昨日のブログでは「陰の季節」の内容について触れられませんでしたので、
今日は、少しその内容を書いてみたいと思います。
でも、警察組織について余り知識がないので、
詳細は書けませんが、読み取った事についてささーっと書きます。
昨日紹介したように、4編からなるオムニバスです。
そして、舞台はD県警と言う事になっています。
第一話「陰の季節」
時期は定期人事異動が発表される頃の事です。
人事担当の二渡真治は、
D県警警務課が用意した天下り先「産業廃棄物不法投棄監視協会」
の専務理事におさまっている尾坂部道夫が三年の任期が終了するので、
この時退官予定の工藤部長をそのポストに天下りさせようと計画していました。
所が突然尾坂部専務理事が辞めないと言いだし、
二渡を始め、人事を担当する警務課は大騒ぎになります。
そこから、二渡と尾坂部の丁々発止の戦いが展開されて行きます。
二渡は、あの手この手で尾坂部が「辞めない」理由を探るのですが、
思うように情報を得る事ができません。
縦社会の厳しさ、横の繋がりの難しさなどを巧く表現していて、
わくわくしながら読みました。
心理描写・状況描写・予想・憶測・推理などをうまく使って、
書かれているのですが、ヘタすると本筋を見失いかける事がありました。
でも、さすが「横山秀夫」先生です。
とても面白かったです。
第二話「地の声」
警務部監察官の新堂隆義は、
『D県警監察課御中
Q警察署の生活安全課長は
パブ夢夢のママとできている
ホテル69で密会してる』
というタレコミの文書の真偽を捜査することになります。
科捜研に文書の調査を依頼したり、
内部捜査に部下で信頼の置けそうな「柳一樹」Q署刑事課の巡査部長を使うのですが、
それが正しかったのか、間違っていたのかが読み進んでいくと、見えてくるのです。
そして、この話の中にも新堂に絡んで「監察官の二渡」が顔を出します。
この話も、前作同様警察署の内部告発文書みたいな所があるストーリーで、結構楽しめます。
第三話「黒い線」
この話は婦警の話になります。
婦警担当係長の七尾友子は、部下の平野瑞穂巡査が無届け欠勤との知らせを受ける。
この平野巡査は彼女が描いた似顔絵が元で、
犯人逮捕と言う大手柄を立てて、喜んでいた翌日の欠勤なのでした。
友子(文中表現)は女子寮の彼女の部屋を調べに行くと、
部屋には香水の匂いが残っており、彼女のドレッサーの上に『シャネル19番』の小瓶を発見します。
寮母のトシ江に「平野は出勤の時、香水付けていましたか」と
たずねると「瑞穂ちゃん、香水なんかつけませんよ」と返ってきた。
男がいるのか?事件に巻き込まれたのか?
あるいは、自殺??
捜査していると、駅前の駐車場で彼女の赤い軽乗用車が発見されますが、
果たして彼女は・・・・。
と言うような話です。
この話と次の作品はこの本の為の書き下ろしらしいですが、
前二作と同様に警察の内部の「どろどろ」した所が描かれていると思います。
第四話「鞄」
警務部秘書課課長補佐で警部の柘植(つげ)正樹の職務は『議会対策』です。
彼は、県議会が始まる前に代表質問の内容を見て、
県警に関わる事を調べて、答弁書を作成しておく必要があります。
そこで、本会議場のある議会庁舎へ出向き、
事務局で職員から『九月定例県議会・一般質問要旨』と書かれた5枚綴りを
貰い受け、質問項目の欄に目を通し、警察に関する質問を手帳にメモして
質問するる県議の所を回って話を聞いて戻りました。
自分のデスクで答弁書を書いていると、
三崎県議から「鵜飼県議が爆弾持っているらしいぞ」という情報を貰います。
「爆弾」と言うのは、「爆弾発言」のことで、
内容が分からなければ答弁書が書けません。
答弁書が無いと議会で答弁に立つ本部長が答えられずに無様な姿を晒す事になり、
秘書課の不名誉にもなるのだそうです。
そこで、柘植はあの手この手で内容を探るのですが、どうしても得られないのです。
仕方なく、鵜飼県議の元に出向き「内容を教えて下さい」と土下座までしますが、
「明日、議場で会おう」とむげに断られてしまいます。
そして県議会の本会議が始まり・・・・・。
(ここの所がクライマックスになります)どうなって行くのでしょう????
