私がまだまだ幼かったころ、〈ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー〉という地名の入ったビールのコマーシャル・ソングだかなんだか、そんな語呂合わせのような音楽を聴いた記憶があった。
長じて、ミュンヘンにも行ったし、そこでは確かにビールが有名で嗜んだものだった。サッポロはいうに及ばない日本のビールの名産地である。残されたミルウォーキーもそのはずである、とずっと思っていて、この地名を記憶してきた。
そんな話を同行している友人に話したら、そんなことは初めて聞いた、といぶかしがった。ちょっと自信をなくしたのだが、だが記憶というものは、時に鮮明である。そこでこの地に滞在中に、この地ではいったい何が特産品なのかをまず聞いてみて、それでビールだ、という答えを得たならば、〈ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー〉というコマーシャル・ソングだかは確かだった、ということになる。今に見ておれ、の心境だった。
今日、取材でお会いした地元の機械エンジニアに、一杯飲みながらその話を振ってみた。つまり、ご当地ミルウォーキーの特産はなんぞや、と。そしたら間髪を入れず出てきた答えが「ビール」だった。ミラーというビールの工場があるのは実際に確認できたし、エンジニアは、そのほかバッドワイザーや何とか何とかもみんなそうだ、といって銘柄をあげたが、もはや私にとってはどうでも良かった。
子供のころ記憶していたあの〈ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー〉というコマーシャル・ソングは、サッポロのビールを宣伝するためだったとはいえ、そこにミュンヘンとともにミルウォーキーも使われたのだ。
どうでもいい話ではあるが、友人はなにげに驚き、ビールの名産地のここで地元生産のミラーを一緒に飲んだ。軽やかな、してやったりの味だった。
そしてもうひとつ、ミルウォーキーから車で二時間あまり走った田舎町レッドグラナイト(Redgranite)では、アメリカのいまを象徴する出来事として、親と子の「絆」を本当に考えさせられる話を聞いた。近々この欄で報告します。
明日は「狩り」に行く予定。
最新の画像もっと見る
最近の「雑感」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事