フセインを絞首刑にしても、オサマ・ビンラディンが発令した「宗教命令」は未だ解除されていない

2006年12月31日 18時30分45秒 | 政治
◆イラクのフセイン元大統領が12月30日午前6時(日本時間同日正午)、絞首による死刑を執行されたという。判決確定後、わずか4日というスピーディでしかも手際のよい処刑であった。
 しかし、イラク戦争がこれで終わったと見るのは、早計である。フセイン処刑は、ブッシュ大統領が事実上の敗戦を糊塗し、アメリカ国民を欺瞞するために行った、あくまでも「演出」にすぎない。イラクはすでに「ベトナム化」しており、止め処もない内乱状態にある。アメリカ軍は、撤退したくても、「シンガリ(殿)」が相当消耗する危険は避けられないであろう。フセイン元大統領派による「報復テロ」は当分続くものと見られ、イラクに真の平和が訪れるのは、さらに先となるのは確実である。
◆イラク戦争は、「9・11事件」から始まり、米英連合軍によるアフガニスタン空爆を経て、その勢いを得て、有志連合による「バクダッド爆撃」へとエスカレートしていった。
 私は、「9・11事件」直後、「ブッシュの陰謀―対テロ戦争・知られざるシナリオ」(2002年2月5日、KKベストセラーズ刊)を上梓した。
この本の帯には「『自由を守る戦争』」の真っ赤な嘘!」「大統領の黒い野望と狂気の戦略―これは果たして誰のための戦争だったのか!?」という触れ込みが書かれていた。詳細は、本書に譲るが、アメリカ国内でも、民主党系の「草の根運動」が暴露しているように、「ブッシュ政権中枢部」が、すべてを演出したものと言われているという。
本書が、いわゆる「仮説」とした「ブッシュの陰謀説」が実証されつつあるのである。
◆それ以上に忘れてはならないのが、あの「オサマ・ビンラディン」のことである。消息はいまだに判明していないが、肝心要の「オサマ・ビンラディン」が発令したと言われる「ファトゥ(宗教命令)」が、解除されたという情報は、とんと聞かないのである。
 「オサマ・ビンラディン」は1998年2月、「ユダヤ人と十字軍に対する聖戦のための国際イスラム戦線」を結成し、対米戦線の宗教命令「ファトゥ」を発令した。その直後の8月7日、ケニア・タンザニアのアメリカ大使館で「同時多発テロ事件」が起きている。
 国際社会にとって最も危険なのは、この「ファトゥ」が、未だに解除されていないということである。
イラクでは、イスラム教徒の間の「スンニ派VSシーア派」の対立が、内乱を招き、テロが多発していると単純に受け止める向きが多い。けれども、本質は、「オサマ・ビンラディン」が「ファトゥ」を発令したように、いまや「キリスト教徒VSイスラム教徒」との最終戦争の様相を示している。イスラム世界は、欧米列強からの侵略を受けて、「帝国主義・植民地主義」の被害者となっている。中東が「石油・天然ガス」の源泉であり続ける限り、欧米列強が、この構造と関係を変えるとは考えられない。ということは、イラクの内乱は、簡単には収まらないとみるべきである。
勝てば官軍である。有史以来、正義は常に勝者にあることは、歴史が実証している。イラク戦争の「真の勝者」は、まだわからない。決着はついていないからである。
◆かかる状況下で、日本が取るべき道は、「日本民族の興亡」をかけた戦いにおいて、「勝てる道」を見つけることである。いまのところは、「超大国アメリカ」に従うしかないが、日本外務省が注意を促している国々や地域、すなわち、「ファトゥ」が生きている国々や地域、少なくともフセイン元大統領派の残党が棲息し、テロ活動を行っていると予想される「危険地域」には、日本人は足を踏み入れないことである。これを無視して出かける人は、何が起ころうとも「自己責任」を覚悟すべである。 
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民主党は田中角栄直系が中心になり「経済・景気政策」を打ち出せば、政権奪取の足がかりをつかめる

2006年12月30日 16時47分03秒 | 政治
