Re-Set by yoshioka ko

■沖縄から(その9)

 沖縄エピソードを最後にまとめておきたい。沖縄のテレビ局から放送される仕事を初めてやった。復帰35年目の今年の5月15日に放送されるドキュメンタリー特番だが、放送されるまでには、企画、取材、撮影、編集、そして音付け(MA)などが必要だが、東京のキー局での作業は、編集、音付けはそれぞれ専門化されたスタッフによって行われる。

 今回沖縄で経験したことは、ドキュメンタリーの基本とでもいえるものだった。撮り貯めたテープの編集には撮影者であるカメラマンが担当し、本編集まで行う。音付けという作業では、アフレコ(吹き替え)をお願いしたのは、記者やデスク、それに業務担当といった局の方々だった。また音楽など効果音は、私や今回一緒に仕事をしていただいた記者が選曲した。

 ひょっとすると、どの地方局でも同じようなやり方をしているのかも知れない。予算との関わりがそうさせるに違いないが、もうひとつ発見したことは、手作りの面白さ、である。アフレコではすっかり役柄になりきってしまう人や、プロ並みの力を持ってる人などがいて、芸達者なところを見せてくれた。

 ナレーションはさすが専門だけあってはまり役だったが、ひとつの番組にみんなが集中してくれたことは本当に助かった。決して多くはない局員たちが、日々のニュースや業務をこなさなければならない忙しさの合間を縫って関わってくれたことに感謝しながら、もうひとつの番組作りの楽しさを感じた日々だった。

 明日は帰京。
(「沖縄から」は今日で終了します) 

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