陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「モダン・タイムス」

2010-08-10 | 映画──ファンタジー・コメディ
私にとってチャールズ・チャップリンといえば、1936年の「モダン・タイムス」
たしか中学か高校の社会の教科書で、近代化された労働で歯車にされ、交換可能な部品のように扱われる人間の悲哀を描いたものとして記憶していました。
今回、すべて実見しまして、その印象がまったくくつがえることはなかったのですが。単に工場労働者の悲嘆をユーモラスに明るみにしているだけでなく、それなりにロマンスもあるようで。

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大工場の単調な機会作業のせいで精神異常をきたし、解雇されてしまったチャーリー。
退院して街歩きをすれば、デモの首謀者として逮捕される。手柄をたてて上質の監獄を与えられるも、無実がわかって放免。再就職しても、すぐ解雇されてしまう。
食べ物を盗んで逮捕された少女に倣って、自分も無銭飲食し入獄。しかし、少女と図って脱獄。

ふたりは家を持つためにまじめに働こうとするが、チャーリーは百貨店の夜警の仕事でも濡れ衣をかぶせられ、またしても投獄。そして恋人の方は、キャバレーの踊り子になっていたり。

いつの時代も、身寄りのない男女が生きていくのは、辛い世の中であるといえますね。
この「モダン」という時代の、とある貧しい労働者の生き様は、哲学的に「ポストモダン」だとか「コンテンポラリー」と呼ばれる現代にあっても、そう大して変わらない。
変わったのは、人間を巻き込もうとする機械の形状だけなんでしょう。

しかし、チャップリン演じる小男はつくづく運がないというか、お人好しで災難をかぶりやすい性格のようですね。

モダン・タイムス(1936) - goo 映画

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