陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

漫画喫茶にはあまりお世話になったことがなかった

2022-12-10 | 読書論・出版・本と雑誌の感想

漫画は読書のうちに入らない、図書館や書店と違って漫画を読む場所は読書をする領域ではないというご意見もあろうかと思います。が、あえて、このシリーズ記事に含めることにします。なにをいまさら、読書シリーズですでに漫画関連の記事を書いているのにね。

漫画喫茶ってよく通いますか?
いまですと、ネットカフェといった方がふさわしいかもしれませんが。今回の漫画喫茶というのは、古めかしい座席の多そうな喫茶店で、棚にコミックスを大量に置いていたようなお店も含むことにします。地方で軽食がおいしくて定評がある喫茶店は、けっこう古めの少年漫画や少女漫画などがいまだに置いてあったりもします。昭和の遺産なのか、インベーダーゲームの台がそのままテーブルになっていたりもします。気心がしれた家族や友人ならいいですが、はじめて知り合ったひととか、職場のひとに連れて行ってもらった場合は、棚の漫画に興味があっても手にしづらいものですよね。

私はネットカフェふくめて漫画喫茶をあまり利用したことがないです。
まず理由の第一に、いまの自治体近くにはまったくないこと。交通費をかけてまで行くのならば、すぐ買った方がましです。時間当たりの利用料を払っても読むのが遅くて、落ち着いて読めないこと。他の人に借りだされていて読めないかもしれないこと。本が汚れているかもしれないこと。自分が汚してしまいかねないこと。そもそも、漫画を読まれている姿を誰かに見られたくないし、よほど暇をもて余していない限りは、飲食しながら本を読みたくはないのです。

じつは10年ほど前、そこそこ都会に住んでいたときには、駅前近くにすぐネットカフェがありまして試しに利用してみたことがあります。お目当ての漫画の文庫本がありましたが、時間に急かされてじっくり読めず、絵の構図を味わったり、ストーリーの妙を深く考えたりする余裕がまったくなくて、なんだかもったいない感じがしました。

一時的にネット環境がなかったときや、旅先でのホテルがとれなかったときに一夜の宿として利用したこともありますが、貴重品の管理が不安なので眠れなくて居心地が悪かったですね。その当時はとにかく円高不況で不景気どん底でしたから、ネットカフェ難民なんて言葉もありまして、あの薄暗い店内の雰囲気がとにかく気味が悪かったですね。しかし、都会の図書館にはホームレスとおぼしき方もたくさん出入りされていましたので、ネットカフェも図書館もあまり大差はないのかもしれません。書庫ができるぐらいスペースが広くて、懐に余裕があれば図書館もいらないですからね。

ネットにしても、よそのPCからメールを見たりするのは、なんとなく怖かったですし。
いまは持ち運びしやすいスマホがあるせいで、ネットカフェには縁がないです。しかし、あまり知り合いがいないような旅先では、ふらっとはいった喫茶店では「ふだんは読めないような」漫画をこっそり読んでみたいなという気持ちもありますので、昔ながらの個人経営のこじゃれた感じの漫画喫茶は残っていてほしいなとも思っていたりもします。海外旅行好きで読書が好きなひとって、日本の書物がなにもないような場所に行ったときに、耐えられなくなったりしないのでしょうか。私は日本語の文字が一日たりとも読めないような暮らしはまず無理ですね。

田舎では古い喫茶店が廃屋になっていて、なかに本棚があって、荷物置き場にされているのをよく見かけますね。学生街や若い単身者が多い都会でない限り、こうした娯楽のお店は少なくなっていくものなのですね。



読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。


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