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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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言葉に関する映画やアニメ・ゲーム・小説・テレビ番組・文物

2020-08-15 | 関連書籍・DVDのレビュー

 

このカテゴリでは主に日本語入力に関する専門的な書籍・DVD等をとりあげてきたのですが、
ここで気分を変えてことばや異文化コミュニケーションがひとつのテーマとなっているエンタテイメント作品を中心にさまざまな文物をピックアップしてみました。
いわゆる「言語学ネタ」をはじめとして単に口癖や決め台詞といったものではなくて、言語舞台・言語現象や言語運用など、言語自体を効果的にモチーフにしたものであったり
作劇・設定上も重要な役割をもたらしてくれている「リンガ・ワンダー」な世界をどうぞ皆様も垣間見ていって下さい。
未読・未視聴・未プレイの作品も多々あるのですが自分のための備忘録も兼ねて整理して列挙していきたいと思います。
それでは、いってみましょう!

<映画>
・舟を編む(原作:三浦しをん/監督:石井裕也)▶辞書編纂者という職業
・メッセージ(原題:Arrival)(原作:テッド・チャン/監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ)▶謎のシンボル文字を使う宇宙人との意思疎通のプロセスが面白い
・宇宙人王(ワン)さんとの遭遇(アントニオ・マネッティ、マルコ・マネッティ)▶地球で最も使用人口が多いからと中国語を話す宇宙人王さん
・幸せになるためのイタリア語講座(ロネ・シェルフィグ)▶イタリア語の市民講座を通じてほろ苦い人間模様が交錯するハートフルストーリー
・マイフェアレディ(戯曲原作:バーナード・ショー/監督:ジョージ・キューカー)▶娘の下町訛りを矯正して華麗なレディに育成する言語学者
・舞妓はレディ(周防正行)▶鹿児島弁と津軽弁の両極端訛りに興味を持った言語学者が京都の花街で(以下略)
・ロスト・イン・トランスレーション(ソフィア・コッポラ)▶「翻訳の中で失われるもの」外国人における日本滞在中での男女の機微
・映画 聲の形(漫画原作:大今良時/監督:山田尚子)▶聴覚の障害を軸にして和解と葛藤を描く京都アニメーション作品
・言の葉の庭(新海誠)▶万葉集の短歌が淡い恋を彩り、二人の場所・時・心の距離をつなぐ重要な役割となる
・マルモイ ことばあつめ(オム・ユナ)▶日本統治下時代、とある非識字者が朝鮮語の辞書作りの同志となり母国語を守る物語。プロパガンダの色が強い

<小説・ライトノベル・歌集・ノンフィクション>
・虐殺器官(伊藤計劃)▶「人間には虐殺を司る器官が存在し、器官を活性化させる“虐殺文法”が存在する」衝撃の設定のSF小説
・言語小説集(井上ひさし)▶ワープロ談義が転がって記号論にまで発展する騒動「括弧の恋」ほか、言語に関する短編集
・文字禍(中島敦)▶武の国アッシリアの王に命じられ文字の精霊がもたらす禍について探究するナブ・アヘ・エリバ博士
・文字渦(円城塔)▶電子書籍の書記体系では到底再現しきれない、実験意欲溢れる短編集
・筆談ホステス(斉藤里恵)▶聴覚障害のため筆談で接客した人気ホステスさんの自伝エッセイ
・『ジョン・マン』シリーズ(山本一力)▶土佐の貧しい漁師だったジョン万次郎の波乱の生涯・鎖国下の幕末で英語に明るかった万次郎は立身出世を遂げる
・ら抜き言葉殺人事件(島田荘司)▶被害者は「ら抜き言葉」に異常な拒否反応を示す女…斬新な設定のミステリー
・言壺(神林長平)▶ 「ワーカム」という著述支援用マシンが当たり前になった世界は言語ディストピアだった
・僕の妹は漢字が読める(かじいたかし)▶漢字が廃絶された近未来の日本。ああ萌え文化とは恐ろしや
・異世界語入門―転生したけど日本語が通じなかった(Fafs F. Sashimi)▶ありがちな異世界転生モノと思いきや綿密な架空言語設定を紐解く面白さ
・とある魔術の禁書目録(鎌池和馬)▶超電磁砲(レールガン)や幻想殺し(イマジンブレイカー)などの中二病的当て字の数々
・ホスト万葉集(手塚マキと歌舞伎町ホスト75人)▶夜の街の流儀を詩情もシャレも豊かに詠む短歌集だが昨今のコロナ情勢とも無関係ではいられない

