小説 ドラゴンクエスト4―導かれし者たち〈2〉 (ドラゴンクエストノベルズ)久美 沙織エニックスこのアイテムの詳細を見る |
さあやってきました、「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち ②」
前回は風景描写に伴う美しい文体にスポットを当ててみましたが、今回は巧みな
心理描写について解説していきたいと思います。解説と言うほど掘り下げていませ
んが、解説していきたいと思います。
ストーリーはですね、簡単に言ってしまうと、断片的な構成ものです。いずれパ
ーティーを組むことになる主要キャラたちの生い立ちやエピソードが続き、最後に
全員集合して魔王をやっつけようぜ、というのが大まかな流れになります。
注目していただきたいのがですね、まず主人公(勇者)が後半まで登場しないと
いうところです。じゃあ前半はどこを見てればいいのか、となるわけですが、なん
と今回のお話しは、一人の敵が中心となっているのです。
ほぼ主役と言っても過言ではない敵の名前は「ピサロ」。なんだか狙ったような
かっこいい名前ですね。私はゲーム版をプレイしていないので、原作はどんなも
のなのかはわかりませんが、だいたい同じであろうと思って進めますね。
まずピサロは、エルフの姫である「ロザリー」を誘拐します。なぜかは省略さ
せていただきますね。まぁ「敵だから」という解釈で間違いないでしょう。
そして次第に二人は恋に落ちるというお約束の展開が繰り広げられるわけです
よ。
この恋の行方はどうなってしまうのかが、この小説の一つの見所なのであります。
先生の美しい文体と相まって、何かの叙事詩のように紡がれていく二人の物語
は、感嘆のため息がもれてしまいますね。キャラへの愛が感じられます。
そして肝心の心理描写なのですが、これがなんというか、一言でいうと「人間く
さい」という感じでしょうか。実は前半は魔物同士会話が多いのですが、打算や妬
み辛みの感情が惜しげもなく描かれ、先生の物語を深く考察されてる姿に感服であ
ります。
なんだかどういう話なのかさっぱりわからないという方もいらっしゃるでしょ
う。
それはズバリ正解です。このストーリー構成だと、最終章まではただのプロロー
グになるので、全体像が見え始めるのは本当に最後の方なのです。
そんなわけで、私があーだこーだと力説をしたところで、
ふ~ん
となってしまうわけですが、あえて言わせてもらいますとですね、物語で感動する
わけではない、文章で感動するのだということです。そう、これは小説なのです。
いや、ストーリーは日本を代表するRPGだけあって十分な練り具合なのです
が、内容はファンタジーのため、淡々とした語り口では最後の重さが全然違うわけ
ですよ。
要は相乗効果ともいうべき現象が、ファンタジーに不可欠だと思うわけですよ。
自分でも何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが、まずは読んでみてい
ただきたいというのが正直な本音です。
では次の最後の巻で、物語を彩るキャラたちの簡単な紹介にてレビューを完結さ
せていただきますね。
ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち ①
ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち ②
ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち ③ 作成中
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