◆東京証券取引所の大納会(12月29日)の日経平均株価終値は、「1万7225円83銭」で引けた。「強気筋」が年初に期待していた「日経平均株価20000円の回復」という予想はすべて外れた。早い話が「全滅」である。逆に、旧大蔵省の榊原英資元財務官らの「弱き筋」の予想も外れている。
 景気サイクル10年説によれば、平成十四年十月から始まった今回の大勢上昇相場の「ピーク」は、「平成21年末」と見られている。とすると、残すところ、「3年」でピークに到達することなる。
◆だが、残念なことに、安倍首相は、「美しい国」という極めて情緒的で文学的なキーワードを掲げて国の舵取りをしているが故に、前途が眩しい分、国民の多くは目がくらんでしまい、道標を見失っている感がある。政治は、権力闘争であり、「甘っちょろい文学」ではないのである。この点、安倍首相は、政治を誤解している。
いま安倍政権が最優先に真剣になって取り組まなくてはならないのは、「経済・景気政策」である。安倍首相は、「新成長論」を提唱し、自民党の中川秀直幹事長も一時は盛んに「経済成長」を吹聴していたが、このところ、声が低くなっている。要するに企業に「イノベーション」を期待する以外に、「妙策」がないらしい。
これを「お手並み拝見」と他人事のように見ている「ワラ人形」(閣僚やスタッフ)や「2匹の悪霊」(森喜朗元首相と青木幹雄参議院自民党会長)は、いずれも無責任で最悪である。
国民の多くは、「医療・年金・福祉政策の充実」を望んでいるが、財源を豊かにするのは、「経済・景気政策」である。
◆戦後、「経済・景気政策」に成功したのは、吉田茂元首相の「日本再建政策」、池田勇人元首相の「所得倍増政策」、中曽根康弘元首相の「都市再開発政策」の三回のみであった。積極的な経済・景気政策を強力に推進できるのは、「吉田茂→池田勇人→田中角栄」の流れを汲む「保守本流」の「積極財政派」である。「岸信介→福田赳夫→安倍晋太郎→三塚博→小泉純一郎→森喜朗→町村信孝」の「消極財政派」ではない。
この意味では、安倍首相は本来、「積極財政派」の流れからは、離れた政治集団をバックにしているので、いかに「新成長政策」を提唱しても、実行するには、かなり無理がある。 
そのせいか、読売新聞朝刊(12月29日付)によれば、政府・自民党が、「省庁再々編、本格検討へ」と報じている。自民党が平成19年7月の参議院議員選挙に向けて、「公約」の目玉」にしよういとしているのである。もちろん、省庁を「スリム」にすることにだれも異論はないだろ。しかし、国民生活に直結する政策ではない。下手をすれば、旧田中派の流れにいて、「経済・景気政策」よりも、「行政改革」をライフワークにしていた橋本龍太郎元首相の二の舞になりかねない。橋本元首相は、22省庁を「1府12省庁」に再編するのに狂奔している間に、「景気押し上げ」のアクセルを踏むタイミングを逃したばかりか、「ブレーキ」までかけてしまった。安倍首相が、「前車の轍」を踏む危険性が高いのである。
◆日本の政治勢力のなかでは、「積極財政派」の直系はいま、民主党に移っている。それは、小沢一郎代表であり、鳩山由紀夫幹事長であり、渡部恒三最高顧問であり、羽田孜最高顧問らである。「国民資産倍増政策」なり、「経済格差是正政策」なり、伝統ある政治集団として本領を発揮し、「経済・財政政策」をシンプルな形で明確に打ち出すならば、参議院議員選挙に勝利し、政権奪取の足がかりをつかめるであろう。
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廃墟のような夕張市から、新しい芽が生まれてきたのは、感動的である

2006年12月29日 16時14分42秒 | 政治
「ほっとけない夕張危機渡哲也生出演・・今語る夕張への熱い思いと・・税金ムダ遣いの果てに弱者切捨て現場悲鳴密着・新成人の戦い」を報ずるTBSテレビ「みのもんた朝ズバッ!」(12月29日)は、ひさしぶりに感動的だった。
 夕張市は、山田洋次監督の不朽の名作「黄色いハンカチ」、石原プロ製作の「西部警察」吉永小百合主演の「北の零年」などの撮影現場であり、セットも残っている。「夕張ファンタスティック映画祭」(2006年2月で中止)は全国的に有名であった。これらの文化資産を活用しない手はない。「自分の手で夕張の灯は消さない」という思いからNPO法人「ゆうばり観光協会」の高村健次代表(65)とNPO法人「夕張ファンタ」の澤田直矢代表(38)の活動を通して住民自ら「再生への道」に立ち上がろうとする姿をとらえていた。
