しかしその一方で、やはり指導力不足、というべきなのだろう。国の安全という根幹をなす部署での人事抗争のことである。
《以下引用》
「防衛省の次官人事をめぐって小池防衛相と守屋武昌防衛次官が対立している問題は15日、首相官邸を巻き込んで余震が続いた。安倍首相は同日、記者団に「現在の状況は、大臣がしっかり統率していかねばならない」と述べ、同省内の混乱を憂慮する姿勢を示した。小池氏は同日の閣議後の記者会見で、「(省内の)士気の低下を懸念している。早く決めた方が国民を守る責務が果たせる」と述べた。人事の決定が27日予定の内閣改造後に先送りされたことに強い不満を示したものだ。小池氏はさらに「私は何も手順を間違えていない」とも述べ、人事手続きに問題はないと強調した(8月15日『読売新聞』)
人事は大臣の所管、というころから考えれば、小池防衛相のやり方は間違ってはいない。一次官が人事に不満だといって楯を突く、ということは普通、官僚の世界ではあってはならない事態ではある。
それにしてもである。進退問題については一度は必ず本人に打診があって然るべきではある。携帯に電話したが繋がらなかった、というのが防衛相の言い分で、さらに守谷次官は、携帯に出ないなどというのは次官としての危機管理が出来ていない、とまで皮肉られる始末だが、要は、大人のケンカにしては情けない。
官邸は、次官人事は官房長官と副長官の所管と、小池防衛相の独断に不満噴出とのことだが、問題は続投宣言をした安倍首相の姿勢だ。官邸、防衛省だけではなく、自衛隊という制服組の士気にも大きな影響を与えかねないこの人事抗争に、最高指揮官の首相が内閣改造まで静観を決め込んだことだ。
日本のシビリアンコントロールにも大いに関係する今度の混乱事態に、首相が表に出なくてどうするのだ。本当に分かっていない人物ではある。こうしてまた一歩、辞任に近づくのだろう。
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