歯科医物語

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大腸がんの薬物療法

2023-02-11 00:09:35 | ☆医療・歯科(口腔外科)医療について
【大腸がんの薬物療法】臨床試験で8~9割の人ががん消失 医師「薬で治す時代がくるかも」〈dot.〉

がんの3大治療として手術、放射線治療にならぶ薬物療法。その進歩は目覚ましく、近年新しい薬が登場し、劇的に変化している。今回は、大腸がんの薬物療法の最新状況について、専門医を取材した。本記事は、2023年2月27日に発売予定の『手術数でわかる いい病院2023』で取材した医師の協力のもと作成し、お届けする。

 


 *  *  *  2022年に開かれた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、大腸がんの薬物療法に関して驚くべき臨床試験の結果が報告された。MSI-High(遺伝子の修復機能にかかわるが不安定になっている)タイプの大腸がんの患者に、新しい免疫チェックポイント阻害薬を投与したところ、8~9割の人でがんが消失したというのだ。  学会に出席していた愛知県がんセンター薬物療法部部長の室圭医師は、「まだ臨床研究の段階で、対象患者は非常に少ないのですが、もしかしたら一部の大腸がんでは、切除することなく薬で治す時代がくるかもしれません」と大きな期待を寄せる。 




 国立がん研究センターによると、わが国で大腸がんにかかる人は年間15万~16万人。男女とも2番目にかかる人が多いがんだ。早期発見であればほぼ治るがんといってもよく、それだけにがん検診(便潜血)の有用性が高いといえる。  大腸がんには大きく「結腸がん」と「直腸がん」に分かれ、治療法も若干異なる。ここでは結腸がんについて紹介する。  大腸がんの治療は、ごく早期なら内視鏡的治療が可能だ。進行しているものに対しては手術がおこなわれるが、最近は低侵襲の腹腔鏡手術が主流になっている。また、手術で切除した検体を調べて再発のリスクが高ければ、術後化学療法が実施される。 






 一方、再発や転移がんでは薬物療法がおこなわれるが、がんが切除可能な状態まで縮小したら、手術で切除することも選択肢の一つとして出てくる。  大腸がんの薬物療法は、大きく術後の再発予防のための「術後化学療法」と、がんの縮小効果を狙う「転移・再発がんの全身療法」の二つが挙げられる。室医師が解説する。





術後化学療法は、ステージIIの一部とIIIが対象となります。従来型のフッ化ピリミジン系の経口抗がん薬のカペシタビンやS‐1などを単剤で使う場合と、ユーエフティ+ユーゼル(フッ化ピリミジン系の経口抗がん薬)、オキサリプラチン+カペシタビン(CAPOX療法)、フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン(FOLFOX療法)などを併用して使う場合があります」  どの薬、あるいは薬の組み合わせを使うかは、再発リスクの大きさや患者の体力、副作用の兼ね合い、仕事の有無などを鑑みて総合的に判断して決めていだった



わたしは STAGEIIIb だった 化学療法を行った

抗がん剤の副作用と思われるものが結構ある

ちなみに生存率は40%だった






  続いて全身療法だが、大腸がんで飛躍的に進化したのはこちらのほうだ。 「遺伝子異常の有無を検査して、その結果に基づいた治療薬が使えるようになってきています。また、使える薬の種類も豊富で、標準治療は1次治療から5次治療まであります」と室医師。使える薬が豊富なことから、ほかのがんに比べても再発や転移がんで長期生存が可能だという。  全身療法では術後化学療法で使っている薬に加えて、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬なども戦力となっている。これらはBRAFやRAS、MSIといったドライバー遺伝子(がんの増殖に関係する特定の分子にかかわる遺伝子)に異常の有無があるかを事前に検査し、これらがあれば適応した薬を加えたり、単独で投与したりする。







  具体的には、MSI-Highなら免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブを、RASが野生型なら分子標的薬のセツキシマブやパニツムマブを1次治療として考慮し、BRAFに変異があれば2次治療として分子標的薬のエンコラフェニブ、セツキシマブの併用、あるいはこれらにビニメチニブを加えた3剤併用療法をおこなう。  さらに室医師によると、近年、治療につながる遺伝子異常が次々と見つかっているそうだ。その一つがHER2の増幅や高発現で、HER2陽性に使う分子標的薬のペルツズマブとトラスツズマブの併用療法を評価した臨床試験で有用性が認められた。これを受け、同薬剤の併用療法が2022年に承認された。





 このように、大腸がんではがんの遺伝子異常や特性に合った個別化医療が進みつつある。 「大腸がんの薬物療法は副作用対策も進化していて、今はすべて外来での治療が可能です。術後化学療法は仕事との両立はもちろんできますし、再発・転移がんの全身療法でも工夫をすれば可能です。何より生活あっての治療ですから、まわりと相談しながら両立させてほしいと思います」(室医師)
 
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