「二渡真治」が、全四話に顔を出しますが、
この手法は東野圭吾の短編集「嘘をもうひとつだけ」でも使われています。
五話の全部に練馬警察署の「加賀恭一郎」が出て来ます。
ただ、この本と「嘘を~~」との違う所は、
この本では、「二渡」は顔を出すだけで直接事件(あるいは問題)を解決する訳ではないのに対して、
「嘘を~~」の「加賀」は直接事件を解決するという違いはありますけど・・・・。
この本は、大分多くの人が読んだらしく、
写真からお分かりになるように、かなりくたびれています。
でも、内容は変わって無いので(当たり前ですが)面白く読ませて頂きました。
今日は、少しその内容を書いてみたいと思います。
でも、警察組織について余り知識がないので、
詳細は書けませんが、読み取った事についてささーっと書きます。
昨日紹介したように、4編からなるオムニバスです。
そして、舞台はD県警と言う事になっています。
第一話「陰の季節」
時期は定期人事異動が発表される頃の事です。
人事担当の二渡真治は、
D県警警務課が用意した天下り先「産業廃棄物不法投棄監視協会」
の専務理事におさまっている尾坂部道夫が三年の任期が終了するので、
この時退官予定の工藤部長をそのポストに天下りさせようと計画していました。
所が突然尾坂部専務理事が辞めないと言いだし、
二渡を始め、人事を担当する警務課は大騒ぎになります。
そこから、二渡と尾坂部の丁々発止の戦いが展開されて行きます。
二渡は、あの手この手で尾坂部が「辞めない」理由を探るのですが、
思うように情報を得る事ができません。
縦社会の厳しさ、横の繋がりの難しさなどを巧く表現していて、
わくわくしながら読みました。
心理描写・状況描写・予想・憶測・推理などをうまく使って、
書かれているのですが、ヘタすると本筋を見失いかける事がありました。
でも、さすが「横山秀夫」先生です。
とても面白かったです。
第二話「地の声」
警務部監察官の新堂隆義は、
『D県警監察課御中
Q警察署の生活安全課長は
パブ夢夢のママとできている
ホテル69で密会してる』
というタレコミの文書の真偽を捜査することになります。
科捜研に文書の調査を依頼したり、
内部捜査に部下で信頼の置けそうな「柳一樹」Q署刑事課の巡査部長を使うのですが、
それが正しかったのか、間違っていたのかが読み進んでいくと、見えてくるのです。
そして、この話の中にも新堂に絡んで「監察官の二渡」が顔を出します。
この話も、前作同様警察署の内部告発文書みたいな所があるストーリーで、結構楽しめます。
第三話「黒い線」
この話は婦警の話になります。
婦警担当係長の七尾友子は、部下の平野瑞穂巡査が無届け欠勤との知らせを受ける。
この平野巡査は彼女が描いた似顔絵が元で、
犯人逮捕と言う大手柄を立てて、喜んでいた翌日の欠勤なのでした。
友子(文中表現)は女子寮の彼女の部屋を調べに行くと、
部屋には香水の匂いが残っており、彼女のドレッサーの上に『シャネル19番』の小瓶を発見します。
寮母のトシ江に「平野は出勤の時、香水付けていましたか」と
たずねると「瑞穂ちゃん、香水なんかつけませんよ」と返ってきた。
男がいるのか?事件に巻き込まれたのか?
あるいは、自殺??
捜査していると、駅前の駐車場で彼女の赤い軽乗用車が発見されますが、
果たして彼女は・・・・。
と言うような話です。
この話と次の作品はこの本の為の書き下ろしらしいですが、
前二作と同様に警察の内部の「どろどろ」した所が描かれていると思います。
第四話「鞄」
警務部秘書課課長補佐で警部の柘植(つげ)正樹の職務は『議会対策』です。
彼は、県議会が始まる前に代表質問の内容を見て、
県警に関わる事を調べて、答弁書を作成しておく必要があります。
そこで、本会議場のある議会庁舎へ出向き、
事務局で職員から『九月定例県議会・一般質問要旨』と書かれた5枚綴りを
貰い受け、質問項目の欄に目を通し、警察に関する質問を手帳にメモして
質問するる県議の所を回って話を聞いて戻りました。
自分のデスクで答弁書を書いていると、
三崎県議から「鵜飼県議が爆弾持っているらしいぞ」という情報を貰います。
「爆弾」と言うのは、「爆弾発言」のことで、
内容が分からなければ答弁書が書けません。
答弁書が無いと議会で答弁に立つ本部長が答えられずに無様な姿を晒す事になり、
秘書課の不名誉にもなるのだそうです。
そこで、柘植はあの手この手で内容を探るのですが、どうしても得られないのです。
仕方なく、鵜飼県議の元に出向き「内容を教えて下さい」と土下座までしますが、
「明日、議場で会おう」とむげに断られてしまいます。
そして県議会の本会議が始まり・・・・・。
(ここの所がクライマックスになります)どうなって行くのでしょう????
「二渡真治」が、全四話に顔を出しますが、
この手法は東野圭吾の短編集「嘘をもうひとつだけ」でも使われています。
五話の全部に練馬警察署の「加賀恭一郎」が出て来ます。
ただ、この本と「嘘を~~」との違う所は、
この本では、「二渡」は顔を出すだけで直接事件(あるいは問題)を解決する訳ではないのに対して、
「嘘を~~」の「加賀」は直接事件を解決するという違いはありますけど・・・・。
この本は、大分多くの人が読んだらしく、
写真からお分かりになるように、かなりくたびれています。
でも、内容は変わって無いので(当たり前ですが)面白く読ませて頂きました。