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枚方演劇連絡会ニュースより運営委員によるコラム 業務連絡 

今回は、隔月発行の枚方演劇連絡会ニュースに連載が始まった加盟各劇団のけいこ場を演出家松浦がリポートするコラム「業務連絡」をお送りいたします。


運営委員によるコラム 業務連絡

 枚方なぎさ高校演劇部の稽古場

「幕が上がる」(ももいろクローバーZ主演、本広克行監督)を見て以来、興味を持った高校演劇の世界。
私たちの枚方市市政アドバイザーの平田オリザ氏が原作ということもあって見ましたが、青春のあの楽しさと演劇を創り始めたあの感激を思い出させてくれました。
でも、本物はもっともっと面白い。

枚方なぎさ高校は京阪御殿山駅からほど近い、淀川沿いにある緑多い高校で、統合前の磯島高校時代に全国大会出場という伝説を持つ、演劇部。
実は私自身2011年夏に「per/sec」という作品を演劇部と共作した創造性あふれるクラブだ。

今日は無理通しをするらしいが、まずは基礎練と呼ばれるストレッチから始まった稽古場。
一万一、一万二・・・と一人ずつカウントを交代していきます。発声も兼ねているのかも。二人組になってやるストレッチは身体硬い人には若干辛そうだがむしろ楽しそう。
こうやってみんなで何かやるだけでも楽しいよね。クラブって感じがします。うちの稽古場だととりあえず20分は各自のアップですませちゃうからなあ。
筋トレもまあまずしないから、こうやってクラブとしてやってくれると助かります。我が家のワンダーコアはクモの巣が張りかけ・・・。
次は発声でブレスコントロールの練習から。息を吸うのと吐くのをこれも交代でカウントしていきます。これも人が代わると微妙にその長さが変わるので、人数がいるからこその醍醐味だと思います。
自分だけだとちょっと甘くなりますしね、自分に。みんなで一斉に声出しをするのもよいなあ、と。合唱する時の気持ちよさがありますよね、アンサンブルというか。
時折起こる笑い声が楽しい。ちょっと一緒にやりたくなります。

5分ほど休憩ののち、通し稽古準備とスタッフ会議。そして通し開始の時間が始まると各スタッフから連絡と気合のこもった言葉が入ります。
音響さんから「まだこれとこの音は入らないが、この音は準備している」、制作から「がんばりましょう!」などです。
こういうやりとりを聞いていると、高校のクラブというよりも本当に劇場の現場にいるかのように感じます。こういうところは仕事の練習のような気もして不思議なクラブだなって感じます。
何よりも今日は部長がお休みらしく、一人抜けた状態にもかかわらず、てきぱきと和やかに楽しげに進んでいるのが素敵です。こういう集団はいい作品を創るはず!

演目は第三舞台の鴻上尚史さんの「エゴ・サーチ」。
これは鴻上さんが若手の役者と始めた虚構の劇団の第五回目と九回目の公演です。
実は沖縄の妖精キジムナーを演じた小沢道成君は京都でけっこう親しく知っていて、YOUTUBEで楽しく演じている姿は見ていたのでそれをこの集団がどう作るか期待大です。
誰もがネットで一度はやったことがあるかもしれない、自分の名前を検索するエゴ・サーチ。
自分と同姓同名、ある時点までは自分と同じ経歴の人物のブログがあって・・・。
プロミスのCMにでてくるような路上シンガーたちや編集者も入り乱れ、沖縄のキジムナーも絡む二転三転の物語は、鴻上さんたち自体、二度もやっているという面白さ保証付きです。

さて、いよいよ通しです。演出の声が響きます、「それではいきます、よーい、ハイっ!」

演劇ユニットYOU企画 松浦 友

枚方なぎさ高校演劇部次回公演「エゴ・サーチ」 作:鴻上尚史 演出:星山成美 7/24(金)18;30開演 @シアトリカル應典院
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