 もう一つ、12月15日に開かれたクリスマスイベント「大声コンテスト」で、「成人式をなんとかして欲しい」と叫んだ専門学校生・土屋美樹さん(19)が、夕張市から「成人祭実行委員会代表」に指名されて、奮闘する姿に、思わずホロリとさせられた。2007年1月の成人式に参加予定の新成人は95人。
ところが、市の成人式開催予算が前回の60万円から1万円に減額され、市役所からは、何の音沙汰もなく、不安になった土屋さんら若者たちは、市役所を訪れ、土屋さんは涙の抗議をしていた。ようやく夕張市役所も動き出し、市民会館で開催が決まり、「手づくり」の成人式の準備が始まった。このことを風の便りで知った各地の有志意から激励の声やカンパが寄せられてくるようになったという。土屋さんは、隣町の専門学校で介護の勉強をしているといい、卒業してからは、夕張市内で仕事をしたいと目を輝かせている。
絶望的な廃墟からでも、新しい芽は必ず生まれてくるものである。年の瀬になってようやく「光明」が見えてきた感じがして、こちらも勇気が湧いてきた。
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年が明ければ気分一新、「小沢民主党」は安倍政権打倒に向けて、いよいよ目にものを見せる時がくる

2006年12月28日 19時31分04秒 | 政治
◆「年か明ければ、気分が一新する。年内に決着してよかった」と片山虎之助自民党幹事長が、ホッと胸を撫で下ろす発言をしている。佐田玄一郎行革担当相が辞任し、後任に渡辺喜美内閣府副大臣(衆院議員)が決ったからである。安倍首相は渡辺氏の「突破力」に期待しているという。総理大臣のポストを目の前にして「悔しいよ」と無念の声を残して亡くなった渡辺美智雄元蔵相の子息だけに、「金融政策」には精通している。
 確かに、渡辺氏は、若手政治家のなかでは、逸材であり、将来の「総理大臣候補者」の有力な一人である。この意味で安倍内閣も、ようやく「しまり」が出てきそうである。
 だが、いまの安倍内閣は、全体的に「しまり」がなく、いうなれば、「ゆるフン」なのである。褌を着用する男性が少ないから、さしずめパンツのゴムが緩んでいるのである。朝日新聞の12月28日付朝刊「2面」に、安倍内閣の「緩み」について解説記事が掲載されているが、驚くべき有様であるようだ。何でも、閣議室に入る前に集まる部屋に安倍首相が姿を現しても、「私語」が止まない。小泉前首相のときは、全閣僚が起立して迎え、私語もピタリと止み、緊張感が漂ったという。
◆安倍内閣では、仲間が失敗しても、困ったことになっていても、だれ一人として、助け船を出して手を貸そうという者は、一人もいないらしい。心のなかで「いい気味」とせせら笑っているようなのだ。今回の佐田氏の不祥事に対しても、みんな冷ややかだった。佐田氏を庇う者がいなかったばかりではない。安倍首相に対しても、「お手並み拝見」と横目で見る姿勢を示していた。
 これはどこか、エリート進学校の教室に似ている。勉強以外興味がない。学級委員や生徒会会長などの役員は、「雑用係り」と馬鹿にし、勉強の妨げになると打算してしたがらない。阪神淡路大地震のとき、被災者の高齢者に手を差し伸べて世話をしていたのが「茶髪の若者たち」で、その側を学習塾通いの少年少女たちが、何食わぬ顔して通り過ぎる光景が思い出され重なる。
◆安倍内閣の若手閣僚やスタッフたちは、どうも「ペーパー秀才」ばかりのようである。これでは、「安倍内閣」が危機に陥っても、汗水たらして身体を張って政権を守ろうとする者が一人もいないのは、当たり前である。安倍首相を「ガード」しているのが、井上秘書官ただ一人というのも、情けない話である。その井上秘書官が、旧国鉄のノンキャリア出身で、政界人脈もなく、知らず、選挙の修羅場をくぐった経験も浅い。このため、安倍首相と与党議員との調整を十分に果たしていない。というよりは、果たせないというのが、正確なところである。朝日新聞の解説記事は、閣僚やスタッフたちが、「わら人形」と呼ばれていることを明かしている。さもありなん。
