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『小町殺し』 山口恵以子

2022年08月22日 21時27分44秒 | ■読書
「山口恵以子」の連作時代小説『小町殺し』を読みました。


ここのところ、時代小説が続いています。

-----story-------------
「清張賞」作家が満を持して放つ書き下ろし時代小説

錦絵に描かれた美女たちが、小指の先を切り取られて続けざまに殺された。
女剣士「おれん」は猟奇殺人犯を追い詰めることができるのか?
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2015年(平成27年)に刊行された「門付け芸人おれん」シリーズの第2作です。

 ■第一話 清元梅春
 ■第二話 桔梗屋おこん
 ■第三話 但馬屋およう
 ■第四話 蛍放生
 ■編者 神山二三郎


新内流しを生業とする「おれん」は、旧知の清元の師匠「梅春」の遺体発見現場に遭遇する… 「梅春」は錦絵「艶姿五人小町」に描かれて人気だったが、その小指の先は切り取られていた、、、

半月後、同じく錦絵に描かれた五人小町のひとり船宿・桔梗屋の娘「おこん」が殺された… これは連続殺人なのか? そんな折、「おれん」は錦絵の作者「喜志川桂泉」の弟子「玲泉」と知り合うが……。


門付け芸人で剣客の「おれん」が活躍する痛快なエンターテイメント作品でしたね… 面白かったー 

一話ごとに錦絵「艶姿五人小町」に描かれた娘やその関係者を巻き込む事件が起こり、一つひとつの事件を解決しつつ、最終話では全体を通した大きな事件を解決するという入れ子構造になっており、二重に愉しめる構成でしたね… 一つひとつの事件の解決も十分なクオリティが高いし、全体を通した連続殺人事件が最終話で一気にクライマックスに向かう展開、意外性のある結末、シリアルキラーやトランスジェンダーを扱っているというテーマ性も興味深く、最後まで飽きずに読めました。

「おれん」が居候している貸本屋・辰巳屋の主人「文三」や手代兼番頭の「太一」、北町奉行所定町廻り同心「神崎兵庫」、名医「阿部了伯」、巾着切り「おもん」等の周囲を固める登場人物も魅力的に描かれているのも印象的でしたね、、、

本シリーズは、『邪剣始末』という第1作があるようなので、そちらも読んでみたいですね。





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