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『なぞとき <捕物>時代小説傑作選』 細谷正充(編集)

2022年08月18日 22時05分17秒 | ■読書
「細谷正充」が、平成を代表する女性時代作家による時代小説ミステリの傑作を選んだアンソロジー作品『なぞとき <捕物>時代小説傑作選』を読みました。


ここのところ、時代小説が続いています。

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平成を代表する女性時代作家の豪華競演!
親子の切ない秘密、料理にまつわる謎……珠玉の時代小説ミステリー

棒手振りの魚屋に、鰹を千両で買いたいという奇妙な申し出があり……(『鰹千両』)、幕府直轄の御薬園で働く真葛は、薬種屋から消えた女中の行方を探ってほしいと頼まれるが……(『人待ちの冬』)、商家の妾が主夫婦の息子を柏餅で毒殺した疑いをかけられるが、料理人の季蔵は独自の捜査を進め……(『五月菓子』)など、“捕物"を題材とした時代小説ミステリー。
話題の女性作家陣の作品が一冊で楽しめるアンソロジー。
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親子の切ない秘密や江戸の料理にまつわる謎を解く、時代小説ミステリ6篇が収録されています。

 ■五月菓子 和田はつこ
 ■煙に巻く 梶よう子
 ■六花の涼 浮穴みみ
 ■人待ちの冬 澤田瞳子
 ■うき世小町 中島要
 ■鰹千両 宮部みゆき
 ■解説 細谷正充


同じ時代小説ミステリですが、それぞれの作家毎に個性があるので愉しめました… 「宮部みゆき」『鰹千両』だけは7年近く前に読んだ『初ものがたり』に収録されていたので再読でしたけどね。


そんな中でイチバン印象に残ったのは「和田はつこ」『五月菓子』、、、

「料理人季蔵捕物控」シリーズの作品で、商家の妾が主の跡取り息子を毒殺するという展開で、事件の真相はシンプルですが、トリックの意外性が抜群、まさかこの時代に食物アレルギーを扱うとはね。


安定感があるなぁ と感じたのは「宮部みゆき」『鰹千両』、、、

再読ですが面白かった… 初鰹一匹を千両という大金を払って買いたいという怪しげな話が舞い込み、相談を受けた岡っ引の「回向院の茂七」が、その顛末を解き明かすのですが、その動機(双子の娘の出生)や人情味溢れる解決方法が印象深い作品でした。


続きを読みたいなぁ と感じたのは「中島要」『うき世小町』、、、

行方不明となっている父親の子分に苛立ちをぶつけ、自分が女に生まれたことに不満を抱き、危なかしい行動をとる主人公の「お加代」に感情移入できなかったのですが、シリーズでは、彼女が事件や体験を通じて成長していく姿が描かれるようだし、事件の動機となる心の闇や哀しみが巧く描かれていた部分に良さを感じたので、この先の展開が期待できそうです。


色んなシリーズに出会えるのがアンソロジーの良さですね… 次は「和田はつこ」「料理人季蔵捕物控」シリーズを読む予定です。




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