Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

電子投票 近時の動向 ジュネーブ州の州民投票

2011年07月17日 | 選挙制度
スイスの26あるカントン(州、準州)のひとつであるジュネーブ州で、2011年5月15日の州民投票でインターネット投票が行われた。
スイスではこれまでもインターネット投票が実施されてきたが、カントン全体でインターネット投票を実施したのは初めてとのことである。今回は、在外投票の票のうち46.5パーセントがインターネット投票を利用した。またジュネーブ州の州民投票では複数日に投票可能であるが、インターネット投票は最終日に集中した。
http://www.ge.ch/chancellerie/communiques/2011/20110519.asp

ジュネーブ州では、2009年2月8日の州民投票で、インターネット投票の導入を許容する州憲法改正案が可決されている。

州憲法48条 レファレンダム
2 選挙人は、投票所においてもしくは郵送によって、または法律の定める場合は電子的手段によって、投票することができる。
http://www.ge.ch/legislation/rsg/f/s/rsg_a2_00.html

インターネット投票の導入を法的に許容したのは、スイスのカントンの中では、バーゼル・シュタット(Basel Stadt)準州に続いて2例目となる。

デモサイトで実際の投票の方法を確認することができた。
http://www.geneve.ch/evoting/english/welcome.asp
本人確認は、事前に郵送される投票カードに記載されている投票者番号と、4桁の数字4列(合計16桁)からなるPINを入力させることで行っているようだ。なりすまし、二重投票は刑法279条から283条に違反し、処罰の対象となる。投票の最後に、誕生日と出身州を入力することで、本人確認の徹底を図っている。
デモサイトの場合は州民投票なので、投票の方法は、提案されているレファレンダムの案件について、「Yes」または「No」のチェックボタンをクリックして賛否の意思表示を行うというものである。
インターネット投票のサイトはこちら。
https://www.evote-ch.ch/
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