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■「検証・韓国反米感情の深層」 第十一回

 『検証・韓国反米感情の深層』の第十一回。

■北朝鮮を「利する?」韓国の対北政策
 盧武鉉政権が掲げる対北朝鮮政策の名前は〈平和繁栄政策〉である。金大中政権の「太陽政策」の精神を引き継ぎながら、新味は4つの原則を掲げたことだ。

 ○全ての懸案は対話を通じて解決する。
 ○相互の信頼を優先し、互恵主義を実践する。
 ○南北当事者原則を基礎に、円滑な国際協力を追求する。
 ○対内・対外ともに透明性を高め、国民の参加を拡大し、超党派の協力を得る。

 アメリカとすれば、すでにブッシュ政権によって〈悪の枢軸〉と名指しされる北朝鮮である。核開発を巡る疑惑、北朝鮮公民に対する人権問題、それに独裁といった非民主的手法による統治など、アメリカにとってはすぐにでも崩壊させてしまいたい政権でもある。

 だが韓国とすれば、アフガニスタンやイラクに示したように、簡単に武力を使われてはたまらない。アメリカにとっては北朝鮮も〈テロとの戦争〉の一環かも知れないが、韓国にとっては実際に国民や国土が被害を受けるかも知れず、そうでなくても避難民が押し寄せるかも知れず、北朝鮮崩壊は悪夢そのものなのだ。そうなれば残された選択は対話しかない。

 単独行動主義に走るブッシュ政権の〈悪の枢軸〉政策とは距離を置きながら、分断当事国として対話路線に活路を見いだそうとする韓国。さらに突き進んでこれからは冷戦時代の陣営外交から脱皮し、韓国は北東アジアの平和と安定に向け、日米と中露北との間に立ったバランサー(調整)役を担う、とまでいい切る。

 わかりやすくいえば、アメリカとの同盟関係は維持しながらも、アメリカが北朝鮮に攻撃を仕掛けたときには、その間に立ってバランサーの役割をする、というのだ。果たしてアメリカが納得するものかどうか。

 一方、ブッシュ政権は、アメリカに敵対する国家には武力による解決を選択してきた。そのアメリカから見れば、同盟関係を根底から揺るがしかねないバランサー論を展開する韓国は、本当に信頼に値する国なのか、疑念は深まるばかりである。

 脱北者たちで組織する脱北者同志会の洪淳敬会長は、同盟関係を結びながら一方でバランサー論をいうことは矛盾だ、という。そして北朝鮮側は、韓国外交は見物しているだけでいいからこんなに楽なことはない、と思っているはずだ、と懸念する。つまり韓国の北朝鮮政策は、北朝鮮の思い通りに進んでいるというわけだ。

 「なぜか。北朝鮮の基本統一戦略は第一に韓国とアメリカの仲間割れ政策、つまりアメリカ軍を撤退させるために韓国内に反米の感情を起こすことです。アメリカ軍が撤退すれば統一は韓国の親北朝鮮勢力とやればいいからです。北朝鮮が掲げる民族共助というのは民主主義による統一ではなく、あくまで北朝鮮独裁体制による統一です。その意味では女子中学生事件をテコに反米感情を煽る、このアメリカ軍撤退に向けた戦略は成功しようとしているのです」(続く)

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