高齢化社会の生き方・見せ方

テレビの放送で、孫と祖父ほどの年齢差があるように見える、公的に選ばれた役職者同士の討論を聞いていました。
若い人が、高齢者の言葉尻を取り上げて強調して、何度も同じような質問を繰り返します。
すると高齢者は、的の外れた返答を「一生懸命に」「真面目に」繰り返します。

高齢者の返答に少しでも言葉の間違いが有りますと、「皆さん聞きましたか？」と言わんばかりに、「こんなことも知らないのか」という指摘を繰り返します。
若い人としては、経験豊富な高齢者であっても、公職者としていかに不適格者かということを露見させたい思惑が有ったと想像します。

その目的を若い人が達成したようにも視聴者には見えて、若い人なりに信念に基づいた仕事をされたと思います。公職者としての、当然の討論をされたことでしょう。
ただ、このテレビを見ていた女性が言いましたことは、
「おじいちゃん、可哀想に」
でした。

つまり、討論の内容がどんなに正当でも、一般の庶民が見る側の心理とは、内容など聞いていないのです。それよりも、

・　まるで学校のイジメと同じだ。
・　高齢者が、おちょくられている。
・　高齢化社会に、優しくない。

このような「後味の悪いものを見た」という感じだけが、テレビを見る側の周囲では残っていました。
これから国民の約三分の一が高齢者に向かう時代が来ようとしています。
視点を変えますと、高齢者層に向けた大きな起業が成り立つ時代とも言えます。
高齢者は、最大の貯金者層でも有る訳です。

つまり、会社に勤務する現役世代にも、上記の様子は良い教訓です。
最先端のIT関連でも、高齢者層に関するものを開発する。
商売でも、高齢者を意識した味付け、商品、中身を忘れない。
そして、高齢者に対する従業員や会社の態度です。
人口の三分の一とは、巨大な購買者層です。忘れては生けません。

高齢者に対する対応が悪いと、周囲の誰が見ているのか、聞いているか、これに注意が必要です。
悪い印象とは、何の分野においても、良い印象よりも広がりやすいものです。

上記の討論の件では、そのような高齢者役員の上司が、任命した責任が問われるかも知れません。
でも現実には、見ている側の庶民には、問い詰める側が何か分が悪い印象を残しているのが実際です。
そうなりますと、高齢者を任命した上司は、「そこまで読んでいたのか？」
とも言えそうです。

もし、読んでいたならば、老子級の策士とも言えそうです、笑。
弱者が勝つ。
まさにこれを、見ている側の庶民に実現して見せたとも言えそうです。
これからの社会の難しい一面を見た思いです。

ただ、高齢者が一生懸命に、最後の奉公の覚悟で、くじけずに真面目に返答する姿は良いものでした。
高齢でも、手を震わせながらも一生懸命にする姿は美しいものです。

以上の話は、質問された若い公職者や、返答する側を高齢者と表現して揶揄するつもりは一切ありません。
あくまでも、これからの社会の縮図を見た思いの、個人的な感想でした。

生かして頂いて 有り難う御座います

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