山上の手紙やツイートから思考過程を辿ればよくわかる。
たしかに、凡人で考えれば普通最も容易な憂さ晴らしをするなら第一に母親、そして協会関係者であろう。
しかし、彼の目的は教団そのものの破壊である。
となれば次は教団幹部に向かうはずだと思う。当然のことである。しかし、文鮮明の子孫や妻(今の総裁)はそこそこ数がおり、権力争いをしているわけである。
ではその文一族を全員始末することは可能かと考えるとこれはまた非現実的なわけである。
もし1人だけ、運良く幹部をやったとしても他の子孫がその座につくだけでなんら変わらない。いわば教団そのものは存続するわけである。
幹部への攻撃を断念するだけの頭が少なくとも彼にはある。普通凡人であれば、憎しみの直接的な対象を1人やってスッキリしたいところだが、彼の冷徹さは凡人のそれを凌駕している。
教団そのものへのダメージを考えた時、誰が最も良いのか彼は考え始める。そこで安倍元総理に行き着くわけである。このような思考過程がしっかりとある。そして彼の読み通り教団へのダメージはかなりのものとなっている。
これがもし、安倍氏でなかったら、教団の幹部だったら？おそらく一般国民はそこまでの興味を持たなかったであろうし、教団も子孫を新たなトップに据えてそれで終わりだった。
いずれにしろ、本人は全て分かった上でやっていたのだから、事件については法によって裁かれる以外なにもない。
やったことはよくないことだなどということは改めていうまでもないだろう。
この期に及んで信教の自由だのなんだの持ち出して統一協会擁護などしている人間は、教団による具体的な被害者のことをもう少し頭の片隅に置いた方がよい。