不熟につき

豊かな東北の四季などをつたない写真等で、ご紹介したいと思います。

秋の空始まる

2020-08-18 07:04:14 | 日記

臨 終   中原 中也


    
 秋空は鈍色(にびいろ)にして
 
 黒馬の瞳のひかり
       
   水涸(か)れて落つる百合花
 
   あゝ こころうつろなるかな
 

 
 神もなくしるべもなくて
      
 窓近く婦(をみな)の逝きぬ
      
   白き空盲(めし)ひてありて
 
   白き風冷たくありぬ
 

 
 窓際に髪を洗へば
 
 その腕の優しくありぬ
             
   朝の日は澪(こぼ)れてありぬ
 
   水の音したたりてゐぬ
 

 
 町々はさやぎてありぬ
 
 子等の声もつれてありぬ
 
   しかはあれ この魂はいかにとなるか?
 
   うすらぎて 空となるか?

 

「秋空は鈍色にして・・・」の鈍色(にびいろ)とはどんな色なのだろうか?

 「鈍色は、ほとんど黒に近い灰色に青を潜ませた. 鉄のように重苦しい色。 日本では古くから(平安時代には既に)喪の色、 凶事の色とされていたそうですよ。 寒色 」

 
 中原は愛する幼子を亡くしていた時期もあるので、こういう詩が生まれるのでしょうか。

弘前は20日まで送り火が焚かれます。 

虫たちの音がにぎやかになってきました。

 

この空は昨夕の雲の色です。

 

そしてこの空は今朝5時30分の、空の雲です。

 


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