 渡辺喜美氏が、入閣したからとて、「わら人形」がたちまちのうちに、「人間」に戻るとは考えられない。つまり、片山氏が「年が明ければ気分が変わる」というようには、簡単にはいきそうもないのである。
◆「気分が一新」しそうなのは、むしろ、小沢民主党の方である。小沢一郎代表、菅直人体表代行、鳩山由紀夫幹事長の3人が会談し、「佐田氏の議員辞職」を求めて、政権与党に揺さぶりをかけていくことで一致したという。素人代議士の永田英寿衆議院議員の「ニセメール疑惑問題」のときとは違い。今度は、小沢代表をはじめ超ベテラン、一癖も二癖もある政治家が、政府与党をギリギリ追い詰めていくことになるので、その結末がどうなるかが、楽しみである。「真綿で首を絞める」なり、「豪腕を振るう」なり、臨機応変に押したり、引いたりしながら、安倍政権を追い詰めていくいよいよ繰り広げられる。「小沢民主党」の底力を振り絞って、目にもの見せて欲しい。
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小沢民主党は小泉前首相の「非情さ」に習い、安倍首相の「傷口」にどんどん「塩」を擦り込め!

2006年12月27日 16時54分30秒 | 政治
◆またもや、不祥事! 佐田玄一郎行政改革担当相(衆議院群馬1区)は、自ら責任を取り即時辞任するか、さもなければ安倍首相が、「罷免」するか、いずれにしても、年内に決着すべきである。佐田氏は、「安倍晋三さんを支える会」の会長を務めて自民党総裁選挙勝利の恩賞人事により、大臣ポストを射止めたのであるから、今度は、安倍政権の足を引っ張るようなことをしてはならない。
依然は、不祥事が起こると、「秘書に任せていたから」と責任転嫁して言い逃れする国会議員が多かったが、いまは、「よく調査してから」というのが、常套句になっているようである。
◆佐田氏は、政治資金管理であれ「その他の政治団体」であれ、「政治資金収支報告書」の記載内容に目を通しておくべきである。そもそも、父親が経営していた建設会社の事務所内に政治団体の事務所を設けていたとしても、家賃がそれほどかかるワケがない。事務所経費約7840万円とは高すぎる。これを知らなかったとは、とても言えまい。
仮に知らなかったとすれば、あまりにも「アバウト」である。行政改革の眼目は、「コスト・カット」にあるはずである。すなわち「ムダの排除」と「経費節減」である。この重大任務をこなすには、「数字」に強くなくてはならない。これは、絶対に必要な条件である。この点で、佐田氏が「行政改革相」に不適格であることが、証明された。そうであれば、安倍首相は、直に罷免すべきである。政府税制調査会の本間正明前会長問題で対処に時間がかかったように、またもモタついていると、安倍政権の傷は、さらに深めることになる。
◆さて、安倍政権は、①造反組の安易な復党問題②道路特定財源問題で青木幹雄参議院自民党会長に事実上敗北③教育基本法改正案をめぐるタウンミーティングで「やらせ質問」をさせた問題④本間会長問題での不手際⑤佐田氏の不祥事と、次から次に、ボロが出続けている。新年になってからも、どんな不祥事が出てくるかわからないが、その可能性は、高い。総裁選挙前から、安倍首相の側近たちが、「スキャンダル」の「火種」を消して回っていたと言われてきただけに、安倍首相自身の不祥事が発覚すれば、それこそ、安倍内内閣は、一瞬のうちに瓦解してしまう。
◆民主党にとっては、これからが勢力挽回の絶好のチャンスとなる。この意味で、佐田氏の不祥事を徹底的に糾弾する手を緩めてはならない。2007年7月の参議院議員選挙を目指して、「安倍政権の不祥事摘出」に全力を上げるべきである。そのためには、安倍首相の「傷口」にどんどん「塩」を擦り込み続けていく非情さが絶対に必要である。小泉前首相が、言い放った「我は非情か」という言葉を思い出そう。小沢民主党が「政権を奪取」できるか否かは、この「非情さ」をどこまで持ち続けることができるかどうかにある。
