キリスト教vs.イスラム教(1)神々は戦争を望むのか
2010.12.23 龍馬をサポートするブログさん
21世紀最初の10年はテロと対テロ戦争の時代だった。
その背景にある、キリスト教文明とイスラム文明の衝突は解決の道筋が見えていない。
対立を乗り越えるために必要なパラダイムシフト(認識転換)と日本が負うべき役割とは?
対立の根源にある「神々の関係」を探りつつ「神々の和解」について考える。
(編集部・田中司、長華子、只木友祐)
PART 1 対テロ戦争はなぜ終わらない?
§1 広がる欧米とイスラムの感情的対立
米国民の70パーセントが反対──。9・11で崩壊したワールドトレードセンター(WTC)跡地である「グラウンド・ゼロ」の近くに、10年目となる2011年、あるイスラム教グループがモスク(礼拝施設)を含む13階建てのイスラム文化センターを建設するという計画が、2010年夏以降、米国で論争を呼んでいる。冒頭の数字は、その賛否を尋ねた世論調査の結果だ。
この件は中間選挙前の民主・共和両党の論戦でも取りざたされ、共和党のサラ・ペイリン氏がツイッターで「敵の勝利を許すものだ」と言い始めたことが反対論拡大のきっかけになったという。米タイム誌は、「WTCで亡くなった3千人近い人々の遺族の感情を逆なでする」という反対論者の声を紹介した。
一方、大西洋を隔てたドイツでは今、『ドイツが消える』というセンセーショナルな書名の本が、専門書でありながら発売3カ月で100万部超の大ベストセラーになっている。著者は元ドイツ連邦銀行理事のティロ・ザラツィン氏(65歳)だ。
ドイツはトルコ系を中心とする移民が年々増え、全人口の約20パーセントに及び、推計では移民の約4分の1(約400万人)がイスラム教徒である。「イスラム移民はドイツ社会への同化が進まず、ドイツの国力を引き下げている」と論じる同書の内容は、移民の捉え方が一面的かつ人種差別的だとして非難を浴び、ザラツィン氏は連銀理事を解任された。
だが、同書発売直後の世論調査では、「ドイツ社会に同化する意思がない移民には社会福祉を減らすべき」と答えた人が64パーセントに上った。生活習慣や信仰面で自分たちとは異質なイスラム移民に仕事を奪われ、国そのものまで奪われるのではという不安が、ドイツで広がっていることは否定できない。
● 神々の違いが対立を生む
このように、9・11テロから2010年までの9年間で、欧米とイスラム世界の感情的対立や衝突はなくならないどころか、むしろ広がる傾向にある(下図)。最大の衝突は、米国が01年11月から続け、今も終わりの見えないアフガニスタン戦争だ。
もちろん、イスラム教徒に対し冷静かつ寛容な姿勢でいる欧米人も少なくない。ニューヨーク市内で人材開発の仕事をしているアンドリュー・ベロン氏は、先のイスラム文化センター建設問題についてこう話す。
「この計画を妨害する動きは、アメリカの民主主義原理に対する侮辱だと思う。私は心の底から信教の自由を支持します。自分にとって得体の知れないものを怖がるのが人間の常ですから、米国内のキリスト教徒とムスリム(イスラム教徒)の間にある敵意を和らげて宗教の共存を図るためには、開かれた対話を進める努力こそ大切では」──。
そう、人は理性的に「分からない」ものに対しては、感情的に「嫌う」という反応をしがちだ。裏を返せば、欧米社会でムスリムへのネガティブな感情が消えないという事実は、イスラム教に対する欧米人の「理解」が進んでいないことを物語っている。そして両者の相互理解が難しい根本的理由は、キリスト教とイスラム教で「神の理解」に違いがあるからではないか。
本特集では、二つの宗教の歴史や対立点を示すとともに、神々に関する知識と関係性についても整理した。そこに、欧米とイスラム世界が互いを理解し合うための新たなプラットフォーム(共通基盤)が見えてくるはずだ。
PART 2 宗教融和の「千年王国」を拓け
§1 宗教戦争の根源はミカエルとムハンマドの対立
ここからは、幸福の科学が明らかにしている霊界情報を踏まえて、キリスト教とイスラム教の対立の根源に迫りたい。千年以上の戦争の歴史から、紛争のない「千年王国」への大転換は、そこからしか起こらないだろう。
9・11以降の対テロ戦争を率いる米ブッシュ大統領には一種異様な信念を感じさせるものがあった。リベラルで平和主義的論調の米誌「ザ・プログレッシブ」は、イラク戦争開戦前後のブッシュを「神の啓示に打たれた預言者」にたとえた。
