「solitudeー孤独ー」見れなかったけども共有しよう!シリーズ連載です。
ちなみに、12月12日15:00に上演した回を、下記webページで配信しています。
レンタル動画として視聴券1000円にて、販売しております。
お見逃しになった方は、ぜひご覧ください。
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=64620&
今回は、「あずき粒」演出のインタビューです。
・今回、YOU-PROJECTの劇団公演として一人芝居を上演するに至った経緯を教えていただけますか。
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当初、今年6月に4人の俳優が出演する岸田國士作「温室の前」を上演予定でしたが、コロナ禍の状況を踏まえて中止しました。一人芝居ならオンラインで本読み・読み合わせができますし、立ち稽古に至っても演出と俳優の距離に気をつけ、感染対策を実施しながら安全を確保できるというのが一つの理由でした。
山本周主演の「あずき粒」は“小説を演劇化する”というコンセプトで2019年に上演しており、再演の機会を探していましたが、単独ではちょっと短すぎますし、他にも一人芝居を・・・と思っていたところ、小川敦子主演の「七転罵倒」を発見してオファーし実現しました。出演俳優は一人と言っても、上演に際し照明・音響・制作など多数のスタッフと、作品を見てくださるお客様がいないと成立しない舞台芸術は、このコロナ禍で孤独を考えるのに最適の素材です。この他に一人芝居を三本準備しており、各地への出前公演も考えています。
・松浦さんからみた、山本さん、小川さん両名のそれぞれの魅力を教えてください。
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二人とも、確固としたご自分の世界観をお持ちで、だからこそ一人で稽古をすることができる探求心と粘り強さをお持ちです。私なんか、今回自分用にも一人芝居台本を書いたものの、1回しかまだ稽古してないです。
小川さんの魅力は、やはりその身体性から生み出されてくる揺るぎない声だと思います。演出するときによく「セリフが聞こえて来る、来ない」という言い方をするのですが、小川さんのセリフは単なる内面の発露ではなくて、観ている側にも‘刺さる‘言葉だな、と思います。一度客観的なフィルターを通した自作の台本だからこその部分と、振付られた身体と訓練された声とがあいまってそうなっているのだと思います。
山本さんは、一緒にやった二回目の公演で、1分半ほど背中だけの演技をしてもらったことがありました。哀愁がにじみ出てくるんですよね。いわゆるユーモアとペーソスを併せ持つ稀有な役者さんで、僕は、まだまだ彼の良さを引き出し切れていないと思います。またこれだけ回数を重ねても、まだまだ引き出しがあって、何度でも違う演技を生み出せる独創性と、どんな無茶な指示であってもシーンを成立させてしまう柔軟さはピカ一です。
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