《以下引用》
「連合の高木剛会長は5日の記者会見で、一定年収以上の会社員を労働時間規制から外し、残業代をなくすホワイトカラー・エグゼンプションについて「賛成できない。反対の論陣を強く張っていく」と述べ、法案提出に向けた厚生労働省の動きを牽制(けんせい)した。与党内からも慎重論が出始めていることもあり、法案成立阻止のため、「いろんな方々にこれから訴えていく」と語った」(1月5日『朝日新聞』)《引用ここまで》
ホワイトカラー・エグゼンプション、というのは、これまで労働基準法で定められてきた一日8時間、週40時間という労働時間規制を全て取っ払い、これからは成果に応じて給料も決めていこう、とするものである。
仕事によっては、成果主義で給料を決めていくことの方が合理的な場合もある。しかし全ての職種に渡ってこのような制度を導入したら、いったいどうなるのか?しかも厚労省や経団連の考えのなかには、一定の給料水準をクリアした人たち、つまり年収でいえば1千万円以上と最初はいっていたが、今では年収水準は曖昧にしたままだ。
もしこの法案が通れば、残業代は一切付かなくなる。そればかりか、「成果」によって給料が決められるわけだから、「成果」に届かないと判断されれば、これまでのように給料に反映した残業代は付かず、「成果」が出るまでは働かざるを得ない。そうなればどうなるか?答えはいうまでもない。
年功序列、終身雇用という日本的な経営が全て良かった、とは言えないにしても、小泉改革から始まったアメリカ式の《新自由主義》的な、競争を原理とした経済活動の弊害は、いま至るところで出ている。そこに、致命的な結果をもたらすであろうホワイトカラー・エグゼンプションなどという制度を持ち込んだとしたら、働くことの意味がすっかり変わってしまうような大変化が起きる。
いい変化であれば、問題はない。しかし、制度の導入によって、過労死が増えたり、自殺者が増えるようであれば何のための改革なのか、が問われる。ここはしっかりと論議して欲しいものである。拙速は害をもたらすだけである。
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