この表現は、当たらずとも遠からずと言える。幸福の科学の霊査によれば、対テロ戦争におけるブッシュは、神そのものではなく、霊界の天使長ミカエルから霊的指導を受けていた。
ミカエルはキリスト教系の大天使として知られる。だが、旧約聖書の『ダニエル書』10章に、ミカエルがペルシア(イラン)の天使長と戦ったという記述があるように、もともとはユダヤ教の戦闘神として悪魔や他宗教の天使と戦う存在である。
ミカエルは現在もイスラエルの守護神であり、パレスチナ問題などでイスラム側と戦っている。ブッシュも信奉しているアメリカのキリスト教右派は、宗教的理由からイスラエル国家を強く後押ししている(23ページの表参照)。このため、ミカエルがアメリカを、対イスラム戦で仲間に引き入れた形だ。
● 霊界のムハンマドは「イスラエルを消したい」
このミカエルと戦うほぼ同格のカウンターパートとして、イスラム側を霊界から指導しているのが、ほかならぬイスラムの開祖ムハンマド。その意図は大川隆法総裁の最新刊『救世の法』第4章で明かされている。大川総裁がコンタクトをとって訊ねると(注1)、ムハンマドの霊はこう答えた。
「イスラエルを地上から消したい。混乱のもとである、あの国があり続けるかぎり、延々と戦いが続くので、地上から消してしまいたい」
さらにムハンマドは、キリスト教国に対するイスラム過激派のテロにも、自分が一枚噛んでいることを認めた。
ミカエルもムハンマドも共に高級霊であり、どちらかが悪魔というわけではない。だが、両者の対立には十字軍以前からの二千年におよぶ長いカルマ(業、因縁)がある上、天上界でも宗教間の対立や競争があり、どちらが文明を進歩させることができるかを切磋琢磨している。
そこに、地上の人間の認識不足も加わり、現在もユダヤ・キリスト教連合対イスラム世界というかたちで争っている。これがパレスチナ問題やイスラムによるテロ、対テロ戦争の霊的背景だ(詳しくは『救世の法』『世界紛争の真実』〈注2〉参照)。
● 前出のウマルさんは言う。
「ハッピー・サイエンスが明かしている驚くべき真実がいろいろな地域に広がっていけば、世界で生じている紛争を乗り越えることができると思います」
地球神エル・カンターレへの共通信仰と、人類普遍の教えである「幸福の原理」が、宗教が融和する平和な「千年王国」を拓くためのプラットフォームとなるだろう。
その背景にある、キリスト教文明とイスラム文明の衝突は解決の道筋が見えていない。
対立を乗り越えるために必要なパラダイムシフト(認識転換)と日本が負うべき役割とは?
対立の根源にある「神々の関係」を探りつつ「神々の和解」について考える。
(編集部・田中司、長華子、只木友祐)
PART 1 対テロ戦争はなぜ終わらない?
§1 広がる欧米とイスラムの感情的対立
米国民の70パーセントが反対──。9・11で崩壊したワールドトレードセンター(WTC)跡地である「グラウンド・ゼロ」の近くに、10年目となる2011年、あるイスラム教グループがモスク(礼拝施設)を含む13階建てのイスラム文化センターを建設するという計画が、2010年夏以降、米国で論争を呼んでいる。冒頭の数字は、その賛否を尋ねた世論調査の結果だ。
この件は中間選挙前の民主・共和両党の論戦でも取りざたされ、共和党のサラ・ペイリン氏がツイッターで「敵の勝利を許すものだ」と言い始めたことが反対論拡大のきっかけになったという。米タイム誌は、「WTCで亡くなった3千人近い人々の遺族の感情を逆なでする」という反対論者の声を紹介した。
一方、大西洋を隔てたドイツでは今、『ドイツが消える』というセンセーショナルな書名の本が、専門書でありながら発売3カ月で100万部超の大ベストセラーになっている。著者は元ドイツ連邦銀行理事のティロ・ザラツィン氏(65歳)だ。
ドイツはトルコ系を中心とする移民が年々増え、全人口の約20パーセントに及び、推計では移民の約4分の1(約400万人)がイスラム教徒である。「イスラム移民はドイツ社会への同化が進まず、ドイツの国力を引き下げている」と論じる同書の内容は、移民の捉え方が一面的かつ人種差別的だとして非難を浴び、ザラツィン氏は連銀理事を解任された。
だが、同書発売直後の世論調査では、「ドイツ社会に同化する意思がない移民には社会福祉を減らすべき」と答えた人が64パーセントに上った。生活習慣や信仰面で自分たちとは異質なイスラム移民に仕事を奪われ、国そのものまで奪われるのではという不安が、ドイツで広がっていることは否定できない。