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安倍首相直属の「教育再生会議」は時間のムダ、夜回り先生の方が社会の役に立っている

2006年12月26日 16時11分34秒 | 政治
◆読売新聞の12月26日付の朝刊「総合面」(2面)に「中教審 教育再生会議に注文」という記事と「顔―講演2000回を迎えた先生 水谷修さん」という囲み記事が掲載されている。「中教審」の方は、元日教組書記局長や就職情報誌「とらばーゆ」編集長などの要望などが報じられている。これに対して、「夜回り先生」こと水谷さんについての記事は「著書『夜回り先生』は37万部を超え、公開したメールアドレスには、これまで約2九万通、13万7000人の相談が寄せられた」と紹介している。夜回り先生の方が、「中教審」や「「教育再生会議」よりも、実践的であり、どんなに社会の役に立っているかがよく伝わってくる。
◆戦後教育の改革については、中曽根康弘元首相が在任中、「臨時教育審議会」を設置して、意欲的に取り組んだ。けれども、審議された改革案のほとんどが骨抜きにされ、残ったのは、「生涯学習」だけだったことが思い出される。文部省が臨教審事務局に文部官僚を多数送り込み、中曽根元首相の改革を邪魔したのである。以後、中曽根元首相は「教育改革の必要性」を唱え続け、今日に至るまで志を果たさないでいる。
◆安倍首相直属の「教育再生会議」は、早くも「臨時教育審議会」と同じ運命をたどっている。やはり文部科学省から文科官僚が送り込まれて審議された改革案のほとんどが、またもや骨抜きにされている。安倍首相は、「御殿女中」と言われてきた旧文部官僚の姑息さを熟知していないらしい。
◆鳴り物入りで著名人を集めて議論にムダな時間を使うくらいなら、初めから「教育再生会議」などを設けない方がよい。むしろ、行政改革の一環として「文部科学省廃止」に踏み切る大英断を下した方が、よほど国民的支持が得られる。科学技術庁は、経済産業省に移管すればよい。

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安倍首相の初の政府予算案からは、「美しい国・日本」という未来像は全く見えてこない

2006年12月25日 14時47分35秒 | 政治
◆安倍首相が就任して初めて政府予算案が12月24日決った。7兆6000億円の税の増収が幸いして、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字も大幅に縮小し、明るさが見えた。だが、これは小泉政権を含めて、政治・行政の努力の結果でない。むしろ民間企業の血の滲むような努力と一般国民に対する「いじめ」の結果とも言える。このため、手放しでは喜べない。
◆ましてや、この予算案を見る限り、安倍首相がどのような「未来像」を描いて予算編成に取り組んできたのか、まったく不明である。「美しい国」を掲げてはいても、「現実」は、汚濁にまみれている。電車への飛び込み自殺者は跡を絶たず、線路は血まみれである。警察署霊安室は、殺人被害者の遺体が次から次へと運び込まれて、空室になる暇がない。刑務所の死刑執行室では、このところ、処刑が頻繁に行われているという噂である。法務大臣も毎夜、寝付けない日々が続いていることであろう。富士山の麓の青木ケ原は、白骨が至るところから見つかるという。
◆市町村合併で全国の商工会が統合され、その数は、半減の勢いにある。かつての繁華街の多くが、シャッター通りに変貌し、まさに「ゴーストタウン化」している。景気上昇期にあるいまこそ、「商店街の再生」、さらには、中小企業へのテコ入れをすべき時であるにもかかわらず、中小企業対策費の伸び率は、減っている。
 北海道や日本海側、四国、九州では、中小零細の建設業者や従業員、それらの家族が公共事業によって生活を維持してきたにもかかわらず、仕事が激減して、生活苦にあえいでいる。不況のときにこそ、政府が仕事を創出する義務があるのに、その責任を放棄してきた。景気が上昇しているとはいっても、企業格差や地方格差などがあり、景気状況は、まだらなのだ。
