレント映画ですから、まったく静かなもの。
怪人の仮面もさほど猟奇的なものではないのですが、モノクロ故か、不気味な白さと黒の重みが手伝って、恐怖をかきたててしまう映画なんです。

1880年、夜ごと着飾った観客を迎えるパリのオペラ座。
だが、その地下には革命で使用されていた拷問室があり、夜な夜な幽霊が出るという噂が。
美貌の歌手クリスチーヌは、代役で栄えあるオペラの主役を務めたのち、壁から聞こえるふしぎな声に導かれて、地下室へ向かう。そこで待っていたのは、奇妙な仮面の男だった。

好奇心から男の仮面を外してしまったクリスチーヌの驚き。醜い素顔を見られて失望する怪人。怪人は自分への愛を失わないという条件付きで、彼女を地上へ返してくれるが…。

恋人と逃げようとするも、ふたたび地下に拘束されるクリスチーヌ。
しかし、最後は怪人が群衆に殺されるという結末を迎えます。
「ノートルダムのせむし男」はまだしも報われる終わり方ですが、こういう醜悪な人物は悲惨な末路が用意されてしまうのですかね。

監督はルパート・ジュリアン。
主演は、怪奇映画のスターとして名高いロン・チェイニー。
原作はフランスの作家ガストン・ルルーの同名小説(1909年)。

なお「オペラ座の怪人」は1916年のドイツ製のサイレント映画を皮切りとして、過去に八度映画化されています。
その最新版となる2004年作「オペラ座の怪人」が、本日、金曜ロードーショーでオンエアされるらしいので楽しみにしています。フィギュアスケートGPシリーズ2010年のGPファイナルで優勝を飾ったカナダのパトリック・チャン選手(フィギュアスケートGPシリーズ2010 グランプリファイナル(二))のプログラム曲としても知られていますよね。

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