
武道とスポーツの違いについて興味深い記事がありましたので紹介します。(月刊「武道」2013.9から「武道で脳を活性化しよう(上)」より)(東邦大学医学部生理学 有田秀穂教授)
スポーツ(西洋)は、1 勝ち負けで判断、2 科学的トレーニング法(サイエンス)、3 高額の報酬 に対し、
武道(日本)は、1 勝ち負けだけでは判断しない、2 鍛錬で自分を磨く(丹田呼吸法、惻隠の情)、3 金銭に換算されない、等々について対談形式で解り易く語られています。
特に、五輪種目にもなり明らかにスポーツ化した「柔道」界の昨今の不祥事を顧みれば、武道の原点に回帰することが再生へのヒントになることに気付きます。
スポ―ツは、勝てなくなれば引退、マスターズなどを除き、競技やトレーニングも終了となります。
武道は、段級位制があり一生涯探究できる。自分自身の心・技・体の向上を目指す。この奥深さが日本武道の特徴です。
スポーツは、ドーパミン神経を活性化させ、意欲、渇望、勝敗を重視します。報酬、金銭、地位などでモチベーションが高まります。
武道は、セロトニン神経を活性化させ、丹田呼吸法、四股踏みなど単純なリズム運動を集中して繰返すと、前頭前野、直感・共感脳を刺激し、他者に対する敬愛・礼節、惻隠の情、品格が醸成されます。すなわち、心身を一体として鍛え、無意識的な直感を徹底的に鍛え上げます。なお、丹田呼吸法で脳内のセロトニン神経を活性化させるところは「座禅」も同様です。
以上