<PCゲーム・美少女ゲーム※一部18禁のものを含みます>
・時雨Dictionary(作詞:緒乃ワサビ/作曲:MARUKEN/編曲:MARUKEN、Xelik/歌:時雨(民安ともえ)▶キミトユメミシというゲームでロシアンハーフの時雨というキャラクターが日本語覚え歌として歌った曲
・ことのはアムリラート▶人工言語であるエスペラント語を基にした異世界語ユリアーモで紡がれる、純百合ADV

<アニメ>
・翠星のガルガンティア(原作:オケアノス/原案・監督:村田和也)▶地球に漂着した人類銀河同盟の所属兵士であるレドが徐々に言語を獲得していく一幕も描かれる
・天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)(原作:會川昇、BONES/監督:錦織博)▶江戸伝奇テイストに漢字由来の特殊能力「漢神」を駆使して妖夷退治
・バーナード嬢曰く。(漫画原作:施川ユウキ/総監督:ひらさわひさよし)▶読書家の見識が問われるゆるい図書室コメディ
・八十亀ちゃんかんさつにっき(漫画原作:安藤正基/総監督:ひらさわひさよし)▶随所に出てくる名古屋弁ネタ
・川柳少女(漫画原作:五十嵐正邦/監督:神保昌登)▶川柳でコミュニケーションを図る少女と元ヤンキー君のほっこりラブコメ
・昭和元禄落語心中(漫画原作:雲田はるこ/監督:畠山守)▶落語をめぐる人間模様と噺家の壮絶な切れ味
・超時空要塞マクロス(スタジオぬえ原作、タツノコプロ・アニメフレンド制作)▶巨人型異星人の話すゼントラディー語にヤックデカルチャー
・のだめカンタービレ(漫画原作:二ノ宮知子/監督:カサヰケンイチ→今千秋)▶海外放映されていた劇中アニメ『プリごろ太』現地語バージョンを観て苦手なフランス語を習得する主人公
・ちはやふる(漫画原作:末次由紀/監督:浅香守生)▶小倉百人一首競技かるた日本一を目指して若者が青春を賭ける

<漫画・同人誌・評論>
・同人誌「竹輪言語学研究」アカデメイアロマンティカ(原作:ヨン様/作画:孔雀院はなはち)▶ディープな言語学ネタをべたべたの少女漫画タッチで描く
・ヘテロゲニア リンギスティコ~異種族言語学入門~(瀬野反人)▶ファンタジー世界であっても、種族が違えば文化が違う。魔界言語学フィールドワーク
・おほまんが(おほしんたろう)▶発想のユーモアさもあるが言語感覚のユーモアもある
・伝染るんです。(吉田戦車)▶シュールで時に哲学的、言語感覚の可能性も引き出す
・学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方(サンキュータツオ)▶お笑い芸人で日本語学者のサンキュータツオさんが辞書マニアぶりを発揮

<コンシューマーゲーム・スマホゲーム>
・ことばのパズル もじぴったん(ナムコ)▶元祖新感覚ことばパズルゲーム。音楽もステキ
・ルドラの秘宝(スクウェア)▶さまざまな属性が体系化された言霊システムを駆使してプレイヤーが自由に呪文を作れる
・共闘ことばRPG コトダマン(セガゲームス、XFLAG)▶五十音を頭文字にもつ文字の精霊「コトダマン」を組み合わせて作った「ことば」で敵を攻撃する
・クロス×ロゴス(アニプレックス、面白法人カヤック)▶ターン制のクロスワードを使った“言葉で戦うRPG”

<カードゲーム・テーブルゲーム>
・ボブジテン(TUKAPON)▶カタカナを一切使わずにカタカナ語を説明しろ!ボブのために
・ワードバスケット(小林俊雄)▶しりとりカードゲームをルール整理して遊びやすくしたもの。要瞬発力
・ワードスナイパー(小川昌洋)▶山札に書かれたお題に合うよう狙いをすまして瞬時に言葉を撃ち抜け
・ダイアレクト(Kathryn Hymes氏とHakan Seyalıoğlu氏)▶孤立体のコミュニティの盛衰と諸相を紡ぐ言語学TRPG

<テレビ番組・ドキュメンタリー>
・プレバトの俳句コーナー(MBS毎日放送)▶夏井いつき先生が快刀乱麻にスパっと添削
・ワーズハウスへようこそ(日本テレビ)▶こだわりのある家族が語源を掘り下げていったり誤用した日本語を正していくショートドラマ
・ヒトと言葉を交わすゴリラ"ココ"の物語(BBC)▶動物学者のペニー・パターソンさんと手話で交流。手法に曖昧さは残るが、死の概念さえ理解していたという

<その他>
・もじバケる(BANDAIの食玩)▶漢字フォームから動物フォームへと超変換!変形おもちゃ
・新しい絵ことばLoCoS▶太田幸夫氏が考案したピクトグラムのような視覚言語
・バベルの塔(旧約聖書 創世記)▶それまで一つの言語を共有していたが、天まで到達する塔を建設しようとした事で神の怒りを買い世界の言語が分かれてしまった

