「solitudeー孤独ー」見れなかったけども共有しよう!シリーズ連載です。
ちなみに、12月12日15:00に上演した回を、下記webページで配信しています。
レンタル動画として視聴券1000円にて、販売しております。
お見逃しになった方は、ぜひご覧ください。
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=64620&
今回は、「あずき粒」出演の山本さんインタビューです。
・初演時に好評を博した『あずき粒』ですが、再演にあたって変化した点、もしくは変わらない点を教えてください。
僕たちの劇団の舞台づくりにおいて大事にしていることは、戯曲のせりふの解釈を徹底的に議論することです。登場人物のせりふ一つひとつに向きあい、自分たちとは違う歴史、環境、習慣、その中で生み出されるストーリーを読み解いていきます。この言葉は、どういう思いで登場人物から出た言葉なのか、言葉の意味を解き明かしていく作業は、再演といえども変わっていません。
一人芝居ですので、今回は演出の松浦と2人で、戯曲の解釈を、ああだこうだと言いながら、読み進めますが、台本を読むほどに、分かってくることもありますし、また、その逆もあります。深みにはまって抜けられないような状態ですね(笑)。
私が演じる『あずき粒』の原作は、1960年「北海道新聞」などに発表された、洗練された短編を得意とする作家、山川方夫の『お守り』です。時代としては、次々に「団地」が誕生した戦後日本の高度成長期を背景に書かれ、その後、海外にも紹介されました。硬派で社会的な側面を持っており、初演時は、そういう面に大きく焦点があたった舞台づくりを行いました。今回、あらためて解釈を深めていくと、意外と主人公の妻を思う気持ちがクローズアップされてきています。さてさて、どういう舞台が立ち上がるか、僕たち自身も楽しみにしています。
・公演を楽しみにされている皆様へ一言
今回、YOU-PROJECTがお送りするのは、一人芝居の二本立てです。一人芝居は、言うまでもなく、舞台に立つ俳優にとっては、いつもの舞台と比較し緊張感の度合が違うように思います。
が、実は、観ていただく皆様にとっても、いつもと違う緊張感があるのではないでしょうか。
観客にとって、一人舞台に立つ俳優は、いわば、頼みの綱なのかもしれません。たった一人の演者に対し、芝居で何を見せてくれるのだろう、舞台上、どんなことが起こるのだろうと求めるのですから。その舞台の良し悪しは、一人の役者にかかっている。これは、いわば、結婚相手を決めるぐらいの緊張感かもしれません(笑)。
そして、その舞台が、ほんとうに、今の自分にピッタリきたならば、これほど幸福なことはありません。役者と一心同体、あるいは一種の共犯関係のようなものです。
自分の連れ添いたい伴侶が、舞台の上にいた。そんな劇場体験を味わっていただければと思っています。
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