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『震える岩 霊験お初捕物控』 宮部みゆき

2019年03月29日 21時23分00秒 | ■読書
「宮部みゆき」の時代小説『震える岩 霊験お初捕物控』を読みました。


「浅田次郎」作品、「佐伯泰英」作品、「山本一力」作品に続き、時代小説です、、、

「宮部みゆき」作品は、一昨年9月に読んだ楽園以来なので2年半振り… 久しぶりですね。

-----story-------------
事件の予兆と、恋の予感。
人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。
これが「宮部みゆき」の世界。
「霊験お初」シリーズ第一弾!

死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。
甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」「お初」は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の「右京之介」と探索を始めた。
だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。
人は過去にも家族にも縛られる。
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霊感の持ち主「お初」を主人公としたシリーズの第1作… 「新人物往来社」の臨時増刊号『時代小説』1992年(平成4年)冬号・1993年(平成5年)春号で発表された『百年目の仇討始末』を改題・加筆した作品です、、、

『霊験お初捕物控』というサブタイトルが示すとおり、超能力や怨念というオカルト的な要素を捕物帳とミックスさせた異色作品… 「宮部みゆき」らしさ満載の物語でしたね。

 ■第一章 死人憑き
 ■第二章 油樽
 ■第三章 鳴動する石
 ■第四章 義挙の裏側
 ■第五章 百年目の仇討始末
 ■解説 菊池仁


兄嫁「おその」と一膳飯屋を切り盛りする16歳の「お初」は、人には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえる霊感の持ち主… その不思議な力を発揮しては岡っ引きの兄「六蔵」を助け、南町奉行のもとに出入りして内々の働きをするようになっていた、、、

町奉行「根岸肥前守鎮衛」から押し付けられた形の与力見習い「古沢右京之助」「六蔵」とともに、「お初」は死人が生き返る死人憑きや2件の幼児殺し、奇石鳴動の謎の探索にあたる… 機会な事件の背後には100年前に怨みを残して死んだ浪人の死霊と赤穂浪士の討ち入り事件が絡んでいた。

オカルト的要素を含んでいるものの、決してグロテスクな作品ではなく、『仮名手本忠臣蔵』の真相等もうまく絡めてあり、面白く・巧く仕上げてあったと思います、、、

弱弱しい印象だった「右京之助」が成長していく姿や、「右京之助」「お初」の友だち以上・恋人未満の関係等、シリーズとして愉しめそうな要素も含まれており、次作を読みたくなる展開… 相変わらず「宮部みゆき」作品は読みやすいですね。



以下、主な登場人物です。

「お初」 
 16歳のとても元気な女の子。一膳飯屋「姉妹屋」を手伝っている。
 人には見えないものが見える不思議な能力を持っている。

「六蔵」
 岡っ引きの親分で、お初の兄。

「おその」
 六蔵の妻で、お初とともに一膳飯屋「姉妹屋」を営んでいる。

「根岸肥前守鎮衛」
 町奉行。不思議な話を聞くのが趣味。「耳袋」を書く。

「古沢右京之助」
 算学が大好きな17歳。
 同心与力の父を持ち、父との確執がひとつのサイドストーリーとなる。



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