 

※2020年8月28日:その後の鑑賞・手直しを踏まえて4点追加しました。
「マルモイ ことばあつめ」「ホスト万葉集」「ヒトと言葉を交わすゴリラ"ココ"の物語」「バベルの塔」
これに伴い一部<カッコ>項目名も若干追加編集しておきます。

※2021年10月28日、好評につき第2弾記事を書きました。よろしければこちらもどうぞ↓
細工は流々、言葉を題材にしたエンターテイメント作品[第2弾] - P突堤2

※2022年10月17日、好評につき第3弾記事を書きました。よろしければこちらもどうぞ↓
「ペルシャン・レッスン」公開近し・言語トピックはまだまだあるぞ[第3弾] - P突堤2


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日本語の特徴を再認識させられる記事紹介 その2

2020-08-06 | にほんごトピック

日本人ほど自国を論じる文物を好む国民はほかにいないと言われています。
最近では自国スゲー!などの風潮や外国人に二ホンを持ち上げさせる演出に辟易する人も出始める始末ではありますが、
このグローバル化の怒とうの荒波が押し寄せる時代、日本人自身も自らの在り方や生き抜き方を模索していこうとする問題意識の表れとなってこうした現象が巻き起こっているのだと理解することもできるでしょう。
まずはわれわれが出かけ前に鏡を見るように、コミュニケーションといういでたち、言語という装いをイメージし直すことから始めてみるのも新鮮な事だと思います。

今回も日本語の特徴を再認識させられる記事紹介 その1に引き続きWebから拾ってきた日本語に関する面白トピックをざっくりご紹介したいと思います。
文法・音韻から文化論まで、さらにはアカデミックなもの、果てにはダジャレも…これはという日本語のエッセンスを感じさせるさまざまな話題をとりあげてみました。

ようやく暑さも本番といったところですが、皆様体調にはどうぞお気を付けてお盆期間をお過ごしくださいませ。


[Webで出合ったにほんごトピック記事11選]
VIPPERな俺 : 日本語(口語文法)のクソな所で打線くんだwwwwwwwwww
   →古典文法には複雑/微妙/助動詞使いニュアンスを区別する豊かな機能性をもっていたのを知ってちょっとした喪失感の現代文法…

キャラクターに応じた「役割語」〜日本語の大きな特徴にスポットを当てた〜 — リソウ
   →役割語はキャストを瞭然と記号化することができて効率がいい。ただし安易なステレオタイプ化には注意が必要だ

なぜ翻訳でステレオタイプな「女ことば」が多用される? 言語学者・中村桃子さんインタビュー - wezzy|ウェジー
   →規範と抑圧は表裏一体。表現における「ステレオタイプの経済性」とどう折り合いをつけていくか

米国人は、なぜ、石川遼くんの RYO の発音を知りたがるのか。 | げたにれの “日日是言語学”
   →かなり専門的に説明してあるのだが米国人に[リョ]という発音の概念がないということ自体が驚きだ

スノーデン氏、「Twitterのチートモードは日本語」と日本語でツイート - ITmedia NEWS
   →twitterの140文字という制限の中での日本語の情報密度の高さにスノーデン氏も舌を巻いている

日本語(大和言葉)ってひょっとして動詞の数が少なくないですか? - Yahoo!知恵袋
   →動詞の体系が風通し良いのとともに、副詞やサ変動詞の味付けでいくらでも広げられるから固有の動詞を持つ必要がないのかも

【英語学習者必見】日本語はものすご~く特殊な言葉なんです - YouTube
   →英語はシラブル言語、日本語はモーラ言語。これはリスニングやスピーキングに直結してくる

あんまり知られてない?! 日本語で外国人がくじけるとこ | ヨッセンス
   →「日本人にとっては無意識レベルだけど外国人には難しい」という視点で見ると自覚的に理解でき新鮮な発見がある

「漢字は表意文字」と教えるのは正しいのか【隙間リサーチ】 | ちりつもFILE (β
   →西洋では100年前から「表意文字」と呼ぶのは不適切とされている。ならばこの記事でその組み立てを知ろう

(728)日本語の成立モデル安本美典の日本語成立論
   →樹形派生の「系統論」ではなく大河流入になぞらえた「成立論」モデルには目から鱗が落ちる

ダジャレランキング / ダジャレ・ステーション | 面白いダジャレ(駄洒落/だじゃれ)総合サイト
   →同じ文章を2回繰り返して作る「完全ダジャレ」が軒並みランクイン。ダジャレガチ勢が投稿する日本語のウルトラC

 

 


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