◆こう見てくると、日本列島は、決して美しくはない。だからこそ、安倍首相が「美しい国へ」という本を書き、所信表明演説でも力説したのであろう。しかし、今回の予算案からは、「美しい国」への道筋すら明らかにされていない。
これは、「現実主義者」である安倍首相の限界なのであろうか。そもそも「現実主義者」が、いかにも実現しそうな「美しい国」などと「理想」を掲げること自体、まやかしであり、国民に対する「詐術的行為」なのではなかろうか。「現実主義者」なら「現実主義者」らしく、この日本の「地獄絵図」を一刻も早く解消し「まともな世の中」にして欲しいものである。
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6者協議不調で北朝鮮の住民数百万人が餓死の危機に直面、日本は「兵糧攻め」効果をじっくり待とう

2006年12月24日 17時31分51秒 | 北朝鮮問題
◆北朝鮮が食糧危機状態にあるという。飢饉や水害が主な原因だが、2007年春までに数百万人が餓死するのではないかと予測されている。国連の世界食糧計画(WFP)によると、北朝鮮住民の3分の1がすでに慢性的な食糧不足状態にあると、共同通信(ジュネーブ)が12月22日報道している。北朝鮮の正確な人口は、定かではないけれど、およそ2000万人と言われてきた。1996年(平成8年)に飢饉や水害により、約200万人が餓死(このうち5万人が反金正日派の労働党員=大虐殺)し、その後も、慢性的な食糧不足で餓死者が続出していると言われている。だから、正確な人口はわからないのである。アメリカによる金融制裁、日本政府による経済政策をはじめ、国連の対北朝鮮非難決議に基づく経済制裁が続けば、餓死者が増えていくはずである。諸国の「兵糧攻め」は、確実に効果を発揮していると断言してよい。
◆北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる「6者協議」は不調に終った。この結果、一番得をした国は、中国であった。1年以上も開かれなかった「6者協議」をともかく開催でき、議長国としてのメンツを保つことができたからである。しかも、属国・北朝鮮を「生かさず、殺さず」の状態し続けることに成功した。アメリカからの干渉を受けずに、 北朝鮮の国土に眠る地下資源を独占的に確保するための「時間稼ぎ」ができ、そのうえ、北朝鮮の体制崩壊により難民が豆満江を渡って逃げてくる事態を当面回避できた。
◆二番目に得をしたのは、アメリカであった。イラク戦争敗北の後始末に追われ、そのうえイランの核開発問題に気を取られて、北朝鮮どころではない。余裕があれば、一気に北朝鮮に攻撃をかけて体制崩壊させたいというのが本音ではあるけれど、当面は、中国の「生殺し政策」に任せようという姿勢である。
三番目に得をしたのは、韓国である。第二次朝鮮戦争の危機をしばらくは、回避できた。韓国も中国同様、「生殺し政策」を採用している。もちろん、「太陽政策」というのは、美名にすぎない。
四番目は、ロシアである。やはり国境を越えて難民が押し寄せてくる危険を避けることができて、ホッと胸を撫で下ろしたことであろう。
五番目は、ということになる。だが、日本人拉致被害者の奪還が大幅に遅れることになったものの、得もしなかった。代わりに損もしていない。
◆最も大きな損失を被ったのは、やはり北朝鮮、なかでも金正日総書記であったのは、間違いない。ブッシュ大統領の「金正日暗殺命令」は、依然として解除されておらず、それどころか、国防総省による「5030作戦」は堅持されてといる。金正日に向けられ「銃口」は、一瞬のスキを狙っている。金正日が「時間稼ぎ」できたと思い込んでいるとしていたら、大きな錯覚である。
日本としては、ここは、泰然自若としてじっくり「時間の利益」を得ようではないか。北朝鮮の人口が、知らない間に「300万人」(支配階層のみ)くらいに減っているかも知れない。
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杉村太蔵君へ、夕張市再生プロジェクトチーム座長就任 おめでとう、派手に行動しなさい!

