「理想の人は町の中に」…漫画家・江口寿史さん「美人画」展に厳選450点
江口さんの作品を鑑賞する来場者(7月16日、盛岡市で)
人気漫画家の江口寿史さん(66)の作品展「江口寿史イラストレーション展 彼女」が盛岡市本宮の岩手県立美術館で行われている。45年にわたる画業の中から、えりすぐりの「現代美人画」約450点が会場を埋め尽くしている。
来場者の質問に答えながら作品を仕上げる江口さん
江口さんは1977年にデビューし、「ストップ!!ひばりくん!」などのコメディー漫画で知られる。80年代以降はイラストレーターとしても活躍し、現代を生きる女性の一コマを切り取った女性画などで高い評価を受けている。会場では江口さんが描いた雑誌の表紙、CDジャケット用に描かれた女性のイラストや下書きなどが展示されている。
7月16日は公開制作が行われ、江口さんが来場者の前で1メートル80四方のキャンバスに油性ペンで女性画を描いていった。江口さんはデビュー直後に手塚治虫さんにサインをねだり、「君たちも漫画家なんだから、もうサインをもらうのは終わりにしなさい」と諭された話を紹介。その後は好きな漫画家からサインをもらわないようにしていたが、「ちばてつやさんにだけはもらった」と笑いを誘った。
来場者から理想とする女性のイメージについて問われると、作品は日常生活の中から着想を得るとし、「常に理想の人が町の中におり、外を歩く時にはよく観察している」と話した。
作品展は9月4日まで。午前9時半~午後6時。観覧料は一般1200円、高校生・学生700円、小中学生500円。問い合わせは同館(019・658・1711)へ。