私は普段は書店買いが多いです。
どうしても買えない、取り寄せに時間がかかりそうな本のみネット購入します。ネット購入のほうがポイントついてお得感ありますが、コンビニ受取ですと本屋で買った気がしないのと、書店特有の領収書が出ないので経費処理するときややめんどくさいからです。
私の身近でもここ数年で書店がかなり消えました。
いわゆる個人経営の書店はほぼ一軒のみで、あとは大型書店のみ。ショックだったのは、紀伊国屋書店が入っていた県中心部の百貨店が来年にも閉店してしまうことが決定されたこと。紀伊国屋は別の自治体にもあるのですが、品ぞろえがいい駅近の大型書店がなくなってしまうのは残念無念です。
私は受験生の頃、志望の国立大学の赤本がなくて、県内のあちこちの書店に電話をかけ、自転車で2時間かかりそうな書店でやっと入手した覚えがあります。
学校やビジネス街の近く、交通のアクセスの要所、商業施設にある書店は貴重です。消えてほしくない。しかし、地方の人口減少と出版不況は厳しい。
読書週間を前に読売新聞のおこなった世論調査(2019年10月27日発表、有権者18歳以上3000人対象)では、紙本を買う場合でもいまだ根強くリアル書店を支持する声が多いとの結果が出ています。
実際の書店75パーセントに対し、オンライン購入は11パーセント。実店舗を好むのは、自宅から気軽に行ける場所に本屋があったほうがいいが82パーセント。その理由としては、「本を手にとって選びたい」が65パーセント、「気軽に本を買えるから」は54パーセント。
書店に通うのは週1回でも10パーセントおり、総じて月イチ通いが54パーセントを数えます。ただし、50歳代以下では5年前の7割に比べると、5割以下に低下し、若い世代ほどリアル書店から遠のいていると。
書店での滞在時間は、平均30分ほど。
この一箇月で本を読んだ人は平均47パーセント。60歳代が半数越え、視力が弱くなる70歳以上と働きざかり子育て世代の30歳代が40パーセント弱。10代20代の若い世代は5割近くまで読書週間が根付いています。若い世代は小説を書いたりする人が多いからでしょうか。ただし、20歳30歳の若手6割が毎月読書していた20年ほど前の調査にくべると若者の読書離れは進んでいる模様。
調査結果をもとにすれば、書店がなくなることに危機感を覚えている読者は多い。
出版業界にとっては希望ですが、課題でもあります。読者は豊富な品揃えを求めつつあるが、大規模書店はどれも似たり寄ったり。身近にある小さな書店は個性的な選書で勝負をしようとしていますが、資本力としては厳しい。飲食やイベント運営で収益をあげているところもあるとか。
しかし、本が売れない、本を求める場所づくりは書店だけの問題でしょうか?
書店のみならず、作家、出版社、読者それぞれが暮らしに根付いた読書文化維持のために努力が欠かせないのではないではないでしょうか。
読者にできることは身近な書店でなるべく買い支えること。出版社は売りやすそうな似た本ばかり濫造しないこと。読者は飽きやすいですし、本を見限ります。そして、作家さんや編集者は殿様商売気分で自著自作の宣伝ばかりではなく、地方の魅力的な書店を訪れて販売戦略に加担するなど、足で稼いで工夫してほしい、読者が何を求めているかくみ取ってほしいことですね。作家どうしや編集といがみ合ったりする内ゲバ状態がネット上で見られるのは、一般人からしたら見苦しいものです。近年、大学生協スタッフなど現場の目利き書店員さんが選書した本のリストはかなり読み応えがあります。正直、へたライターもどきや学者さんが書いた偏見に満ちた読書ガイド本よりもまともな本が揃っているのでお勧めです。
出版不況で街場の書店が廃業つづきでも、暮らしの身近に本がある環境を望む読者は多い。インターネット普及時代でも、地方の買い物難民ならぬ読書難民を救う手立てが必要かもしれませんね。地方は所得が低い人が多いので、搬送費がかかるのはわかりますが、本の価格を抑えてもらう、地方書店のみ値引き売りができるなどの優遇策があったら嬉しいです。
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。