2006年12月23日 12時43分52秒 | 政治
◆自民党の武部勤・前幹事長と無派閥の新人議員らのグループ「新しい風」が12月22日の初の総会で、財政破綻した北海道夕張市の再生を目指すプロジェクトチームを発足させることを決めた、と読売新聞が23日朝刊「政治面」(4面)で報じている。
地方自治体の財政破綻というテーマは、夕張市に限らず、最近では熱海市でも「財政危機宣言」をして物議を醸すなど、いまや「他人事」あるいは「対岸の火事」と言って呑気に構えていられるような問題ではなくなってきている。
◆私は、昭和57年4月から毎日新聞経済部記者として当時の通産省の記者クラブ、通称「虎ノ門クラブ」に配置され、三井の北炭夕張の閉山問題を取材し始めて以来、この地域の産業振興政策をウォッチしてきた。炭鉱住宅(略称・炭住)を追い出されて、東京都小平市のメーカーの社員寮に夫婦住み込みで管理人として採用された人も取材した。炭鉱、事故の悲惨さは言葉では言い表せないほどだが、それでも仲間たちがお互いに思いやって暮らす炭住生活が、いかに楽しかったかなどといった話に耳を傾けた。あれから二十数年という時間が経過したけれど、あの夫婦はその後、どうなったか、いまでも気がかりである。
夕張市では、「夕張メロン」がブランド化したり、テーマパークが建設されたりして、「炭鉱の町」から「観光の町」へと変化し、一時は盛況だった。だが、それも束の間、企業で言えば事実上の倒産をしたと聞いて以来、暗い気持ちが続いている。
◆こういうときに、田中角栄元首相だったら、どういう「名案」を思いつくだろうかと考えていた。昭和40年の証券大不況の際、危機に陥っていた山一證券に対して、当時の田中角栄蔵相は、「日銀特別融資」というだれも思いもよらなかった妙策を思いつき、ピンチを救い、世間をアッと言わせたのである。国会議員レベルでだれが一番先に手を挙げるか、「妙策」を引っさげて、現地に乗り込む政治家が現れないものかと注視していたが、それこそ安倍首相が動いていれば内閣支持率を回復するキッカケを掴むことができたかも知れない。しかし動こうとはしなかった。
そこに自民党の武部勤・前幹事長と無派閥の新人議員らのグループ「新しい風」が、北海道夕張市の再生を目指すプロジェクトチームを発足させ、名乗りを上げたのである。何と、北海道出身の杉村太蔵衆議院議員がプロジェクトチームの座長に就任したという。この人事に対して、早速、武部派内で異論と不満の声が上がったというが、全国的な知名度では、杉村氏の右に出る者はいない。
◆テレビ朝日の「やじうまプラス」でコメンテイターが、「(魂胆は)見え透いている」とせせら笑いしながら批判していた。杉村氏が「衆議院北海道1区」への鞍替えを狙っているので、「売名行為だ」と言いたかったようだ。
しかし、この際、動機や思惑は、どうでもよい。所詮、政治家の行動の大半は、「売名」のためのパフォーマンスなのだから、気にする必要はない。夕張市再生の第一歩は、この問題の本質を政府をはじめ国民の多くが知るところから始まる。この意味で全国的に知名度の高い杉村氏が座長に就任したということに意味があるのだ。
マスコミ各社は、こぞって杉村氏の動きを追い始めるはずである。夕張市に対して、全国各地から目を向けられるだろう。政府も放置できなくなる。「杉村効果」は、抜群のなである。国会議員にとって、政策テーマは「早いもの勝ち」なのである。二番手には、テレビカメラのフォーカスは向けられない。この点で、安倍首相も遅れを取った。民主党も同様である。そこで杉村氏に一言、アドバイス。
