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Y:Yesterday

Y:Yesterday

名曲もありましたし、かなりの数の人がこの英単語だけは覚えているんじゃないでしょうか。

昨日、です。

僕はよく台本を読んでシーンを創る準備をするときに、この人は昨日何をしていたのだろう、と考えます。

演出の勉強のために読んだハリウッドの女優さんの本の中に、役柄の人生の目的やそのシーンでの目的を決める、ということが書かれてい

ました。そうすると演技が明快になっていくというわけです。

例えば、AがBに「おはよう」というシーンでも、Aの人生の目的が幸福な結婚でBが異性ならば、そのシーンでの目的は、Bに声を掛けて、Bに関する情報を引き出す、ということになります。
逆に、Bが上司でAの人生の目的が仕事で出世することであれば、シーンでの目的は気に入られたい、ということになります。

いずれにせよ、このように考えていくことによって、なんでもないシーンに動きが生まれます。
「好きにさせる」「情報を引き出す」など相手に働きかけることによってシーンが動いていきます。

そのことの応用で、昨日この人何していたんだろうな、と。
なんだかそれを考えると、その人が身近に感じられてくるのです。

また、僕はアンハッピーエンドな物語を観たり読んだりすると、小さな頃からどうすればハッピーエンドになったのだろう、と考えていま

した。原因を突き止めて、そこで違う行動を取ればよかったんだ、と。
それを考え終わるまでは寝られませんでした。
タイタニックでジャックが死なないためには、どうしておかなければならなかったのか。
何パターンも考えましたね。実際三回観に行きましたし。

自分がそういう状況にあったらどう行動するべきか。ともに生き残るためにはどうすればよいのか、むちゃくちゃ考えました。

それが高じて、引越しの忙しいさなかにあっても、考えたい失敗があるといったんフリーズして考え抜いてしまうのです。
どう行動すればよかったのか。

でも、そういうシミュレーションの成果が、演出をするときの「昨日を考える」ことに活きているんじゃないかと思っています。
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