現状を「心の」天国にしない限り、どこに逃げても地獄なのです。

宮沢賢治は、童話作品「銀河鉄道の夜」の中で、「幸福の意味」について重要な示唆を残しています。

（１）「真の幸福に至るのであれば、それまでの悲しみはエピソードに過ぎない」

（２）「何がしあわせか、分からないです。
本当にどんなに辛いことでも、それが正しい道を進む中の出来事なら、峠の上りも下りもみんな本当の幸せに近づく一足づつですから」　（以上、「銀河鉄道の夜」より）

私達が、人生における「途中経過」を不幸だと思い込んでいる可能性について指摘されています。
これを言い換えますと、上の２つの言葉は、

（１）「結果オーライ」「終わり良ければ全て良し」

（２）・「人間 万事塞翁が馬」 (にんげん ばんじさいおうがうま)
　　　　私たちの何が、幸いに・不幸に、転じるのかは未知なのです。

　　　・「自分の良心に沿った上での苦労ならば、すべての苦労は真の幸福に近付く」

このように言い換えることが出来ると感じます。
でも（１）の場合ならば、

・「コノ世で良い結果に成らない場合は、それまでの苦労はムダ？」
・「生きている内に、最後は何かで幸福に成功しないと生けないの？」
・「私は、このまま人生が終わりそうだから、ダメなのか？」
・「人生の最後までに、必ず成功しないと人は救われない？」
このような早とちりの誤解を生みそうです。

でも私は、宮沢賢治の指摘する（１）も霊的に正しいと感じます。
これを解決する絶対的なことが人生の最後に誰にも有ります。
それは、「死」であり「死後の人生」のことです。

死は、コノ世の貧富も区別もハンディも、すべてを完全に公平に公正に厳正に戻します。
良心に沿ったまま生きて、幸福とは言えない貧困の中で人生を終えた人も、アノ世では良い世界を楽しみます。コノ世の１０倍の栄華の世界です。

コノ世で、良心に反した行為で成功したまま人生を終えた人は、アノ世では１０倍の地獄に落ちています。こういう有名人を多数知っています。
私は、コノ世の不正な成功や栄華は「絶対に割が合わない」ということを、アノ世の世界を思い出すたびに感じています。

人間が味わうコノ世のどんな栄華も贅沢も、本当に大したことがありません。
どんな高価なごちそうも、丼１杯も食べれば吐き気がするほど嫌なものに変わります。

今も思いますことは、生きている内に、
・　自分の良心に沿って生きること。
・　色々なことに感謝をして置くこと。
・　神様や先祖を忘れないこと。
これこそが、真の本当の贅沢であり、出来る人は真に幸福な人だと思います。
死後の真に贅沢な人生が、天から保証されます。

では、早く死ねば良いのか？と早とちりしないように。
自殺は、自分の内在神を殺すことであり、神様殺しだと、アノ世では想像以上に重罪です。
これは非常に注意です。

どんな不幸の中でも、最後まで前向きに明るく生きた人に、天国は保証されます。
コノ世の苦労が、「正しく」大きかった人ほど、アノ世の栄華は大きいです。
コノ世で正当に成功し、裕福になっても、良心に沿った生活のまま人生を終えた人も、これも凄い人です。アノ世で次の次元に上昇する可能性が有ります。

そして、宮沢賢治は、更にこういう発言もされています。

（３）「世界全体が幸福にならない内は、個人の幸福はあり得ない」
（著書「農民芸術概論綱要」より）

これは非常に賛否両論を呼んで来た発言です。
例えば、犯罪者と被害者の間では、どう言えるのか？
アリとキリギリスの童話は、勤勉なアリは遊び暮らして働かない誰かのために、奴隷であり続けるのか？
などなど極端な感想を呼んで来たものです。

私は、この宮沢賢治の言葉も真理だと思います。
・　ただし、これはコノ世の低い次元では、成り立たない。
・　でも、因果論と、輪廻転生（生まれ変わり）の視点では真実であり正しい。

この（３）の言葉を前にしますと、個人の「悟り」や「解脱」（げだつ：転生の卒業）が「つまらないこと」だと感じます。
自分一人だけ卒業しても、「ほんとうにそれで良いのか？」と思えてしまいます。

「世界全体が幸福にならない内は、個人の幸福はあり得ない」とは、まさに観音様の心の心境です。
・　アホな子を置いたまま、アノ世に帰ることなど出来ない。
というのが観音様の心の正体です。

そういう観音様には、どんな不幸も無いのです。どんな不幸も嬉々として受け入れて、楽しんでしまうのです。
・　現状を「心の」天国にしない限り、どこに逃げても地獄なのです。
今日のテーマは、これを宮沢賢治の言葉から説明したつもりです。

皆様なりに、何かを感じて頂けたならば幸いです。
今の、現状のままでも、そこで楽しむ視点を持って頂けると嬉しいです。

＊　関西の震災は、淡路島・神戸　→　大阪北部　→　この断層の北上は、次は京都を観察します。

生かして頂いて 有り難う御座います

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