DonkeyMの部屋

Donkeyはロバ。格好良くなく、足も遅い。「のろま」とか「馬鹿」といった意味。日々の感動、怒り、愚痴等を記事にしたい。

アメリカに「古き良き時代」はあったのか? ~ (1)

2020-06-13 09:48:27 | 雑感

アメリカでは、連日のように黒人に対する警察の人種差別的な対応に抗議のデモが繰り返されている。それも、新型コロナウイルス感染が広がる中、感染の危険を顧みずに、正しく三密の集会を繰り返している忌々しき出来事だ。そもそもアメリカの人種差別は、コロンブスのアメリカ大陸発見のころから始まる。新天地を求めて、ヨーロッパの人たちはアメリカに殺到した。そんな中、金持ちの白人が肥沃な土地を独占して、プランテーションを開いた。安価な労働力を得るため、年季が開けたら土地がもらえるという謳い文句に騙されて貧乏白人は、アメリカに渡った。しかし、年季が開けても、与えられた土地は西部の痩せた土地ばかりだ。そのうちに、奴隷商人が大量の黒人を運び、売り込んだ。そういう時代背景の中で生まれたのが、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」という小説だった。この小説は映画化され、それが今、爆発的に売れているというのだ。
 人種差別を熱狂的に支持している白人の中に、果たして「古き良き時代」はあったのか?黒人が輸入され、賃金は安く抑えられる。アメリカに渡った多くの白人は生活は悲惨に追いやられた。そこにあるのは、一山当てれば、大金を手にできて、裕福な生活を享受できる。いわゆるアメリカンドリームだ。しかし、その幸運に恵まれるのは、一握りの人だけで、多くは貧困のままだ。ただ、自分たちは奴隷ではないという思いだけだ。自分は奴隷ではなく、自由人だという幻想だけなのだ。この歴史は、三百年以上続いているのだ。南北戦争で、エイブラハム・リンカーンがゲチスバーグの戦いの後に行った、有名な演説から、もう百五十年も経っているというのに、貧乏白人の意識は何一つ変わっていない。
 アメリカは発展し、多くの人がアメリカンドリームを夢みて、新天地を求めて移住した。一握りの成功者と多くの貧困と飢餓に苦しむ民衆という構図は変わっていないのだ。
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