さて、この前のつづき、佐藤睦さんの、タイガース武道館公演の記事のつづきです。わたし自身も思い出しながら書いてみます。
以下、
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マークは佐藤さんの記述、
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マークはわたしの個人的感想です。
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武道館公演、後方にも客席があるので、ステージがむき出しになって、空中に浮いてるようだ。歴史的な演奏は派手な爆竹も光線もなく、ふわりと始まった。メンバーがすっと楽器をかまえると、いきなりジュリーが歌い出した。
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確かにそうでした。意外なほど静かに始まったものね。衣装が黒だったから、よけいそういう印象かもしれないね。
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前半はカバー曲で、いかに彼らに馴染みの曲だったかがわかる演奏。バンド小僧たちだったんだな、と。
シンプルで特別な演出がないので、ロックのかっこよさが伝わる。
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そういえば、そうだった。いつオリジナルやるんだろうって思ってるうちに前半は終わったよね。でも、わたしにも耳馴染みの曲も多かったし、タイガースが洋楽をかなりやってたのは、いろんなところで聞いてたので、なるほどなぁと思ったっけ。
わたしのまわりは、いわゆるいつものファンって感じの人たちではなく、久しぶりに見に来たという感じの人が多いような雰囲気だったので、みんな少々戸惑ってるように思えたなぁ。
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ご挨拶。ジュリーの、「生きていくのに大変な時代に~」。凄い挨拶だと思った。ジュリーは、ひとつのバンドの一投石でも世界は変わることを思い出してほしい、と語っているのだと思った。タイガースが今夜ここに登場したのには意味があると。
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このご挨拶を最初に聞いたとき、わたし、ジュリーは何を言い出すのかとびっくりした。再結成といういわば、おめでたい舞台なのに、なんだかちょっと切なくて悲しい感じがしたんだもの。
若いときのタイガースが出てきたときも、日本はある意味大変な時代だったのではないのかな。高度経済成長時代でありながら、公害問題が噴出したり、学生運動があったり。
ジュリーは、その時代のことをチラッと思い出したのかもしれない。
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ロバートブラント、スティーブンタイラー、オジーオズポーンとジュリーは同じ年の生まれだが、
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タイム イズ オン マイ サイド
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を歌わせたらきっとジュリーがいちばんだと思う。
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また、わたしの知らない名前だった。
ロバートブラントは、レッド・ツェッペリンのボーカリスト、スティーブンタイラーは、エアロスミスのボーカリスト、オジーオズポーンはブラックサバスのボーカリストらしい。といっても、なんとかわかるのは、レッド・ツェッペリンくらいですけど。
こんなんだから、比べてどうこうはわからないのですけどね、でも音楽ライターとして、たくさんのミュージシャンに精通していらっしゃるであろう佐藤さんがそんな風に言ってくれるのだから、きっとジュリーがいちばんなんだろう
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あの、ジャンプがわたしは大好き
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そりゃあ、ちょっと太めかもしれないけど、あのジャンプ見てると、そんなことすっかり忘れちゃうんだもん。
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ジュリーの歌声はバンドのサウンド要であると同時に、バンドを飛ばせる魔法の粉でもあるのだ。歌声が伸びる瞬間、ステージでジャンプする瞬間、叫ぶ瞬間、この空間にいる誰もがジュリーに引き込まれる。
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わたしは、ジュリーファンだから、当然こう思うけど、ばりばりファンじゃない人でもそうだとしたら、うれしいな。
そういえば、わたしのまわりの人たち、たいてい言う。
外見は太っちゃったけど、あの歌声は変わらないね~とか、歌は相変わらずうまいね~って。
いわゆる、「ちょい好き」の人たちが引き込まれるとしたら、それはコンサート見てて、時間を忘れちゃうって感じかな。わたしでいえば、この前のポール・マッカートニーがそうだった。え、もう終わりなの?って感じだったもん。
いろいろ思い出したら、ジュリーの歌が聴きたくなってきた