過去記事より
パトリック・チャンとの3戦でメンタルを研究
練習の取り組み変化で成長を実感
――それでは急成長の今季でしたが、まず一番手応えを感じている部分は?
やはり練習への取り組み方が変わったことです。シーズン前半のGPシリーズ2戦でパトリック・チャン選手に負けて悔しかった、というのがあります。特にフランス杯で、パトリックがパーフェクトな演技をした時は悔しかったです。自分の足りない部分を実感し、そこから練習の密度を濃くしました。あの時、練習に対する考え方をしっかりと明確に変えたんです。フリーの曲かけ練習も、それまでは1分や2分に切って滑り込んでいましたが、本番を想定して4分半通しで練習しました。曲かけ練習も、これまでの2倍くらいにしました。その成果は、五輪では発揮されなかったかもしれないけれど、あそこまで練習していなかったら、五輪であの演技にすらならなかったかもしれません。少なくとも自分の感覚として、今までと絶対に違うと言える完成度を感じていました。
――精神的にも成長しましたね。
やはりGPシリーズとグランプリファイナルの3戦で、パトリックと当たれたことで僕は成長しきれました。強くなろうとものすごく考えて、メンタルの本や理論書も読みましたし、その上で自分にあてはめて、試合をして、また自分のタイプを探して、というのを繰り返して五輪、世界選手権を迎えることができました。パトリックから学ぶというよりも、僕のスケートは僕のスケートなのでそこは曲げません。パトリックの前で自分がどうなるか、というのを学びました。
「カナダの時はその前のアメリカでの町田樹(たつき)選手の優勝を見て、プレッシャーや緊張感もあり、『パトリックに勝ちたい』という思いが強かったですね。その後、高橋大輔選手がNHK杯で優勝して、(総合ポイントの)上位をとるのが大変になったので、ファイナルを目指すというより、今できる自分のことに集中しようと思いました。
昨シーズンだったら、前半のふたつの大きなジャンプでミスをしていたら、気持ちが落ち込んでいたと思いますが、今回は演技の後半に落ち着いて修正できた。カナダからの2週間弱で、SPだけでなくフリーでも少しずつ完成度を高めていけていると思うので、次はファイナルに向けて、もっといいプログラムを作っていけるかなと思います」
さらにカナダ大会では、チャンが19歳で挑んだ2010年バンクーバー五輪の時の話も聞けたという。
「そういうことは演技終了後の記者会見の場でしか聞けないことだと思うし、ものすごく勉強になった。今シーズン、英語が少しずつわかるようになっているので、海外の選手の言葉にも耳を傾けられるようになった。そういう点で、すごく利点になっていると思います」
今季出場したGPシリーズで、世界王者のパトリック・チャンと同じ時間を過ごした羽生は、この2大会で、勝利すること以上の貴重な収穫を得たといえる。
メンタルを研究した2013年のカナダ杯。
結弦くんのスケートを
結弦くんのスケートらしく
学べた試合だったのですね。
英語も少しずつわかるようになって、
海外の選手の言葉にも耳を傾けるようになって、
この頃から曲かけ練習も2倍に増やしていたのですね。
私はずっと気になっていたことがあるのですが、
2015年のマダムタッソーの写真展のこの写真。
アイスリンク仙台さんにも
以前飾られていましたよね。
どうしてソチオリンピックの写真ではなく、
2013年のカナダ杯の写真なのか
ずっと気になっていたのです。
2015年の10月にアイスリンク仙台さんに行ったとき、受付の綺麗なお姉さんにも聞いたことがありました。
『羽生選手のパネルのお写真は、
羽生選手のお気に入りの写真なんですか?』
と伺ったら
『そうだと思いますよ』
と素敵な笑顔で教えていただいたのですが、
メンタルを鍛えることが出来て、
結弦くんが結弦くんらしく
スケートを滑ることが出来た
思い出深い試合だったからと
理由もあると思いますが、
結弦くんがこの写真を
気に入っている理由を
どなたかわかる方はいらっしゃいますか?
よかったら教えていただけるとうれしいです。
あと少しでカナダ杯ですね。
カナダ杯でも
結弦くんのとびきりの笑顔が
見られますように。
順調に練習が出来ていますように。
読んでいただいてありがとうございました。
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*画像は感謝してお借りしました。