《以下引用》
「社員の心のケアなどに配置されている産業カウンセラーの約8割が、社員の職場でのいじめに関する相談を受けていることが、日本産業カウンセラー協会のアンケートで分かった。弁護士などが実施する労働相談でも、ここ数年いじめに関する相談が急増しており、大人の世界でもいじめは深刻化していることをうかがわせている。同協会が、資格を持って活動している全国100人の産業カウンセラーにアンケート調査を実施、74人から回答を得た。その結果、職場でのいじめで相談などを受けた人は約8割(59人)に上った。内容(複数回答)は、セクシュアル・パワーハラスメント(40人)▽人間関係の対立(32人)▽能力が低いといじめる(25人)▽ノルマ未達成でのいじめ(18人)――などだった。中には仕事ができることをねたまれてのいじめや、退職に追い込むため仕事を与えないなどのいじめもあった」(2月18日『毎日新聞』)《引用ここまで》
セクハラは、子供社会では時に女の子へのいじめにつながり、人間関係の対立は、自分の本心はいわず、相手を簡単に批判する、といった子供社会の風潮にマッチする。能力が低いは、これも子供社会でもいじめに直結し、ノルマ未達成もいじめに直結する。
大人社会でのいじめの原因には、コミュニケーション能力の欠如、人権感覚の低下、といった個人の意識を挙げる回答と、成果主義の失敗、過重労働を強いるシステムといった会社の働かせ方を理由に挙げる回答が多かった、というが、基本にあるのは、格差社会であり、競争原理のみが珍重される社会にある。
これからを担うべき子供たちが生きている社会は、正直非健全な社会であり、いじめの構造を潜在的に温存していくか、更に増長していく社会だということが、社員へのアンケート結果から読み取れる。
否応なく日本の社会、なかんずく会社社会は、能力主義にあり、能力のないものは切り捨てていくという格差社会となった。自分を守ることだけでも大変、という状況は、相手のことを思いやったり、弱者を思いやるゆとりもない。嘆かわしいことだが、日本は人間関係が崩れていく途上に立っている。
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