「太蔵君、お父さんの教え通り、思う存分、派手に行動しなさい」
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安倍首相の悲哀は東大法学部卒でないことにあり、財務省の東大法学部閥からバッシングされている

2006年12月22日 12時09分36秒 | 政治
◆「財務省の陰謀だ」という小見出しに目が止まった。読売新聞の12月22日付朝刊「総合面」(3面)である。「政権に痛手」と大きな横見出しが、事態の深刻さを知らせている。政府税制調査会の本間正明会長辞任の舞台裏から見た解説記事でもある。
今回の本間会長辞任劇は、安倍政権の基盤がいかに脆弱(税弱でない)かを国民の目にさらけ出した。同時に、東大法学部の牙城である「財務省官僚群」が安倍政権を支持せず、反対に根底から脅かし、「意地悪」していることも白日の下に炙り出された。
◆慶応大学法学部出身の小泉前首相のときもそうであったが、成蹊大学法学部出身の安倍首相も、「東大閥」といっても、正確には「東大法学部閥」(同じ東大卒でも経済学部や文学部、教養学部などは、法学部から見れば亜流の雑魚にすぎない)が支持する対象ではない。逆に言えば、だからこそ、小泉前首相は、一橋大学卒の竹中平蔵前総務相やその師匠でもある大阪大学の本間正明会長など「亜流学者」を重用せざるを得なかったのである。
竹中前総務相は、アメリカの最大財閥・ロックフェラーの「本家」を名乗ってブッシュ政権を支えている「デイビッド・ロックフェラー」(シティグループ、エクソン・モービルのオーナー)の子分であるハーバート元大統領経済諮問委員会委員長に食い込み、その人脈を武器に小泉前首相の懐に飛び込んだ実に要領のいい人物である。
◆東大法学部閥にして見れば、国家最高指導者である首相が、「私学出」であることに、まず我慢がならない。それに加えて、旧帝大ではない一橋大学(前身は、東京商科大学)や大阪大学くんだりからやってきた「どこの馬の骨とも知れない胡散臭い御用学者」が、最高権力者の虎の威を借りて肩で風を切って闊歩する姿も許しがたいのである。
大企業にしても、大報道機関にしても、同じ仲間ではあっても、「東京閥」は、大阪や名古屋などから「上京」してきた者を排除したり、冷遇したりする傾向がある。「テリトリー」を「亜流」に侵されたくないという心理が働くのである。
本間会長も大変迂闊であった。まさに「敵陣」に乗り込むような立場であるはずだったのに無用心にも、敵生がわんさと住んでいる「国家公務員宿舎」をあてがわれて、「高級官僚」にでもなったように悦に入っていたのが、命取りとなった。「愛人問題」は、プライバシーに属する問題であり、別宅にでも囲っていればよかったのである。まだ、自らの止り木は、「貧家」を選ぶべきであった。
◆家柄がいいとか、育ちがいいからとか、父祖の恵沢を受けているからとか、はたまた大金持ちだからとか言うだけでは、政権を維持することはできない。安倍首相が、東大法学部閥から支持を得て安定政権を築くには、安倍首相自身が、東大法学部に学士入学して卒業し直すしかない。もう一度、平沢勝栄衆議院議員を家庭教師に雇い、モノサシで頭をコンコンと叩かれて、しごかれるしかなさそうである。さもなくば、学習塾経営者出身の下村博文官房副長官に泣きついて、「博文館」で猛勉強するもの妙案である。
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