ネタバレあります。
【羽生結弦、語る SP編(2)】求めた芸術性、見る者の「呼吸ができる場所」も考慮
【フィギュアスケート全日本選手権第1日 ( 2020年12月25日 長野市ビッグハット )】 男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)は103・53点で首位スタートとなった。演技後、オンライン取材でSPを振り返った
――4回転2本を振り返って。自分としての出来としては
「まあ、降りたんで、50%はいけるかな、と。ただ、まあ点数、実際細かいものを見ていないので、なんとも言えないんですけども、ただ、出来栄えとしては良かったものではないので。まあ、もうちょっと、う~ん、アップの仕方だったり、6分間練習の配分だったり、そういったもので工夫していければいいかなという風に今、思っています」
――久々のロックナンバー
「あの、正直言って、あの、歓声が聞こえないのはやっぱり残念でしたし、でも、たぶんテレビで見ている方々は、ネットとかで見てくださっている方々は、たぶん、すごい声を上げて応援してくださったんだろうなというものがなんとなく感じていたので、まあ、楽しみながらやらせていただきました」
――振り付けについて
「詳細を言うと、まず、最初にステップが送られてきてて。まあ、ステップの場所自体もちょっと反対になってたりとか。あとは音の取り方とか手の振りの仕方とか、まあ、自分がほとんど、アレンジが入っているものが多いです。あとは、ジャンプに関しても、一応このくらいのタイミングでやりたいというものを言っといて、で、そしたら、なんとなく、なんとなくジェフが、その、踊ってくれたものがあって。それを元に自分のタイミングだったら、もっとこうかなとか、いろいろ聞いたんですけど、全然返事が来なかったんで(笑い)自分で、はい、いろいろ振り付けて試行錯誤しながらやってきました」
――こだわった点は
「まあ、なんか“押し引き”みたいなものですかね。いろんなものを加えようとはしていて。ほんとにまあ、ある意味ほんと、全部、全部見どころみたいな感じにしようとか思っていたりとか。ただ、その中でやっぱジャンプとの兼ね合いだったりとか。あとは、まあ、みなさんが見ている中で、呼吸ができる場所、ほんとに心から乗り切れる、なんか、そういう芸術性みたいなものをちょっと考えながら、いろいろ振りを入れていきました」
――昔の自分の演技からアレンジ、引っ張ってきたりはあるのか
「自分の代名詞になるところみたいなものは、ハイライトになるようなところは、まあ引っ張ってきたりっていうものも、もちろんありましたけど。ただ、このやっぱりこのプログラムに対して、この音に対して、どういう風に振りをやっていくかっていうことをすごい大事にしていました」
【羽生結弦、語る SP編(1)】選曲理由「明るい曲の方が」
【フィギュアスケート全日本選手権第1日 ( 2020年12月25日 長野市ビッグハット )】 男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)は103・53点で首位スタートとなった。演技後、オンライン取材でSPを振り返った。
――滑り終えて
「まあ、正直いって、楽しむことはできたと思っているんですけど。まあ、点数的にはいい演技だったとは言えないような内容だと思うので。しっかり、修正しながら明日に向けて頑張りたいな、とっていうことが今の感想です」
――きょうの滑りで課題は
「とりあえずテクニカル全然伸ばし切れていないなっていうのと。あとはまあ、自分のジャンプって出来栄え取ってナンボのジャンプだと思うので。それがしっかりつけられなかったことは課題」
――会場入りした瞬間の感情は
「そういえば、声聞こえないんだなっていうようなことを感じたり。逆になんか、みなさんが今あの、新プログラムとか新しい衣装を見た時に、あの、かけてくださった声援だとか、そういうものを心の中で再生しながら、なんか応援を受け止めながら、なんか新しい応援の受け止め方をしていました」
――SPの衣装について
「まあ、僕があんまり言えたことではないですけど。ただ、やっぱり、ちょっとロックっつぽく。あの、まあ、ロビー・ウィリアムスさんの曲なんで、その方のイメージだとか、そういったものを取り入れるようにしました」
