4月7日に、情報ネットワーク法学会個人情報保護研究会主催「日本のプライバシー・個人情報保護とマネージメントシステムの国際標準化シンポジウム」の第2回が開催され、総合司会を務めました。
今回のテーマは「日本は国際標準化にどう対応すべきか」で、プライバシー保護についての国際標準を策定しようという動きがある中で、それにどう対応するべきかが討論されました。
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この問題は論点が非常に多いのですが、議論を聞きながら法律学の観点から感じた点をいくつか挙げると、まず肝心のプライバシーの概念の内容を明確にしないままでその保護の国際標準化が本当にできるのだろうかということ。プライバシーの概念は、国によってもかなり違いがあり、アメリカのように女性が人工妊娠中絶をすることを選択する権利まで含めている国もあれば、イギリスのように比較的に保護が薄い国もあります。これらの違いをソフト・ローで「標準」化できるものかどうか。
さらに、上記の点を踏まえると、ソフト・ローによる標準化は、最低基準としてのミニマムなものを定めるべきなのか、それともハード・ローにおける内容が統一されていないからこそソフト・ローではあえて高次の水準を定め、それを遵守すればどの国のハード・ローにも抵触しない、というような内容とするべきなのかも議論されましたが、パネリストの皆さん方の意見もこの点については異なっているようでした。
それにしても、学部生のころ受講した清水英生先生の「憲法I」ではプライバシーのことをかなり触れておられた記憶がありますが、その頃のプライバシー問題というのはもっぱら対国家、対マスメディアの問題であり、情報通信事業者、データ事業者、情報処理事業者がここまで大きな影響力を持ちうるようになるとは到底想像できませんでした。
私の想像力の乏しさといえばそれまでですが、プライバシーは精神的権利の問題から国家主権の問題(膨大なデータを収集している巨大な企業には国家権力ですらなかなか統制が及びません)に発展しつつあると感じます。
今回のテーマは「日本は国際標準化にどう対応すべきか」で、プライバシー保護についての国際標準を策定しようという動きがある中で、それにどう対応するべきかが討論されました。
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この問題は論点が非常に多いのですが、議論を聞きながら法律学の観点から感じた点をいくつか挙げると、まず肝心のプライバシーの概念の内容を明確にしないままでその保護の国際標準化が本当にできるのだろうかということ。プライバシーの概念は、国によってもかなり違いがあり、アメリカのように女性が人工妊娠中絶をすることを選択する権利まで含めている国もあれば、イギリスのように比較的に保護が薄い国もあります。これらの違いをソフト・ローで「標準」化できるものかどうか。
さらに、上記の点を踏まえると、ソフト・ローによる標準化は、最低基準としてのミニマムなものを定めるべきなのか、それともハード・ローにおける内容が統一されていないからこそソフト・ローではあえて高次の水準を定め、それを遵守すればどの国のハード・ローにも抵触しない、というような内容とするべきなのかも議論されましたが、パネリストの皆さん方の意見もこの点については異なっているようでした。
それにしても、学部生のころ受講した清水英生先生の「憲法I」ではプライバシーのことをかなり触れておられた記憶がありますが、その頃のプライバシー問題というのはもっぱら対国家、対マスメディアの問題であり、情報通信事業者、データ事業者、情報処理事業者がここまで大きな影響力を持ちうるようになるとは到底想像できませんでした。
私の想像力の乏しさといえばそれまでですが、プライバシーは精神的権利の問題から国家主権の問題(膨大なデータを収集している巨大な企業には国家権力ですらなかなか統制が及びません)に発展しつつあると感じます。