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V:Virtue

美徳です。
えっとお思いでしょうが、一応演出に戻るつもりです。

ディズニーの名作「眠れる森の美女」のなかで、美女を助けるために魔女との戦いに赴く王子に渡されるのが、真実の剣と美徳の盾です。
最近、これが欲しい状況に、とある公的捜査機関内で思いました。

「人身事故にしたら、点数引かれて罰金を払わないといけなくなりますよ。」と言う彼らに、
「いやいや、僕は怪我しているんですから事実を曲げて報告したくないし、もし万一僕が悪くて交通法規を破っていたのなら甘んじて罰は受けますよ」と言っているのに。
何故だか物損にしたがる。

「じゃあ送検するし検察官に会って取調べしてきてもらって」
「望むところです。」
「普通はこういったら10人中10人が、ぶっ損でいいって言うけどな。点数だけは引かんといてって。」
「引かれなあかんことしたんやったら、引かれるべきでしょう。」

おい、正直は美徳じゃないんかい。
被害者の側に立ち、厳罰に処そうとする処罰感情があるのなら、その逆で自分が罰される側に立った時の覚悟は定めておくべきだし、ルールを破ったなら罰則を受けるべきだろう。
そうでなければ誰もルールを守らなくなる。

何故事故が起こったのか、今後起こらないようにするために、そのために捜査が必要だろう。
本当に真実の剣と美徳の盾を彼らにプレゼントしたい。

と、いうように僕はわりと美徳を愛するつもりです。一応。
不完全な生き物なので、いろいろと失敗はしますが。気持ちだけ。

よく芸術や表現の世界では、悪徳を知らないといけない、とか人間の悪の側面や負の側面をも描かなくてはいけない、とか言われますけど、そうか?とも思います。

以前書いたかもしれませんが、僕の演出作品ではタバコは基本的に使いません。
タバコを吸うのが当たり前であったり、かっこよかったりするようにとられる表現は世界や社会に対して生み出したくないのです。

でも、恐らく、タバコの害について描く作品ならば、それは描かなくてはならないでしょう。
多分そういう脚本を扱うなら、僕は迷わず吸うシーンを作り、その害について描くでしょう。

要は立ち位置なんでしょうねえ。

今度演じる特攻隊というのも、自分の信念とは反します。
「チェロとケチャップ」も同棲(ぼくは反対)後の話なので、実は一瞬迷いました。
妹にも見て欲しいし。

でも、結局は別れているわけで。
そのためのコミュニケーションが、何よりも必要なんだな、と描いていけばよいのかと。

もちろん美徳を押し付けがましく描く作品は嫌だ。
でも、好んで悪徳や暴虐や残虐を描く必要はないと思う。

悪を称える作品だけは作りたくない。
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