――曲への思い
「そもそもの選曲はジェフリー・バトルさんがやってくださって。最初、ピアノ曲を探していたんですけれども、なんか、なかなかその、ジェフリーさんもなかなかうまく決まっていなくて。で、それを何曲か、2、3曲渡された中でも、やっぱりなんか自分の中でしっくりくるものがなくて。で、ニュースだとか世の中の状況を見ている中で、やっぱりなんか明るい曲の方が、あの、せっかくみなさん、こんなつらい中でもこうやって、うん、自分のスケートを見てくださっているんだと思うので。そういう中でちょっとでも明るいような話題になったらな、と思いました」
――フリーに向けて
「まずはしっかりと回復させることが大事だと思います。ただ、すごくいい練習もしてきたと思いますし。まあ実際、点数出ていないですけど。ジャンプとしては、とりあえず降りてはいるので全部。しっかりとまた明日もまとまった演技をしたいなと思います」
ロックな羽生結弦「点数的にはいい演技とは…」320日ぶりノリノリ圧巻演技も
「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、ビッグハット)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、今季初戦となった五輪2連覇王者の羽生結弦(26)=ANA=は、SP103・53点をマークした。
初披露となったSP「レット・ミー・エンターテイン・ユー」。黒のライダースジャケット風の上着に、エナメル質な黒のパンツスタイルで登場。英国のスター歌手ロビー・ウィリアムスのアップテンポなロックナンバーに合わせ、力強い演技を見せた。腕を組んだポーズから演技を開始。4回転サルコー、4回転トーループ-3回転トーループ、トリプルアクセルとすべてのジャンプをしっかりと着氷させると、観客をあおる場面も。320日ぶりの勝負の銀盤で、健在ぶりを示した。
演技後は「まあ正直楽しむことはできたが、点数的にはいい演技だったといえない内容。まあとりあえずテクニカルを全然伸ばせてない。自分のジャンプは出来栄えとってなんぼなんで。修正しながら、明日に向けて頑張りたい」と、振り返った。
衣装については、ロビー・ウイリアムを意識したそうで「僕があんまりいえたことではないんですけど、ちょっとロックっぽく」。久々のロックナンバーに「ピアノ曲探していたんですけど、なんとか探したんですけど、世の中の状況をみている中でやっぱり明るい曲の方が、皆さん辛い中でもこうやって自分の演技をみていただいているので。明るい曲にしました」と、理由を明かした。
コロナ対策のため、観客に許されたのは拍手のみ。会場を一体にさせるロックナンバーだけに「正直、歓声が聞こえないのは残念だった」と話したが「テレビやネットでみてくださる方はきっと声をあげているんだろうなと感じていたので。そういったものを感じながら演技をしていました」と、明かした。
26日のフリーで5年ぶりの優勝を狙う。
羽生結弦、ロック曲でSP103・53点 黒衣装で5年ぶり頂点へ発進
【フィギュアスケート全日本選手権第1日 ( 2020年12月25日 長野市ビッグハット )】 男子ショートプログラムで14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(ANA)は103・53点だった。コロナ禍で今年2月9日の四大陸選手権フリー以来320日ぶりの演技。上下ブラックで金色のラメが入ったジャケット、光沢感のある革パンスタイルの衣装で、新曲「レット・ミー・エンターテイン・ユー」を実戦で初披露した。
英シンガーのロビー・ウィリアムスによるロックナンバー。4回転サルコ―、4―3回転の連続トーループ、3回転半の全てのジャンプを着氷した。ジャンプ、スピンの配置以外を決めたこだわりのプログラム。ステップシークエンスでは拍手をあおる動きを見せるなど激しく舞った。演技後は笑顔。右手で氷に触れた。
「何かわき上がるような感情があればうれしい」。そう語っていた羽生が会心の演技で発進した。フリーは26日。新曲の大河ドラマ「天と地と」で、5年ぶりの頂点を目指す。
読んでいただいてありがとうございました。