● 神々の違いが対立を生む
このように、9・11テロから2010年までの9年間で、欧米とイスラム世界の感情的対立や衝突はなくならないどころか、むしろ広がる傾向にある(下図)。最大の衝突は、米国が01年11月から続け、今も終わりの見えないアフガニスタン戦争だ。
もちろん、イスラム教徒に対し冷静かつ寛容な姿勢でいる欧米人も少なくない。ニューヨーク市内で人材開発の仕事をしているアンドリュー・ベロン氏は、先のイスラム文化センター建設問題についてこう話す。
「この計画を妨害する動きは、アメリカの民主主義原理に対する侮辱だと思う。私は心の底から信教の自由を支持します。自分にとって得体の知れないものを怖がるのが人間の常ですから、米国内のキリスト教徒とムスリム(イスラム教徒)の間にある敵意を和らげて宗教の共存を図るためには、開かれた対話を進める努力こそ大切では」──。
そう、人は理性的に「分からない」ものに対しては、感情的に「嫌う」という反応をしがちだ。裏を返せば、欧米社会でムスリムへのネガティブな感情が消えないという事実は、イスラム教に対する欧米人の「理解」が進んでいないことを物語っている。そして両者の相互理解が難しい根本的理由は、キリスト教とイスラム教で「神の理解」に違いがあるからではないか。
本特集では、二つの宗教の歴史や対立点を示すとともに、神々に関する知識と関係性についても整理した。そこに、欧米とイスラム世界が互いを理解し合うための新たなプラットフォーム(共通基盤)が見えてくるはずだ。
PART 2 宗教融和の「千年王国」を拓け
§1 宗教戦争の根源はミカエルとムハンマドの対立
ここからは、幸福の科学が明らかにしている霊界情報を踏まえて、キリスト教とイスラム教の対立の根源に迫りたい。千年以上の戦争の歴史から、紛争のない「千年王国」への大転換は、そこからしか起こらないだろう。
9・11以降の対テロ戦争を率いる米ブッシュ大統領には一種異様な信念を感じさせるものがあった。リベラルで平和主義的論調の米誌「ザ・プログレッシブ」は、イラク戦争開戦前後のブッシュを「神の啓示に打たれた預言者」にたとえた。
この表現は、当たらずとも遠からずと言える。幸福の科学の霊査によれば、対テロ戦争におけるブッシュは、神そのものではなく、霊界の天使長ミカエルから霊的指導を受けていた。
ミカエルはキリスト教系の大天使として知られる。だが、旧約聖書の『ダニエル書』10章に、ミカエルがペルシア(イラン)の天使長と戦ったという記述があるように、もともとはユダヤ教の戦闘神として悪魔や他宗教の天使と戦う存在である。
ミカエルは現在もイスラエルの守護神であり、パレスチナ問題などでイスラム側と戦っている。ブッシュも信奉しているアメリカのキリスト教右派は、宗教的理由からイスラエル国家を強く後押ししている(23ページの表参照)。このため、ミカエルがアメリカを、対イスラム戦で仲間に引き入れた形だ。
● 霊界のムハンマドは「イスラエルを消したい」
このミカエルと戦うほぼ同格のカウンターパートとして、イスラム側を霊界から指導しているのが、ほかならぬイスラムの開祖ムハンマド。その意図は大川隆法総裁の最新刊『救世の法』第4章で明かされている。大川総裁がコンタクトをとって訊ねると(注1)、ムハンマドの霊はこう答えた。
「イスラエルを地上から消したい。混乱のもとである、あの国があり続けるかぎり、延々と戦いが続くので、地上から消してしまいたい」
さらにムハンマドは、キリスト教国に対するイスラム過激派のテロにも、自分が一枚噛んでいることを認めた。
ミカエルもムハンマドも共に高級霊であり、どちらかが悪魔というわけではない。だが、両者の対立には十字軍以前からの二千年におよぶ長いカルマ(業、因縁)がある上、天上界でも宗教間の対立や競争があり、どちらが文明を進歩させることができるかを切磋琢磨している。
そこに、地上の人間の認識不足も加わり、現在もユダヤ・キリスト教連合対イスラム世界というかたちで争っている。これがパレスチナ問題やイスラムによるテロ、対テロ戦争の霊的背景だ(詳しくは『救世の法』『世界紛争の真実』〈注2〉参照)。
● 前出のウマルさんは言う。
「ハッピー・サイエンスが明かしている驚くべき真実がいろいろな地域に広がっていけば、世界で生じている紛争を乗り越えることができると思います」
地球神エル・カンターレへの共通信仰と、人類普遍の教えである「幸福の原理」が、宗教が融和する平和な「千年王国」を拓くためのプラットフォームとなるだろう。